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宇都宮ブリッツェン2014始動!

地域密着型のチームとして6年目のシーズンを迎えた宇都宮ブリッツェンが、2014年2月2日 ホームグラウンドの栃木県宇都宮市でチームプレゼンテーションを行なった

 

宇都宮ブリッツェンの名前が消えたチームジャージの意味

 

地域密着型の自転車ロードレースチームとして、2009年に活動を開始した宇都宮ブリッツェンは、今年6度目のシーズンを迎えた。

2月2日、ホームグラウンドである栃木県宇都宮市で、8人の所属選手たちは真新しいチームジャージを着てチームプレゼンテーションにのぞんだ。

そのチームジャージは、昨年までは "宇都宮ブリッツェン" というチーム名称が入っていた胸の位置に、今年メインスポンサーになったミヤタサイクルのメリダのロゴが入っていた。

 

「6年目で初めてメインスポンサーが付いた」と、廣瀬佳正ゼネラルマネージャーは感慨深げだった。「今年は初めて、ジャージの肩の部分にもスポンサーが入った。もう新しいロゴが入る場所はないくらい」

今季、宇都宮ブリッツェンはユニフォームスポンサーが21社契約している。昨年と比べると、1.2倍だ。

それはつまり、スポンサー契約によってチーム運営費が増えることを意味し、活動規模をさらに拡大できるのだ。チームは今季、アジアツアーへの参戦も予定している。

地域密着型チームである宇都宮ブリッツェンのスポンサーは、その多くが栃木県内の地元企業であるのも特徴だ。社長さんが自転車大好き、という会社もあるそうだ。

チーム名が入らず、スポンサー名だけが入ったチームジャージは、サッカーと同じスタイルだが、自転車チームとしては初の試みだろう。

UCIプロチームの例を見れば、メインスポンサーが付くとチーム名そのものがそのスポンサー名に変わってしまうのが通例だ。新たな試みとともに、宇都宮ブリッツェンはまたひとつ“進化”を遂げた。

 

 

[ 宇都宮ブリッツェン ユニフォームスポンサー(2014.1.23現在) ]

・MERIDA (株式会社ミヤタサイクル)

・株式会社カンセキ

・HAYABUSA.COM

・パワーファーマシー

・下野新聞社

・足利銀行

・坂田新聞店

・パールイズミ

・ライブガーデン

・SPOKES

・入江電機

・滝沢保険

・ORES

・三成ホーム

・作新学院

・とちぎテレビ

・栃木SC

・積水ハウス

・じてんしゃの杜

・宇都宮食販

・熊本商店

 

テッペンを取り返せ!

 

宇都宮ブリッツェンは2012年にJプロツアーのチーム総合優勝と個人総合優勝の両方を獲得し、活動4年目で日本の頂点に立った。

しかし、若手育成のチーム体制で再スタートした昨年は、外国人選手を補強した他チームに惜敗し、チーム総合2位で終わった。

 

本来若手の育成は、長い年月をかけて行わなければならないものだが、スポンサーのためには勝つことも重要だ。外国人選手の参戦で、国内レースのレベルが想定以上にアップしたことを考慮し、今季は一時軌道修正を試み、有力な選手を5人補強した。

しかし、ライバルチームのように外国人選手を獲得しないのが、宇都宮ブリッツェンの誇りだ。新加入の5選手は、もちろんすべて日本人選手だ。

 

その筆頭となるのが、2012年に宇都宮ブリッツェンでJプロツアー個人総合優勝を果たした増田成幸だ。彼は昨年、イタリアのUCIプロチーム、キャノンデールプロサイクリングへ移籍し、トップレベルの選手たちとともに世界で闘ってきた。その経験を活かし、今季は古巣に戻ってふたたび国内の頂点を目指す。

 

今季は若手とベテランが力を合わせ、Jプロツアー個人総合優勝とチーム総合優勝の栄冠をもう一度取り返すことがチーム最大の目標だ。

地元では「餃子が全国1位を取り返せたんだから、ブリッツェンだって!」と、言われている。さらに全日本選手権で優勝し、ナショナルチャンピオンジャージを獲得できれば、宇都宮ブリッツェンは次の高みへと駆け上がるはずだ。

 

