ジャイアント TCR コンポジット2【10万円台から乗れるロードバイク・シリーズ】
上位モデルの技術を継承したエントリーフルカーボンモデル
トップグレードのレーシングモデルからエントリーモデルまで幅ひろいラインナップを誇るジャイアントだが、最大の特徴は世界一多くの自転車を作るメーカーゆえの技術力だ。
数えきれないほどのレース経験からのフィードバックを受け、そこから出された新たなアイデアを現実にする充実した設備。
高い技術力で生産するフレームは、 プロ選手からも高評価を得るほどの完成度に仕上がっている。
TCRコンポジット2は、シマノ・105をメインに、ハンドル、 ステム、サドル、ホイール、タイヤなどを上質なジャイアント製の オリジナルパーツで組んだモデルで、フロントは Tのコンパクト、リヤのスプロケットは12-30Tとワイドなギヤ設定。幅ひろいいユーザーを対象にしている。
パワーコア、オーバードライブなど、上位モデルのカーボン製造ノウハウを継承した信頼の高いエントリーカーボンモデルといえる。
パワーコアとは、クランクを支持 するベアリングをフレームに直接圧入する独自のBB規格。オーバ ードライブもヘッド部分の独自規格で、フレーム側とステアリング コラム双方に工夫がある。
ヘッド下側ベアリングのコラム径を1・1 /4 インチに大径化、 コラムもテーパードとして、ねじれ剛性とステアリング剛性が最大15%向上。
走行中のあらゆる局面で良好なステアリング性能を発揮する。上側のコラム径は通常のオーバーサイズ 1・1 / 8インチの ためステムの汎用性も高い。
GIANT TCR COMPOSITE 2
ジャイアント TCR コンポジット2
シマノ・105完成車価格/19万円(税抜)
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・105
ホイール:ジャイアント ・ P - R 2リム
タイヤ:ジャイアント ・ P - R 3 7 0 0 × 2 3 C
ハンドルバー:ジャイアント・コネクト
ステム:ジャイアント・コネクト
サド ル:ジャイアント ・ パフォーマンスライト D 2
シートポスト:ジャイアント・ベクターコンポジット
試乗車実測重量:8.28kg(465サイズ、ペダルなし)
サイズ:430、465、500、535mm
カラー:ホワイト×ブルー、カーボン×レッド
使いやすい形状のハンドルからタイヤまで、主要なパーツを自社製とすることでトータル性能を向上。メインコンポーネントはシマノ・105 を採用する
クランクを支持するカートリッジベアリングをフレームに直接圧入する独自のBB企画(パワーコア)。ハンガーまわりの剛性を高め、伝達効率を上げている
ヘッド下側のコラム径を大径化してステアリング剛性を高める独自「オーバードライブ」によりハンドリングばかりでなく軽快な加速性能も獲得
フォークは先端に向かって細身になり、乗り心地に貢献するが、ダンシングやダッシュで負荷をかけてもよれることなく安定感がある
ホイールに沿って後端を大きくえぐったエアロシートチューブと、トップにスムーズにつながるシ ートステーが最適な衝撃吸収性能を発揮
小林徹夫の試乗レポート
走り始めると、フレームの形状やBBまわりとヘッドまわりの剛性の高さからだろうか、路面の振動はやや伝わりやすい。
かといって特別に部分部分が目立っ て剛性が高い感じはなく、シートステーの付け根部分を横方向に扁平形状とすることで縦方向の振動を吸収させて、トータルとしてのバランスは優れている。
車体を左右に振ったときには軽快に反応し、スピード変化、ダンシングといったシーンでは、このバイクの走行性のよさが感じられる。
スピードの乗り、巡航速度の維持いずれも良好で、ペダル回転数を高めに維持すれば引き脚から上死点で足を前に押し出しやすい。
ダンシングやフルブレーキングでも剛性にまったく不安がないのは「オーバードライブ」の効果だろう。
ステアリングの感覚は、左右への動きを機敏にするタイプで、やはりレーシングを意識しやすいが、足元をすくわれる不安定な感覚はまったくない。軽快なハンドリングといっていいだろう。