SシリーズのDNAを継承する、サーヴェロ S3
6800アルテグラと6870 Di2の完成車もラインナップ
サーヴェロ独自の規格である79mm幅のBBライトや、下ワン径を1-3/8インチとしたテーパードヘッドチューブなどを採用しながら、カーボンのレイアップを最適化することで重量増を最小限に留めている。
その結果、フレームの平均重量は上位モデルのS5よりも60g軽い1100gを達成した。
外観で注目すべきは、軽量ロードカテゴリーであるRシリーズ譲りの極細シートステーを新たに採用したこと。また、Sシリーズの特徴でもあったトップチューブの真上からシフトワイヤを装入する独特なケーブルルーティングは、ダウンチューブの側面に入り口を設けたオーソドックスな内蔵方式へと改められている。
このニュー「S3」、フレーム販売のほかに6800アルテグラと6870 Di2の完成車も用意されており、どちらもローター社の3DFクランクを採用。
ハンドルまわりには3T、サドルはフィジークのアンタレスを選択。すきのないアッセンブルとなっている。
ミドルグレードながら上位機種よりも軽量な「S3」。今シーズンの台風の目となりそうだ。
CERVELO S3
サーヴェロ S3
フレームセット価格 33万6000円
シマノ・アルテグラ6800完成車価格 54万6000円
シマノ・アルテグラ6870 Di2完成車価格 67万2000円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・アルテグラ6800
ホイール:トーケン・T55
タイヤ:パナレーサー・レースCエヴォ2 700×26C
ハンドルバー:3T・エルゴノヴァプロ
ステム:3T・ARXプロ
サドル:フィジーク・アンタレス
シートポスト:オリジナルシートポスト
試乗車実測重量:6.92kg(51サイズ、ペダルなし)
サイズ:48、51、54、56
カラー:ガンメタルレッド
■下ワン径を1-3/8インチとしたテーパーヘッドチューブ。シフトワイヤの内蔵ルートの入り口はトップからダウンチューブに変更。
■プレスフィット版のBB30をベースに左側を11mm拡大して、全幅を79mmとしたサーヴェロ独自の規格「BBライト」をS3にも導入する。
■専用シートポストの固定はS5と同様のタイプ。リヤブレーキワイヤはインナーのみを内蔵する方式なので、アウターがずれない。
■Rシリーズ譲りの極薄かつ横扁平なウルトラシンステーを採用。シートチューブはカットアウトすることで風の凪がれをスムーズに。
大屋 雄一の試乗レポート
レッドとガンメタによる大胆なツートーンカラーが特徴的な「S3」。
サーヴェロといえば、アルミのソロイスト時代からの大胆なエアロ形状と、後にRシリーズに採用された極細なシートステーのイメージが強く、その両方を取り入れた「S3」はルックスからもサーヴェロの独自性があふれている。
試乗車は前後ホイールにトーケンのT55カーボンチューブラーを装着したもので、タイヤはパナレーサー・レースCエボ2の700×26Cという太めのサイズをセレクト。
走っての第一印象は、とにかくソリッドということ。クランクとリヤタイヤの接地点が直結しているかのようなダイレクトな加速が味わえる。
一方、26mm幅のタイヤをもってしても路面の凹凸をダイレクトに伝えてくるが、収束が早いのでさほど不快には感じない。
ねじれ剛性が高いという印象で、ダンシングのリズムを取るのに少々慣れは必要だ。だが、平滑なアスファルトを高めのケイデンスで巡航している際の気持ちよさは格別。
外観だけでなく、走りからも人とは違うバイクであることを訴えてくるニュー「S3」。乗りこなす楽しみを備えた希有な存在といえる。