UCIレースでの優勝、そしてホームグラウンドで開催される国内最高峰レース、ジャパンカップで表彰台に上がること。目標には限りがない。

宇都宮ブリッツェンは、清水裕輔を新監督に迎え、8人の挑戦者とともに世界へと挑んでいく。

 

 

[宇都宮ブリッツェン 2014年所属8選手&今年の豊富]

 

鈴木真理(キャプテン/パンチャー/39歳)

「選手生活で初めてキャプテンをつとめる。チームの目標のために走りたい。その中で狙えれば、勝ちにいきたい」

 

増田成幸(キャノンデールプロサイクリングから移籍/オールラウンダー/30歳)

「それぞれの目標を実現できるチーム。エースを任されたレースでは勝って行きたい。それ以外では、チームに貢献するような走りをしたい」

 

鈴木譲(シマノレーシングから移籍/オールラウンダー/28歳)

「今年は国際的なステージレースでエースを任されたい。宇都宮クリテリウムは必勝体制なので、チームのサポートができるように頑張りたい」

 

阿部嵩之(チーム右京から移籍/ルーラー/27歳)

「全日本TTでの優勝を目指す。勝利数を増やすことを目標にしたい」

 

大久保陣(チーム右京から移籍/スプリンター/25歳)

「ジャパンカップのクリテリウムと、宇都宮クリテリウムを狙う」

 

青柳憲輝(シマノレーシングから移籍/オールラウンダー/24歳)

「プロ4年目の経験を活かし、Jプロツアー総合優勝をサポートしたい。(地元の)ジャパンカップでは積極的に逃げて、山岳賞を取りたい」

 

堀孝明(クライマー/21歳)

「今年でプロ3年目。ケガに終わった1年目、いい手応えがあった2年目だったので、3年目の今年は結果を出す年にしたい」

 

城田大和(オールラウンダー/19歳)

「高校時代にステージレースで区間優勝し、コースをよく知っている八幡平の全日本ロードで優勝したい」

 

●監督:清水裕輔

●ゼネラルマネージャー:廣瀬佳正

●テクニカルアドバイザー:栗村修

 



■チームプレゼンテーション記者発表のあとには、盛大なパーティーが開かれ、後援者やファンの皆さんにも新しいチームが紹介された。地域密着型チームならではの “おもてなし” は最高だった





■宇都宮ブリッツェンは「命の大切さ」「夢を追うことの大切さ」を発信する募金プロジェクトも手がけている。12歳のときにお母さんをガンで亡くした堀選手(左)がイメージキャラクターをつとめている





■パーティー会場では、選手たちが気さくにサインや記念撮影に応じていた。選手たちがジャージの背中のポケットにサインペンを常備していたのがナイス!




■緊張する記者発表の集合写真撮影のあとの、ほのぼのしたヒトコマ。選手たちは撮影に使用したメリダの自転車や、パイオニアのペダリングモニターをネタに盛り上がっていた






■JA全農とちぎから選手たちにお肉のプレゼント! 鈴木キャプテンと記念撮影に収まった、ゆるキャラ「栃木うしまるくん」も気になるが、JA全農とちぎオリジナルのジャージは、背中にとちおとめのイラスト入りでオシャレだった









■サイスポ.jpのイチオシ選手は、弱冠19歳でチーム最年少の城田大和(しろた やまと)選手! 沖縄出身で、あこがれのプロ選手は新城幸也選手。

将来の夢はもちろんツール・ド・フランスに参加することだが、クラシックレースで石畳も走ってみたいと話していた。「小6から競技をしていて、TVや雑誌でパリ~ルーベを観て、近所のダートを走ったりしてました。それでパンクしちゃったりして…(笑)」

そんなお茶目な城田選手の活躍に期待しよう!




■宇都宮ブリッツェンのパーティーには、同じ栃木県を拠点とするチーム、那須ブラーゼンの清水良行監督(左)と、若杉厚仁も激励に駆けつけた、2人とも宇都宮ブリッツェンの出身だ




 



■パーティーでは宇都宮ブリッツェンの下部育成チーム、ブラウ・ブリッツェンも紹介された。最年少でまだ中学生の小野寺慶選手は、「日本人初のツール・ド・フランス総合優勝を目指します!」と、宣言していた







■もちろん公式マスコットキャラクターのライトくんも応援に駆けつけた!
「今年も宇都宮ブリッツェンをヨロシク!」


今年初開催の宇都宮クリテリウム、次の夢はツール・ド・栃木!

