トピックス

ジオス・トルナード【10万円台から乗れるロードバイク・シリーズ】

60年以上の歴史を持つ、トリノを拠点とするイタリアンブランド。鮮やかなブルーカラーで知られており、イタリアには「ジオスブルー」というカラーが存在するほど有名。最新鋭のエアロロードからクラシックなクロモリバイク、スタイリッシュなシティバイクまで幅ひろく製品を展開し、日本でも絶大な人気を得ている。

 

text:小林徹夫 photo:小見哲彦

快適な走りを追求したオールラウンダー

 

ジオスの名声は過去のプロ選手 たちの活躍により決定づけられてきた。

もっともその名を世に知らしめたのは、1973年からフレーム供給したブルックリンチームの活躍だ。なかでもR・ド・ブラマンクはパリ・ルーベで4勝するなどの大活躍で、70年代はジオスを世に知らしめた栄光の時代といえる。  

 

創業者から次世代に受け継がれた現在、2014年モデルとして登場したフルカーボンのトルナードは、ジオスの新たな一面を見せているといえるだろう。 

トルナードで印象的なのは、後輪からの突き上げを軽減して乗り心地を高めるために薄く成型されたシートステー。そしてチェーンステーが412mm、フロントセンターも590mm前後と伸ばしたロングホイールベース設計だ。  

 

ホイールベースを伸ばしたことで路面からくる振動の突き上げを緩和する。ダウンヒルでの安定性や直進性にも優れ、ロングライドでも疲労軽減に貢献してくれる。  

太いタイヤを入れることで、これらの快適性がさらに強調され効果が得られる。 快適を設計のベースにしながら、運動性能を高めるための工作も抜かりがない。

操作性を左右するヘッドまわりでは上下異径ヘッドチューブ。ウイップを出すハンガー まわりはプレスフィット式のハンガーシェルを組み合わせ、ヘッドからBB、チェーンステーのライ ンをしっかりさせることで、快適性をしっかり保ちつつ「走る」 バイクに仕上げている。

 

GIOS TORNADO

ジオス・トルナード

シマノ・105完成車価格/23万8000円(税抜) 

 

フレーム:カーボン

フォーク:カーボン

コンポーネント:シマノ・105

ホイール:シマノ・RS31

タイヤ:ヴィットリア・ルビノプロスリック700×23C

ハンドルバー:オリジナル

ステム:オリジナル

サドル:オリジナル

シートポスト:オリジナル

試乗車実測重量:8.20kg(53サイズ、ペダルなし)

サイズ:50、53、55

カラー:マットブラック

 

 

シマノ・105の レバーをアッセンブルしたハンドルとステムは、ジオスのオリジナルパ ーツ。操作感はスピードを出しても軽い傾向がある

 

 

ダウンチューブは十分な面積を持つ三角形状で、底辺側を幅ひろく設計することで、パワ ーラインに必要なねじれ剛性が保たれている

 

 

ヘッドチューブは当然のように上下異径が採用されている。 ロングライド向けとはいえ、重要なパー トの剛性はしっかりと確保されている

 

 

軽快なハンドリングを演出するストレートフォークは、ブレードの横幅を抑えた設計でエアロダイナミクスにも効果的。剛性感も十分

 

 

垂直荷重に対してしならせることで、 乗り心地を高める構造の薄型シートステー。シートチューブ側は幅広にデザインしてねじれに対処

 

小林徹夫の試乗レポート

 

トルナードは振動に対しての吸収性が高く、走らせるためのフレーム剛性はフロントフォークからヘッド、 BBのラインでねじれをしっかり受け止めてくれるので、レーシングシーンでの走行にも十分に対応できる。  

 

一気にパワーをかけるよりも回転を上げてアベレージスピードを高いところで維持するような走り方をしたほうが性能を発揮できる。  

こうした性能は、ジオスの設計思想どおりロングライド向きといえる。これは長めのリヤセンター、フロントセンターの影響だろう。  

 

上りの場合ならダンシングでガシガシ踏むよりも、 シッティングで上半身をしっかり固定して自分なりにいいリズムでケイデンスを維持したほうが走れる。  

ハンドル操作の感覚は高速走行での左右への切り返しが速いので、ダウンヒルのコーナリングで的確なライン取りをするのは得意だ。

この軽快さを嫌うなら、 短めのヘッドチューブの利点を生かして、ステムを若干下げるのもいいだろう。

 

問い合わせ先

ジョブインターナショナル
06・6368・9910
http://www.job-cycles.com