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プロチームの監督が知りたい “勝利”を手にするためのサプリ術 Part2

サイクリストのパフォーマンスアップに有効なサプリメント。だがその具体的な使い方は意外と知られていない。そこで「Cプロジェクト」監督兼、全日本最速店長選手権に自身も選手として参加する佐藤氏と、グリコ・パワープロダクションの生みの親、桑原氏の対談によって、その有効性を解き明かす! Part1はこちら
 
text●安井行生 photo●吉田悠太、グリコ

実戦におけるパワープロダクション活用術

CCDやBCAAシリーズなど、サイクリストにも馴染みのあるスポーツサプリメント。しかし、本当に正しいタイミングで正しいものを摂取できているだろうか?「レースで勝てるサプリ術」を、スポーツサプリ開発者桑原氏(写真右)が、佐藤監督(写真左)に教える。
 
佐藤:では、レースや練習で飲むべきサプリメントは?
 
桑原:レース前にはエキストラ・オキシアップ(後述)がマストでしょう。スタートの一時間くらい前からは、BCAAを数回に分けて摂って下さい。走行中は、水分&エネルギーの補給としてCCDがいいですね。
 
佐藤:実際のレースでのサプリメントの使い方を教えてもらえますか?
 
桑原:レース中は、CCDに加えてBCAAも飲んであげると、エネルギーに加え、筋肉の材料を補給することになります。走りながら飲むのであれば、手軽に摂れるワンセコンドBCAAがいいでしょう。ホエイプロテインは吸収が早いことで有名なプロテインですが、それでも吸収には2時間くらいかかります。だから、レース中にプロテインを飲んでも意味がないんです。アミノ酸なら20分で吸収されます。
 
佐藤:アミノ酸でも20分かかるんですね。じゃあ、これからスプリントだ!と慌てて飲んでも間に合わないということですね。
 
桑原:そうです。ちなみに、プロテインは毎日飲むものですが、筋肉の主原料となるBCAAは練習する日だけでOKです。
 
佐藤:レース中はエネルギー&水分を補給するCCDだけじゃダメなんですか?
 
桑原:ハンガーノックという言葉が知られていることからも分かるんですが、水分とエネルギーを摂るという考え方はサイクリストに浸透しているんです。水分がないと倒れちゃう。エネルギーがないと走れなくなる。だからちゃんと補給しようという意識が高く、みんなジェルを飲むし、おにぎりを食べる。ところが、それがいきすぎてタンパク質が後回しになっているんです。確かに水分とエネルギーの優先順位は高いんですが、そればっかりになってタンパク質を忘れると、結局はパフォーマンスが下がってしまいます。そこで上手にBCAAなどのアミノ酸系サプリメントを使うと、総合的なパフォーマンスを上げることができます。
 
佐藤:だからレース中にBCAAが必要なんですね。どうしても僕らはカロリーを重視してCCDを選手に渡してしまいがちなんですが、今のお話を聞くとBCAAも混ぜたほうがいいですね。
 

レース中はクエン酸を摂って乳酸対策を

桑原:レース中にお勧めなのがクエン酸&BCAAです。クエン酸は、エネルギーの燃えカスである乳酸を効率よくエネルギーに戻す働きをします。乳酸自体は悪いものではなく、時間が経つとエネルギーとして再利用されるもの。しかし、レース中に乳酸が出ると確実にパフォーマンスが落ちます。

これは「疲れているから休め」という脳への合図。でも、その合図に従っていたらレースでは勝てないしハードな練習もできない。どうやってその合図を乗り越えるのかがポイントなんです。そのときに、役に立つのがクエン酸。乳酸をエネルギーに戻す手助けをしてくれます。付加価値としてBCAAを配合した製品がクエン酸&BCAAです。
 
佐藤:なるほど。レース中に摂るなら、中盤以降ですか?
 
桑原:そうですね。クエン酸自体はエネルギーにならないので、走る前はエネルギー系のドリンクがいい。つまり、最初は乳酸は発生していないので、どんどんCCDを飲んでエネルギーを入れてください。走っているうちに乳酸がたまるタイミングがあります。「そろそろ乳酸がたまりそうだ」と感じたら、CCDでのエネルギー補給から、クエン酸での乳酸処理に切り替えてあげるのがコツです。きっとパフォーマンスが上がりますよ。
 
佐藤:じゃあCCDとクエン酸&BCAAをワンボトルずつ持っておくといいですね。最初はCCD。中盤以降からはクエン酸&BCAA。
 
※CCD
サイクリストのエネルギー源としてお馴染みのCCDドリンク。ハイポトニック(低浸透圧)なので胃から腸に素早く移行し、ハードな練習をしながらでもエネルギーと水分と電解質を同時に補給することができる画期的なドリンク。エネルギーと水分のほか、汗で失われたナトリウム、カリウムや運動に必要な7種のビタミンを配合している。
・CCDドリンク 500ml用×10袋 1200円(税抜)