 

宇都宮ブリッツェンを運営するサイクルスポーツマネージメント株式会社は、今年、地元宇都宮で初めてレースを主催することになった。しかも、Jプロツアーの開幕戦だ。

「国内最高峰のロードレースツアー、宇都宮で開幕。」という謳い文句が付けられたJBCF宇都宮クリテリウムは、3月23日に宇都宮市清原工業団地内特設コースで開催される。

 

「ホームでレースを開催することは重要。ファンを獲得するために、これまでいろいろなことをやってきたが、限界がある。ジャパンカップのときに、次はいつどこでレースを観られるのか、という質問をよくされていた。それがまた1年後というのではだめだ。

やはり、目の前で応援ができるレースが必要で、ホームレースを増やしていかなければならない。まずは観戦者の立場に立ったレース作りで、宇都宮クリテリウムを成功させたい」と、廣瀬GMは熱く語った。

 

さらにサイクルスポーツマネージメント株式会社は、6日間の日程で競われるツール・ド・栃木(仮称)を構想中だ。

初日は日光をスタートするステージで、タイムトライアルが組み込まれるなど、かなり具体的なコース案が進められている。

公道を使用し、サーキットコースではないスタートとゴールが異なったラインコースを実現させるのが目標だ。

 

このドリームレースについて廣瀬GMは、「いろは坂や茶臼岳を、ヨーロッパの選手たちが走るところは誰もが観てみたいはず。具体的な実行委員会はまだできていないが、まさに進行中。ジャパンカップの経済効果は20億円。自転車レースが、観光として経済効果をもたらせるものだということを証明していきたい」と、説明していた。

 

観戦者の立場に立って作られる宇都宮クリテリウムでは、地元の特産品を味わえる飲食ブースや、試乗ができるメーカーブースが設けられる。会場でクイズなどを行って、レースをさらに楽しめる工夫もしていくそうだ。

 

残念ながら大会会場となっている清原工業団地は、宇都宮市内の鉄道駅から離れていて路線バスがない。しかし、今のところ初開催の今年は臨時シャトルバスを運行する予定はないそうだ。

スポーツ施設の多いエリアなので、地元のファンは行き慣れているそうだが、県外からの観戦者を増やすためには、ぜひシャトルバスの運行を検討してもらいたい。

 

古巣に戻った増田成幸選手に独占インタビュー!

 

Q: 古巣に帰ってきたわけですが、今のお気持ちを聞かせてください

 

正直、自転車選手という仕事に対してのモチベーションがわかなくなった時もありました。

ただ、もう一度戻ってきたいと思ったときに、走りたいチームは一つ。宇都宮ブリッツェンだけだった。それ以外のチームだったら選手をやめようと思っていたくらいです。

 

 

Q: それは増田さんから?

 

そうですね。チームからもOKをもらえました。

 

 

Q: チームの方針転換とあっていた?

 

それもあるかもしれない。このチームは入りたいと行って加入した選手ばかりですね。

 

 

Q: 目標は全日本の制覇ですか?

 

全日本選手権に勝つというのはもちろんですが、地元のジャパンカップでの優勝というのは、やはりはずせないです。海外の強い選手も帰ってくるし、現実的なところでは表彰台にあがるという目標があります。ホームゲームなので絶対に活躍している姿を見せたいですね。

 

 

Q: 今期のバイクであるメリダ・スクルトゥーラはどうですか?

 

まだ練習用のホイールを付けてしか走ってないので、いい加減なことは言えないんですがフレームは好印象です。早く決戦ホイールで乗ってみたい。そうすればもっとフレームのポテンシャルの高さを引き出せると思います。

 

 

Q: パイオニアについては?

 

2年前から触ってはいました。かなりコンパクトになったので、これならレース中でも使えると思います。SRMと勝負ができる重さだと思います。ハンドルに重量物が付いているのはやはり気になるので。

体重が同じくらいの選手と併走して、今何ワット?という話をしたときにほぼ同じくらいの数値が出ていたので、動作も正確で問題ないと思います。

 

 

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