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トンプソン R-6200【10万円台からのロードバイク・シリーズ】

自転車大国ベルギーで愛され続けてきた老舗メーカー。90年以上の歴史を有し、ロードレースでの活躍も多い。 すべての工程を自社工場で行なうというこだわりと徹底した品質管理によって、ブランドフィロソフィーである「より質の高いバイクを適正な価格で」を実現。2012年に日本に初上陸し、ファンの注目を集めている。

 

text:小林徹夫 photo:小見哲彦

素直な操作性と、アルミらしいキビキビとした走行性能

 

トンプソンの生い立ちは1921年、ベルギーのヘラールツベルヘンに住むスメット家から始まった。自転車競技の盛んなフランドル地方オースト・フランデレン州にある緑豊かな丘陵地帯で、ツー ル・デ・フランドルのまさに通り道。ミュール、グラモンといった6061アルミフレームにカーボンフォーク採用のエントリーロード「ヘラールツベルヘンの壁」は 知らぬ者がない町である。  

 

当時のスメット家は一般用自転車を製造していたが、優れた職人によるフレーム製作や塗装、メッ キ処理、仕上がりの美しさが早くから認められ、ロードレースに進出すると1942年にはフランドルで、のちの名将アルベリック・ スホットがトンプソンバイクで優勝を果たし、トンプソンの名は一 気に名声を得ることとなった。

 

こうしてファミリービジネスから始 まったトンプソンは、現在新工場 を建設して最新のカーボンフレー ムの製造まで対応し、欧州の人々 から愛されるメーカーへと成長を遂げた。  

それでもなお設立当初同様、すべての製品は塗装から組み立てまで自社工場でなされ、流行に惑わ されることなく、高い品質と美しい仕上げにこだわる。

徹底した品質管理は変わらず、機能面でも自転車レースで応用される技術をフィードバックし、これまでにない機動性、高剛性を実現している。

 

THOMPSON R-6200

トンプソン R-6200

シマノ・105 完成車価格 21万円(税抜) 

フレーム:アルミ

フォーク:カーボン 

コンポーネント:シマノ・105 

ホイール:マッハ・オメガ 

タイヤ:IRC・ロードライト 700×23C

ハンドルバー:リッチー・コンプ 

ステム:リッチー・コンプ 

サドル:DDK・スピードプロ  

シートポスト:オリジナル 

試乗車実測重量:9.01kg(51サイズ、ペダルなし) 

サイズ:51、53、56、59、62 

カラー:ホワイト×グレー、ブラック×ブルー

 

 

トップチューブが若干長めだが、ステアリングの感覚はノーマルで扱いやすく、ハンドルポジションも下げられるので調整範囲が広い

 

 

ハンガーは最近のフレームに比べるとボリューム感が物足りない気がするが、アルミの よさを出して踏みだしは軽く、フレームがよれる感じがない

 

 

ワイヤ類は内蔵ではなくダボ付けの外装式とされているので、メンテナンスしやすい。ヘッドまわりの剛性感は十分で、ダンシングでも弱さは感じない

 

 

 

フォークはカーボン製で、かなりしっかりした作り。ブレーキングでもコーナリングでも不安感はまったく感じないので、思い切った走りができる

 

 

シートステーはノーマルな感じだが、そのぶんしっかりと腰を支えてくれるので、トルクをかけるような走りでもしっかりと進んでくれる。

 

小林徹夫の試乗レポート

 

R-6200のフレームは高強度な6061アルミ合金をトリプルバテッド加工し、スムーズウェルディング処理したもの。

単なるエントリーモデルの域を超えた走行性能と仕上がりの美しさを持っている。

 

アルミフレー ムもかつては踏みだしの反応はいいが、剛性が高く硬すぎ、路面からの振動も伝えやすいというイメージだ った。しかし最近のモデルではアルミでありながら振動吸収性を高めて、かつアルミのメリットを生かすフレーム作りがされている。

 

R-6200の踏み出しの加速性能は、アルミらしさを持っていてとても軽快だ。ペダルに力をかけるとフレームが、それをしっかりと推進力に変換してくれる。 硬いアルミだからこその乗り味だ。パワー重視で踏み込むタイプの人でも問題はないだろう。

 

シートアング ルが比較的寝ているので引き脚も使いやすいし、ハンドリングも素直で、力強いカーボンフォークとの相性もよく、タイトなコーナーから下りのハイスピードコ ーナーまで緊張感なくハンドルを切ることができる。

 

問い合わせ先

ハマショウ
03・5615・2259
http://thompson.jp/