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ワンランク上のヒルクライマーになりたい人に! 日向涼子と強くなる!3ヶ月目(8/12~25)

”乗鞍”まであと3週間!ヒルクライムの魅力に目覚めてしまったモデル日向涼子が、シーナックキャビンの中込由香里選手に弟子入り。より高いレベルを目指すために必要なトレーニングをレポートする。「がむしゃらに走っている」から、さらに上のレベルになりたい人。日向涼子と強くなろう!
 
text&illust●日向涼子 photo●吉田悠太

さあ、ラスト3週間へ!

9月1日の乗鞍本番までいよいよあと3週間! 先週1週間を休息期間にあてた、日向涼子はいよいよ本番に向けて調子を上げていくべく、最も重要な3週間をスタートする。読者のみんなも一緒にタイムアップを目指そう!
 
先生:中込由香里さん(写真下・左)
アテネ五輪日本代表、MTB XCの全日本チャンピオンを4回獲得後、今年は10年ぶりにタイトル獲得。全日本マウンテンサイクリング in 乗鞍でもクラス6連勝中。
 
生徒:日向涼子(写真下・右)
CMやカタログなど、企業広告を中心に活動するモデル。ポタリングから始めた自転車だが、気づけば坂に魅せられ、昨シーズンよりヒルクライムレースに参戦。
 

最後の3週間はどんなトレーニングを?

中込:今日からトレーニング期に入りますが、体調はどうですか?
 
日向:前回の休息期に比べたら、かなりリフレッシュできたように感じます。体を動かしたくて、うずうずしているような状態でしょうか。
 
中込:それは頼もしい!では、遠慮なくビシビシ行きましょう(笑)
 
日向:は、はい、よろしくお願いします!(走る前から変な汗が…)
 
中込:レースまで残り3週間ですが、何か不安はありますか?
 
日向:えっと…不安だらけで何から話していいか困りますが…一番気になっているのは、ペース配分です。ヒルクライムレースに出始めた昨年は、訳も分からず必死に走っていたのが、最近はペースを考えながら走るようになりました。
 
中込:いいことじゃないですか。
 
日向:いえ……変に知恵がついたというか、例えば「序盤は抑えて走ろう」とか、頭でっかちになったというか……。考えながら走っている割には、どれくらい抑えればいいのか分からないし、抑えていたつもりが実はオーバーペースだったり、逆に、抑えすぎて気づいた時には遅かったこともありました。
なので、自分に合ったペースメーカーがいた時とそうでない時の結果は、かなり違います。
 
中込:なるほど。いつも自分に近いペースで走っている人がいるとは限らないし、自力でその感覚をつかむのは大切ですね。では、今回はペース配分をつかむトレーニングメニューを組むとして、その前に、どれだけ自分の走りを分かっているか、実力チェックをしましょう。
 

実力チェックのためのメニュー

○10分インターバル×3本
 
(条件)
・10分間で行けるところまで行く
・回数を追うごとにタレることなく、最後まで走りきれるスピードで
・とはいえ温存せず、1~3本全て同じ出力で走り、全て出し切った感覚で3本目をゴールする
 
中込:まず1本目を見た感想は、スタートの入りが遅いですね。それから、勾配が変化した瞬間は出力が上がるけど、その力が維持できていませんね。
 
日向:えっ、本当ですか!?(序盤が遅かったのは自覚があるけど、勾配が変化した瞬間にパワーが出ていたことには気づかなかった…)
そういえば仲間からも「ちぎれてると思ったら、次の瞬間には近くにいたり、走りに波があるね」と言われたことがあります。同じ力で走った方がいいのでしょうか。
 
中込:パワーを変化させてしまうのは、自らインターバルトレーニングにしてしまっているようなもの。一定パワーで走れば、疲労を極力溜めないように走る事ができ、体に与えるダメージを最小限に抑えながら、最も効率的に仕事量を大きくできます。
 
日向:そうなんですか!?
 
中込:同じ出力で走った方がいい理由が分かったところで、2本目は私が先に走ります。時間と進む距離は1本目と同じ、ただし出力は平均的なまま走ってみるので、後ろについて感覚をつかんでください。
 
日向:よろしくお願いします!(1本チェックしただけで、パワーメーターもなくそんなことができるなんて……すごすぎる!)
 
中込:どうでしたか?
 
