コーダーブルーム・ファーナ 700-105SL【10万円台から乗れるロードバイク・シリーズ】
上位ホイールを履くという新コンセプト
「日本発のスポーツバイクブランドとして展開すること」をコンセプトに、2008年に登場したコ ーダーブルーム。ターゲットを国内のユーザーに限定し、実際の使用環境に則したモデルを企画から 設計、品質管理に至るまで一貫して行なっているのがポイントだ。
昨年6月、同ブランド初となるカーボンフレームのファーナ9000&6800を投入したコーダーブルーム。それ以前にトップモデルだったのが、アルミフレーム のファーナ700 105である。 シマノの105をフル装備しながら、11万5500円という手に入れやすいプライスで登場、大きな話題となったのだ。
ここに紹介するのは、その2014年モデルだ。6061アルミを使用したフレームや、105をフルに採用したコンポなど、基本的な構成は昨シーズンとほぼ変わらないものの、最大のトピックはホイールがさらに上位のアルテグラグレードに変わったことだ。
完成車ではコストダウンの対象となりがちで、購入後に交換されることの多いパーツの代表格であ るホイール。最初からレースで本格的に使用可能なものとすること で、納車以降の費用的負担を減らすのが2014年モデルのコンセプトだ。
このようなユーザーの意見を反映したパーツセレクトは、 日本で商品企画を行なっているコーダーブルームならでは。 価格は16万円+消費税となったが、ロードレース参戦も検討している人にはお買い得といえる。
Khodaa Bloom FARNA 700-105SL
コーダーブルーム・ファーナ 700-105SL
シマノ・105完成車価格/16万円(税抜)
フレーム:アルミ
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・105
ホイール:シマノ・アルテグラWH-6800
タイヤ:マキシス・ゼニス 700×23C
ハンドルバー:オリジナル
ステム:オリジナル
サドル:フィジーク・パヴェ CX
シートポスト:オリジナル
試乗車実測重量:8.52kg(500サイズ、ペダルなし)
サイズ:430、465、500mm
カラー:ガンメタル、ホワイト
コンポはクランクセット、ブレーキキャリパーすべてシマノの105で 統一。ハンドルは アッパー部がウイング形状となっており、手のひらへの荷重を分散
シートチューブ下端やシートステー前端をボックス断面として剛性を高める。フレームの材質は6061アルミで、クランク長はフレームサイズによって異なる
上1-1/8、下1-1/4 インチのヘッドベアリングを採用した上下異径ヘッドチューブ。ワイヤはすべて 外装とされ、シフトのアウター受けにはアジャスターあり
ストレート形状のカーボンフォーク。コラムはアルミ製だ。 標準装着のアルテグラホイールは前後で計1640gと軽量であり、チューブレスタイヤにも対応する
遠目にはストレー トな形状だが、部位ごとに断面形状を変えるシート&チェーンステー。シートポ ストは30.9mm径という珍しいサイズで、F D台座はネジ留めだ
大屋雄一の試乗レポート
シートステーの側面にデザインド・イン・ジャパンの文字をあしらったファーナ。車名の末尾に「SL」 が加わった2014年モデルは、踏み出した瞬間からその意味を実感させられる。
ライダーの入力に対する反応すべてがソリッドで、この価格帯の完成車とは思えないほどレーシーな走りを内包している。ホイールが軽量化されたことで運動性が高まり、なおかつフレームへの剛性的負担が減ったことで、ファーナの持つ潜在能力をより引き出しやすくなったというイメージだ。
ただし、コンフォート系のロードバイクが増えてきたこともあり、相対的に乗り心地が硬く感じられてしまうのも事実。レースシーンで全盛だったころのアルミフレームほどではないが、下死点まで踏み込むような下手なダンシングをすると、踏み戻されるような印象すらある。
とはいえ、そうした面も含めてスポーツ性が演出されたバイクであり、すぐにでもレースに出て結果を出したいと目論んでいる硬派な人にとって、 このファーナは価格的にもかなり魅力的なモデルだろう。