メリダ・ライド CF93【10万円台からのロードバイク・シリーズ】
ランプレ・メリダのリクエストによって誕生したエンデュランスロードバイク
メリダは早くから機械化に着手し、ロボット溶接や自動化された静電塗装などにより熟練工による 仕事をはるかに凌ぐ精度と強度を実現。自社でカーボンシートから成型まで一貫体制で安定したフ レーム品質を保っている。
そのメリダが、ランプレ・メリダチー ムのリクエストに応えて作ったフレームがライドシリーズだ。 ライドは未舗装路が断続して現われる過酷なレースを闘うための 快適性と衝撃吸収能力の両立が追い求められたエンデュランスロードシリーズで、「ライドCF93」はシマノ・ティアグラを装備したミド ルグレードモデルとなる。
「CF93」はハンガー周辺やヘッドまわりのストレスがかかる部分の負担を下げて軽量化を実現する分割式モノコック構造を採用し、さらにサドルへの突き上げをカットする役割を持つシートステーは、 構造的な柔軟性を与えるためにシートチューブとの交点を下げ、植物由来の繊維をカーボン積層中に 織り込むことで、フレーム素材自体での振動吸収能力を高めている。
同時にシートステーとチェーンステーを縦方向につぶした扁平チ ューブにすることで、横剛性を十 分に確保しながら縦方向の快適性を最大限生かすフラットスプリング設計がなされ、悪路でもスムー ズな走行感と乗り心地を実現する。 長時間の過酷な振動にも耐えられるように作られたフレームは、Cタイヤも取り付けできるようにクリアランスが確保され、ロングライドの疲れを最小限にする。
MERIDA RIDE CF93
メリダ・ライド CF93
シマノ・ティアグラ完成車価格/18万857円(税抜)
フレーム:カーボン
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・ティアグラ
ホイール:アレックス・レース24
タイヤ:コンチネンタル・ウルトラスポーツ2 700×25C
ハンドルバー:メリダ・アナトミックロードOS
ステム:メリダ・プロCF OS
サドル:メリダ・プロSL
シートポスト:メリダ・カーボンH SB
試乗車実測重量:8.63kg(50サイズ、ペダルなし)
サイズ:44、47、50、52、54
カラー:ホワイト×ブラック×レッド
ハンドル位置は 多少高めに感じるが、ステアリング の感覚は非常に扱いやすくノーマルで、誰にでもコントロールしやすい
フレーム全体としては縦方向のショック吸収能力が高いが、ダウンチューブからハンガ ー部のねじれはな く、パワーをロスなく推進力に変換してくれる
ワイヤ類はヘッドチューブの後ろからトップ、ダウンチューブ内に内蔵されて、スッキリとした取り まわしになっている
フォークはコラムに多少の弱さを感じるものの、走行中に不安を感じたり、ブレードの剛性に物足りなさを感じることはない
腰への突き上げに影響するにシートステーは厚さを薄くして、積極的にしならせることで突き上げ をカットしているが、弱さは感じない
小林徹夫の試乗レポート
走り出してすぐに感じるのは腰への負担が少ないこと。これはバックのフラットスプリング設計や、シートステーの上部を下げていることが効果的に働いているのだろう。
その感触は柔らかいというよりは路面からの振動をうまく分散吸収させている印象で、フレー ム自体たわんだりしなったりする感じはしない。
CF93の場合はハンガーまわりの剛性感はあるので、必要なパワーはロスなく推進力として伝えてくれ、シ ョートレンジのレース的な走りにも対応可能だ。
レーシングタイプとしては太めの25Cタイヤがセットされているが、28Cタイヤを付けることも可能で、初めてのレーサータイプなら最初は28Cで乗るのも悪くない。
その場合は太いタイヤのエアボリュームが、 さらにこのバイクのロングライド向けの性能を強調し てくれるし、体力的にも楽に乗れるはずだ。
もちろん レーシング的にロングを走りたい人にとっては、そのままでも十分だし、23Cに交換してもいいだろう。コースによって入れ替えるのもいいかもしれない。