スペシャライズドの新兵器 S-ワークス ターマック登場!
世界同時発表!
自転車界において人気も、そして技術力も高いレベルにあるアメリカンブランド・スペシャライズド。ロードバイクの旗艦モデルであるターマックのモデルチェンジが発表された。今回はめずらしく、米国での発表会と同日に、東京西新宿にある同社のコンセプトショップ「スペシャライズド東京」でメディアと、ユーザーを招いたプレゼンテーションが行なわれた。
新型ターマック最大の特長は「ライダーファースト・エンジアード」という開発コンセプト。これは、F1チーム「マクラーレン」との開発提携によって生み出された、ライダー本位のバイク開発方針だ。
ロードバイクには、ライダーの体格に合わせるためにフレームサイズが存在する。だが、開発の段階では基準サイズとなる56サイズを開発し、その他のサイズについては56サイズをもとに設計しなおすという手法をとっていた。これはスペシャライズドに限らず、フレームメーカー各社が採用している方法だ。
しかし、これではサイズによってベストな走行性能を持たせることができていないということに気がついた。それは小さいサイズは剛性が上がってしまうし、大きいサイズは逆に剛性が下がってしまう。各サイズにとって、最適な設計を突き詰める必要があると考えたスペシャライズドのエンジニアたち。彼らがたどり着いた答えは、各サイズごとに別の設計を施すという、手間のかかる作業だった。
いままで、サイズが違っても同じ剛性になるよう設計されたフレームはスペシャライズド以外にもオルベアなどが作っていたが、剛性のみならず走行性能すべてを最適化するという試みは、既成品のフレームではなかったことだ。
そのために、フレーム各部にセンサーを取り付けたテストバイクを作り、上り、下り、コーナーリングなどさまざまなシチュエーションでの試験を行なった。従来のフレームに重りをつけて試験機にかけるのとは違う。
520以下の小さいサイズ
コーナリング中に剛性が高過ぎることからくる路面からのはねを抑え、安定性を向上。後三角の剛性を上げてパワー伝達効率を17%向上。空気抵抗も改善されている。
540、560の中間サイズについて
フロント周りの剛性を向上。ハンドリング性能向上。チェーンステーが太くなっている。パワー伝達効率を15%向上。
580以上の大きいサイズ
前三角の剛性が不足していたので28%アップ。反応性を上げた。パワー伝達効率を16%向上。
各サイズ、パイプの形状や太さが微妙に変更されている。各サイズ剛性は違うが、それはそのサイズに最適な剛性になっている。ダイレクトマウントブレーキの採用は見送られている。これはメカニックや、選手の使いやすさを考慮した設計。ヘッドチューブは上下異径となっているが、下ワンのサイズはフレームサイズごとに1-1/2インチ、1-3/8インチ、1-1/4インチと異なっている。
軽量化については小さいサイズは軽くなっている。それはいままで過度な剛性がもたされていたので、必要十分な剛性にするためにカーボン使用量が減っているから。
電動コンポーネントで組んでもスッキリした見た目を実現できるように、ブレーキワイヤと同じ穴からフレームに内蔵できる
シマノ・デュラエース完成車価格/84万2593円(税抜)
フレームセット価格/41万6667円(税抜)
サイズ/490、520、540、560、580、610