日本初のエンデューロレースにどんな装備で臨んだか?
日本初開催!『FOX Cannondale 乗鞍エンデューロ』
今回は、下りのみのスピード系ダブルトラック「FOX ステージ」と、テクニカル系+上り返しありの「Cannondaleステージ」の2SSにてタイム計測が行なわれた。ここでは、パンソニおっさんがいったいどんな装備で、日本初のエンデューロレースに臨んだのか、ご紹介させていただこう。
最近のMTBライドで気にするべきは、フォークとタイヤとシートポストだからだ。正直あとは好みで構わないと思う。
車体;メリダ ONE-FORTY 1-B
乗ったのは、リヤ140mmトラベルの《メリダ・ONE-FORTY 1-B》。
じつは東京都のショップ、ワークショップモンキー店長・今泉氏の私情車をお借りした。つまり、某誌で何十台ものフルサス・インプレをこなしてきた氏の経験と、超合理性に基づき選ばれた個人用の一台というわけだ。
良かったところ;
【27.5インチ】操作感ではやっぱり26インチとほとんど変わらずジャンプもウィップも普通にキマったよ。FOX ステージの荒れた路面も空気圧バリ下げ(1.5barぐらい)でも大車輪径のお陰で速さはもたつかず、問題なし(タイムは伸びなかったが、それはオレのせい)。
【VPK】リヤサス方式の中でも個人的に大好きな、4バー&仮想ピボット方式の『VPK』リヤサスが、超好感触。Cannondaleステージでの連続バームでは、完全に後輪荷重で乗り切っても変な挙動なくギリギリまでグリップし、バームの抜け時に抜重するとスルリ前に出ていくこの感触は、よく出来た4バー&仮想ピボットならではの乗り味だと感心する。
フロントサス;サンツアー・オーロン
160mmトラベル、15mmスルーアクスル。MTBに乗る最終的な目標は「転ばないこと」であると信じているので、レースという速度を出すことを前提とした状況であれば、「懐の深い」と表現される、剛性高くてトラベル量の長いフロントサスであれば、転びにくくなる。
これに幅700mm前後のハンドルバーを使えば、より安全。その理由について、いつか詳しくどこかで書きたいね。
サンツアーのサスは、スルーアクスルの《Q-loc》が秀逸だ。工具も経験もいらずにきちんと付けられるこのQ-loc方式は、うちの奥さんにも「簡単だね」と好評だった。これ方式以外での前輪の付け外しは、彼女には無理である。
ドロッパーシートポスト;KS・LEVインテグラ
ドロッパーシートポストは、エンデューロには必需である。スタート直後は高いサドル位置でスピードに乗せ、タイトコーナーでサドルを下げ、途中少し上げて、サドルグリップを利用する。
基本サドルには座らないMTBライドでも、ライドのスキルが上がってくると、サドルが重心バランスを取るのに使う方法を、身につけるようになる。
もちろん、ハンドルバーに操作レバーが付いているのは当然だ。ちょっと価格が高くても、ハンドルから手を離さずに操作できないようでは、ドロッパーシートポストの威力は半減どころかライド中には使えない。
最近では、このLEVインテグラのようにワイヤーをフレームの中に通せるオシャレなものが増えているようだが、それはフレームの構造次第なので、まあよくわかんない。
タイヤ;タイオガ・サイコジーニアス
前輪/タイオガ・サイコジーニアス ベンチャー 2.35
後輪/タイオガ・サイコジーニアス ファスト13 2.25
タイヤは太いに越したことはないというのが持論だ。ミニマムは太さ2.3サイズだ。結局どれだけ空気量が入るか、で、走れる性能は決まってくるからだ。
26インチであれば、もう何年も愛用している「MTBタイヤのナチュラルなグリップ番長」ことタイオガのサイコジーニアス 2.3に決まっているのだが(狂気の天才、という名前も気に入っている)、27.5インチということで、同じく狂気の天才シリーズ最新版、ベンチャー2.35で空気圧を1.5ぐらいまで下げて使った。
が、試走のあとはタイムは上り返しセクションで決まってくるというのを理解し、スケベ心を出して、後輪を細身で転がりも速いパターンの、ファスト13 2.25サイズに変更。
2.0ぐらいまで気圧を上げて、グリップ力はリアサスのVPKに任せるということで、使ってみたその結果が、40歳おっさんの中で12位だったというわけだ。結局リヤのファスト13は正解だったと感じている。
今回のトップ3、左から2位の井手川直樹(Devinci/STRIDER)、優勝の永田隼也(AKI FACTORY)、そして3位の黒澤大介(LOVEBIKES/FUST)
今回のリザルトは、こちら http://ned.dynoco.jp