※BCAAシリーズ
BCAAは、20種類のアミノ酸のうち、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」という3種類のアミノ酸の総称。筋肉の主原料となるアミノ酸である「BCAAは肝臓ではなく、筋肉で直接代謝されるので、飲みすぎの心配がありません。しかし、メリハリをつけるサプリメントなので、練習しない日は飲まなくてもOKです。走りながら飲むのであればワンセコンドBCAAがいいでしょう」(桑原さん)
・おいしいアミノ酸BCAA スティックパウダー(グレープフルーツ風味) 4.4g×10本 1800円(税抜)
・ワンセコンドBCAA(グレープフルーツ) 1袋 72g 218円(税抜)

体のメンテナンス&チューンナップに!

CCDやBCAAなどの定番サプリの他に、サイクリストにとって有効なアイテムを桑原さんに紹介してもらった。グルタミンやジョイントプラスなど、運動量が多く体を酷使する自転車乗りにとって欠かせないメンテナンスに有効なサプリメント。エキストラ・バーナーやエキストラ・オキシアップなど、戦う前に有利な状況を作ってくれるサプリメント。そして、注目の新製品、マックスロードBCAA。上を目指すなら使わない手はない。
 
●アミノ酸プロスペック グルタミンパウダー/おいしいアミノ酸グルタミンスティックパウダー
「レースとは違い、『回復すること』が練習の価値なので、練習後は回復をできるだけ早めることを心がけたいですね。

<アミノ酸プロスペック グルタミンパウダー>や<おいしいアミノ酸グルタミンスティックパウダー>に入っているグルタミンというアミノ酸は、小腸の唯一のエネルギーとしての役割をもっています。

僕らは栄養をつけるために色々なものを食べますが、食べれば食べるほど疲れてしまうのが小腸。小腸のエネルギー源となるグルタミンを寝る前に飲んで小腸を元気にしてやりましょう。
 
・アミノ酸プロスペック グルタミンパウダー パウダー200g  3300円(税抜)
・おいしいアミノ酸 グルタミンスティックパウダー(ヨーグルト風味) 5.4g×10本 1600円(税抜)
 
 
●エキストラ・バーナー
「エネルギーの源は大きく分けると二つ。糖質と脂質です。運動中には、その2種類のエネルギー変換の橋渡しをうまくすることが大切です。ハンガーノックは、その橋渡しに失敗したときにおこります。脂肪がまだ燃え始めていないのに、糖質が枯渇してしまう現象ですね。エキストラ・バーナーは、長距離を走るときには、強い味方になります。

・エキストラ・バーナー 標準180粒 3600円(税抜)
●ジョイントプラス
「ヒザが痛いのは軟骨成分がすり減っているから。グルコサミンとコラーゲンを補給して欲しいですね。進化型のグルコサミンであるN-アセチルグルコサミン500mgとコラーゲンペプチド3400mgを目安に飲んでください。

これらは一般の食事では摂りにくいので、N-アセチルグルコサミンとコラーゲンをしっかり配合してあるジョイントプラスが有効です。一ヶ月は続けてほしいですね。」
 
・ジョイント・プラス (カフェオレ味) 450g 5000円(税抜)


●エキストラ・オキシアップ
「エネルギーは色々なところでつくられているんですが、最も多くエネルギーを作っているのがクエン酸回路という場所。エネルギーの製造工場です。正確に言うと、クエン酸回路のすぐそばに電子伝達系というものがあり、そこでものすごい量のエネルギーが作られているんです。

でも、この電子伝達系が上手に働かないと、エネルギーの生産量はガクンと下がってしまいます。この電子伝達系に必要なのが、ヘム鉄とコエンザイムQ10。エキストラ・オキシアップにはこの2つを入れてあります。大量に酸素を使う競技にはオキシアップを使ってもらいたいですね。
 
・エキストラ・オキシアップ 標準120粒 3600円(税抜)


●マックスロードBCAA(新製品)
「BCAAとアラニンを混ぜた新製品です。アラニンとは、ブドウ糖に変わるという特長を持ったアミノ酸。ブドウ糖は糖質=炭水化物。アラニンはアミノ酸。本来は全く別の物質なんです。

ブドウ糖は脳の唯一のエネルギーでもあるので、アラニンを摂っておくと、ブドウ糖が足りなくなってきたときにアラニンがブドウ糖に変わってくれるんです。これでレースもがんばれると思います。

・マックスロードBCAA 1kg 1万2000円(税抜)

問い合わせ先

■グリコパワープロダクション
http://www.glico.co.jp/info/pwr_pro/