日向:はあはあはぁ……えっと、勾配が変わったところで少し物足りなく感じましたが、ずっと平均的なパワーで走ったのだとすると、ゴール直後の足がいっぱいいっぱいな感じ、やはり1本目は勾配が変化した瞬間に力が入っていたのだな、と分かりました。
中込:それでは今の感覚を参考に、ラスト3本目は再び日向さんが先に走ってみてください。
 
日向:はい。
 
中込:気になるところがあれば、その都度言うので安心してくださいね。
 
日向:わかりました!
 
(3本目終了後)
中込:うん。最後が一番よかったですね。
 
日向:勾配がゆるくなった時に、ポイントを声かけてくださったからです。ありがとうございました!
 
中込:今のポイントと感覚をレース中にも出せれば、いつもより期待できると思いますよ。
 
日向:はい!(レースでは冷静になった頃には中盤を過ぎてたりするから、ポイントを書いたメモをステムかトップチューブに貼っておこうかな)
 
中込:それでは、今の日向さんの走りを見せてもらったので、帰ってメニューを考えますね。
 
日向:よろしくお願いします!

今の実力に合った練習メニューがこれ!

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◯8/12~8/18(一番頑張る期間)
 
・週3日ローラー台トレーニング、休日に外を走る場合
(週2回インターバルトレーニングを入れる)
 
【ローラー台トレーニング】
アップ
6分×3回インターバル(6分流し)
クールダウン
 
※6分が難しければ3分×3回でも可。最後まで同じ力で走れることが一番重要。
 
【実走】
ダンシングを入れつつ強度高め
 
────────────────────────────────────
 
日向:えっ、10分×3本じゃなくていいんですか?
 
中込:前回の話だと、インターバルを入れると回数を重ねるごとに出力が下がっていったのですよね。
 
日向:はい。インターバルというからには、足が回らなくなっても、気合いと根性でオールアウトまで持って行くべきでは?
 
中込:今回のインターバルは最後まで同じ力を出して欲しいので、回数を重ねるごとに出力が下がるようなトレーニングはやって欲しくありません。それであれば、時間を短くしても最後まで頑張れる自分に合ったレベルでやってください。
6分でやってみて、もう少し頑張れそうなら10分にしてもいいけど、逆に6分やることで少しずつ出力が落ちてしまうようであれば、時間を短くしても構いません。
とにかく、自分が一定のペースで走れる感覚をつかむ練習をしてください。
 
日向:なるほど!今回のインターバルには、同じのペースで走る感覚をつかむことに意義があったのですか。(上で触れた、ポイントを書いたメモがこの右下イラストです!)
 
中込:ちなみに、ここはレースに向けて一番追い込んで欲しい期間なので頑張ってくださいね。
 
日向:はい!
 
 
中込:続いて、翌週のメニューです。
 
────────────────────────────────
◯8/19~8/25(疲れを取りながら刺激を入れる期間)
 
・週2~3日ローラー台トレーニング、休日に外を走る場合
(週2回インターバルトレーニングを入れる)
 
【ローラー台トレーニング】
アップ
6分×1~2回インターバル(6分流し)
クールダウン
※6分が難しければ3分でも可。量より質を大切にする。
 
【実走】
気持ちのいいスピードで(フォームを意識)
スイッチを入れるために10~15秒程度のスプリント(最大5本まで)
 
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中込:ここは疲れを取りながら質を高める期間なので、最終週に向けて練習量は減らしてください。
 
日向:これが終わると、いよいよ最終週ですか!時間が経つのはあっという間で、またまた不安が……。
 
中込:これはひとつの挑戦だから、限られた時間の中でやってきた事がどう現れるか、それを楽しめばいいんですよ。失敗したって、それはそれで次に繋げればいいのだから、不安に思う必要なんてないと思いますよ。
タイムは目標であるだけで、そこを目標に1日1日大切に取り組んで、当日もベストを尽くす事こそ最も大切な事だと思います!
 
 
【日向涼子感想】
昨年からヒルクライムレースに参加しはじめた私。
1年目は何も考えずがむしゃらに走っていたのが、最近は下手に知恵がついたのか、序盤でペースを抑えすぎたり、自分の力量が分からないままスプリントを入れてゴール手前で足が売り切れたり、とにかく自分でレース展開を作ることに苦手意識が出てしまい、それが余計ペースメーカー頼りに。
でも、今さら何も考えないがむしゃらな走りはできる気がしないし、いつも自分と合うペースメーカーがいるとは限らない。
(師匠が後ろでポイントを教えてくれたおかげですが)3本目のインターバルで1本目よりよい走りができたことを自信に、この2週間は自分の力を知る事、追い込む所でしっかりと追い込む事に集中したいと思います。
 

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衣装協力:KAPELMUUR/カペルミュール(ウエイブワン)
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