S-ワークス ターマック ディスク 試乗レポート
トータルバランスとウェット性能の高さに感動
リムブレーキ版のターマックがスペシャライズドらしい明瞭な塗り分けで存在感を主張するのに対し、ディスクブレーキ仕様はフレームだけでなく専用ホイールまでマットブラック+同色ロゴとされているので、まるでプロトタイプのような怪しい雰囲気が漂う。
コンポは、リムブレーキ版が機械式のデュラエースをアッセンブルするのに対し、こちらは同Di2が採用され、それに合わせてフレームも電動専用設計となる。
ブレーキはキャリパー、STI レバーともシマノのR785を選択。ローターはアイステック搭載のRTで、前後とも140mm径とされる。
ホイールはロヴァールのラピーデCLX で、ディスクブレーキ用のハブを採用する。税込価格は3ケタ万円に限りなく近く、現時点で最高峰のディスクロードと断言できよう。
SPECIALIZED S-WORKS TARMAC DISC
スペシャライズド●エスワークスターマックディスク
シマノ・デュラエース9070Di2完成車価格/90万7408円(税抜)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・デュラ エース9070Di 2
ホイール●ロヴァール・ラピーデCLX40DISC
タイヤ ●エスワークス・ターボ 24C
ハンドルバー●Sワークス・SLカーボン
ステム●Sワークス・SLアロイ
サドル●ボディジオメトリー・トゥーペプロ
シートポスト●Sワークス・ファクトカーボン
試乗車実測重量●7.02kg(54 サイズ、ペダルなし)
サイズ●49、52、54、56
カラー●サテン×グロス カーボンクリーン
シートステーもサイズ別に設計した専用品とされる。リムブレーキのニューターマックと同様、シートクランプはトップチューブに内蔵され、D i2用バッテリーはシートポストに
キャリパーはシマノのR785で、センターロックのローター (RT99)は前後とも140mm径を選択する。ブレーキホースは左チェーンステーのこの位置まで内蔵され、見た目に美しい
アルミスリーブを挿入した BB。規格はPF30なので他社製クランクも使用可能。クランクセットはSワークスのファクトカ ーボンで、セラミックスピード社のベアリングを組み合わせる
フロントのブレーキホースも左フォークに内蔵。ホイールはロヴァールのラピーデCLX40で、ディスクブレーキ対応のSCSハブを採用した専用品。ベアリングはセラミックだ
大屋雄一の試乗レポート
撮影後半に降りはじめた雨は、与えられた試乗時間内に結局やむことはなかったが、あまりの心地よい走りに降りたいとはまったく思わなかった。
とくに感動的なのはブレーキ性能で、ドライとウェットでのフィーリング差が少ないだけでなく、ロック寸前まで非常にコントローラブルなのだ。
また、リムブレーキから解放された専用ホイールの効果もあるのだろうか、振動吸収性や路面追従性が抜群で、まるでアスファルトを張り替えたばかりの道を走っているかのような乗り心地を提供してくれる。
適度なしなりを伴う走りは、多くのライダーに恩恵をもたらしてくれるだろう。