ボーマ史上究極のエアロロード、ラソア
ニュートラルで扱いやすいフラッグシップモデル
いくらディスクブレーキの性能が全天候型とはいえ、レースで使いたいという人にとってはリムブレーキのバイクのほうがまだまだ実用的だ。
前後ともダイレクトマウントを採用。ブレーキキャリパーのセンター1カ所ではなく左右で2カ所固定しているので、アーチの剛性が上がっている。
そのためストッピングパワーも向上。それでいてエアロダイナミクスにも優れているのだ。
メンテナンス性はやや犠牲になるが、リヤブレーキがBBの下側に取り付けられることで、シートステーはブレーキを支える必要がなくなり、振動吸収性のためだけに設計の自由度を上げることができる。
シートポストにはシマノ Di2のビルドインバッテリーを内蔵できる専用のシムが最初から取り付けられているので、Di2で組んでもすっきりと仕上げることが可能だ。
マット塗装で仕上げられているが、どうしても汚れ対策が気になるところ。
そこは超微粒子な特殊マット・クリア塗装を使っているので、純粋なマット塗装よりも小傷が目立ちにくい。
ボーマ・ラソア
フレームセット価格 23万1000円
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・デュラエース9000
ホイール:ボーマ・TH-15T
タイヤ:ヴィットリア・コルサエリート 700×23 - 28C
ハンドルバー:ボーマ・HB03
ステム:ボーマ・ST-01
サドル:セライタリア・SLR
シートポスト:オリジナル
試乗車実測重量:7.12kg(Mサイズ、ペダルなし)
サイズ:S、M、L、XL
カラー:ショッキングイエロー×マットブラック、クリアブラック
※試乗はホイールをFFWD・F6Rで行ないました。
■シートクランプは斜めうすをボルト1本で引っ張り上げるタイプ。エアロ形状のシートポストを確実に固定できるほか、クランプ自体もフレームに隠れるので見た目もスマート。
■電動コンポーネントと機械式コンポーネントの両方に対応する。Di2のケーブル入り口の両サイドにはシフトワイヤを入れるための穴が用意されている。
CYCLE SPORTS.jp ナカジの試乗レポート
エアロロードで、しかもブランドのフラッグシップモデルともなれば、乗りこなす側にもそれなりの運動神経が要求されるような、シビアな反応を返してくるフレームなのかと思っていた。
だが実際に走ってみると、とてもニュートラルで扱いやすいバイクだった。
モノコック構造のフロント三角がしっかりとパワーを受け止めてフレームの後ろ半分を引っ張っていってくれるような印象を受けた。
それほどに、フレームの前半分と後ろ半分で役割がはっきり分かれているように感じる。
ハンドルの下側を持って前荷重で踏み込んでいっても、フロントまわりがばたつくことはなかった。
チェーンステー長406mmにBBドロップが68mmというのも踏み込んでいったときの反応のよさに貢献しているのだろう。
シートステーが適度にしなってくれるので、不快な硬さはない。
フラッグシップモデルなんだから、加速にしてもハンドリングにしても、もっとシビアな反応を返してほしいという人にとっては物足りなさがあるフレームになるかもしれない。
とはいえ、ワイヤ類をすべて内蔵、ダイレクトマウントのブレーキに対応、シートポスト内へのバッテリー内蔵(従来のバッテリーマウントも可)、左右比対称のシートステーなど最新規格の全部乗せといった仕様。
それでいて価格は各社のトップモデルよりもかなり抑えられている点は大きな魅力だ。
サーキットレースでもロングライドでも、幅広いシーンで使いやすいフレームに仕上がっていると思う。