ガンウェル GW-R3000 試乗レポート
生粋の競技ブランドによる、フルカーボンフレーム
特徴としてまずあげられるのは、小さいサイズまで用意されていること。最小サイズがトップ長508mmを用意。
この小さいスケルトンから始まるサイズ展開には、ガールズケイリンで培われたノウハウが生かされている。
手ごろな価格も魅力だ。フルカーボンフレームながら約13万円の設定。そこに上下異径のヘッドチ ューブとBBの規格にはBBライトと、トレンドを押さえた作りになっている。
非常にきゃしゃなシートステーをはじめ、フレーム上半分で快適性を出しつつ、横幅が広い四角形の断面を持つダウンチューブやBBなど下側はペダリン グによるフレームのねじれを抑え、パワーを逃がさない設計。
オプションでカラーオーダーにも対応。国内の塗装工場で対応し、 1色で1万円からのアップチャー ジとなっている。2色以上を用いた塗り分けのパターンもとくに指定されていないがオーダー可能。
ユーザーが複雑な塗り分けを希望 した場合でも、見積もりを出してくれる。カラーリングはバイクを選ぶうえで重要な要素と考える人も多いので、この価格でカラーオーダーができるのは貴重な存在だ。
Gan Well GW-R3000
ガンウェル GW-R3000
フレームセット価格 12万9800円(税抜)
※1カラーオーダーフレームあり 13万9800円(税抜)
シマノ・105 5700完成車 29万2000円(税抜)
シマノ・アルテグラ完成車 36万2000円(税抜)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・アルテグラ6800
ホイール ●ミケ・レース707
タイヤ●ヴィットリア・ルビノプロ
ハンドルバー●カロイ・HB-CR22
ステム●カロイ・ASA-105
サドル●セライタリア・SL
シートポスト●カロイ・SP-613N
試乗車実測重量●7.58kg(510サイズ、ペダルなし)
サイズ●450、480、510、540
カラー●ブ ラック
※インプレッション車は、市販モデルと仕様が異なる場合があります
横から見るときゃしゃなシートステー。ブレーキキャリパーよりも後方は、幅も狭い枝のような細さ。それよりも上は幅を持たせてあり、しなりを生かして快適性を高める
フォークはストレートタイプで、 ブレードの幅は前方が膨らんだ形状になっている。剛性は、反応性よりも快適性を重視した作りになっている
下ワンに1.5インチ径のベアリン グを採用する。形状はとてもシンプルで、必要最低限の機能を持たせてあるといったたたずまいだ。ワイヤ類はすべて外装となる
BBライトが左右非対称なら、つながってるチェーンステーも左右非対称。反チェーン側が太くなっている。横から見ると後方に向かって細くなり、板バネのような役割を持つ
BBに採用されている規格は、BBライト。 左右クランクの付け根一杯までフレームの幅を広げる左右非対称の規格。BBまわりの剛性を確保し、パワー伝達効率をアップする
ナカジの試乗レポート
最初このバイクのスペックを 見たときは、価格に目が行った。 ブランドのラインナップで上位に位置するモデルなのに、ずいぶんとリーズナブルだな。それなら走りもあまり期待しないでおこう。失礼ながら、そう思って試乗に臨んだ。
ところが、いざ走り出してみると「おや?」。思いのほかバランスがいい。加速するときも、フレームのしなりが気持ちよくバイクを前へと走らせてくれる。
コーナリングでは驚くようなキレ味はないものの、ライダーをせかさず安定した挙動を見せる。 路面状況の不意の変化にも余裕を持って対応できる。
各社のトップモデルのように、打てば響くようなわかりやすい加速感や派手さはないが、どんなシーンでもそつなく走ってくれる。初心者をはじめ、幅広い層のライダーに受け入れられるモデルだ。
ひと踏み目からゴツンと前に出るような走りが好みなら、もの足りなさを感じるだろう。だが、タメがあるバイクが好きならオススメ。なんというか、自分の感覚に訴えてくるものがある走行感だった。こればっかりは、剛性が何%アップしたなどの数字ではわからない。
ラメのロゴは好みじゃないけれど、カラーオーダーがこの価格でできるのは魅力的。愛車選びで大切なのは、性能ももちろんだけれど、見た目も重要な要素だ。
乗っている人も少ないブランドなので、人とかぶらないし、自分の好きなカラーリング にできるとあれば、カーボンバイクの入門機としてちょっとぜいたくができるモデルだと思う。