ラピエール・エアコードアルチメイト 試乗レポート
しなり、そして空気を切って前へ
試乗したのは最上級グレードのアルチメイト。下に2モデル存在するが、そちらはフレームが一緒 で、完成車としてパーツアッセンブルが違う。アルチメイトだけはフレームが、より軽量化されている。
開発にはフランス・マニクール にある風洞実験施設が使用されている。バイクだけではなくFDJ ・frの選手が実際にバイクに乗車した状態で最適な性能を持たせ るべく設計されている。
ダイレクトマウントタイプのフロントブレーキを採用したフロン トフォークは、フレームの形状に ブレーキキャリパーがなじむようなデザインになっており、空力性能面で有利であることが想像でき る。前作ゼリウスでも採用されていたデザインだが、よりブレードのボリュームがアップされている。
またジオメトリーを見ると、ゼリウスではフォークのオフセットが43mmだったのに対し、50mmへと延長されている。これは直進安定性の向上と、ハンドリングのバランスをかんがみての設計だ。ブレードの設計を見直すことで、以前ならリム幅が広 いホイールでは装着できないモデルもあったが、その問題を解決している。
LAPIERRE AIRCODE ULTIMATE
ラピエール・エアコードアルチメイト
フレームセット価格/36万9000円(税抜)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・デュラエース9000
ホイール●イース トン・EC90エアロ
タイヤ●パナレーサー・レースAエボ2 23C
ハンドルバー●イーストン・EC90SLX 3
ステム●イーストン・EC90SL
サドル●フィジーク・アンタレス
シートポスト●イーストン・EC90
試乗車実測重量●6.71kg(49サイズ、ペダルなし)
サイズ●46、49、52、55
カラー●FDJ、レッド
※インプレッション車は市販モデルと仕様が異なる場合があります
エアロロードバイクでは必須装備となったカムテール形状(翼断面形状の後端を切り落としたような形) のチューブ。ダウンチューブとシー トチューブに採用している
フロントブレーキにダイレクトマ ウントタイプを採用。フォークの形状も、ブレーキがブレードと一体になるようなデザイン。ゼリウスのときは43mmだったオフセットは50mmに
ヘッドチューブはエアロダイナミクスを向上させるために、前面投影面積が小さくなるよう細身に設計されている。ヘッドベアリングの下ワンは1-1/4インチと小径だ
リヤブレーキはフロントと違い、ノーマルタイプのブレーキキャリパーを使用する。バイクのメンテナンス性を考慮してのデザインだ。レース現場からのフィードバックが生かされている
シートクランプはフレームのフォ ルムに隠れる位置に設けられている。 斜ウスをネジで締めるタイプ。ゴムのカバーが付属しているので、水や汗が入りにくいし見た目もスマート
ナカジの試乗レポート
トップチューブのカーブがとても官能的で、眺めてもいいし、触ってもまた気持ちのいいフォルムだ。トップレンジのバイクには、こういう個性的なルックスを備えていてほしいものだとつくづく思う。カラーリングも、チームカラーよりこっちのほうが好み。
乗らずに愛でてばかりいてもいけないので走り出す。脚に響く感触は、剛性感たっぷりのスパルタンなものではなく、適度に、しかし芯がちゃんとあるしなりを持つ心地よいもの。以前にゼリウスEFIアルチメイトに乗った印象を思い出して比べてみると、フロントフォークの出来がかなり向上して いると感じた。
ゼリウムでは、マイナーチ ェンジモデルとしてフロントブレーキにダイレクトマウントを採用したモデルがあったが、ノーマルブレーキのほうがバランスがいい印象だった。しかしエアコードにな って、フォークとフレームの相性がすごく向上した。ブレードの形状が見直されたためか、ダイレクトマウントでも違和感なく バイクをコントロールすることができた。
ハンドリングも、ヘッドからフォークへのつながりがしっかりしていて扱いやすい。リヤブレーキはノーマルキャリパーだが、 前後のブレーキフィーリングの差はない。フロントはエアロダイナミクスを優先している。リヤは汎用性を優先といったところ だろうか。
フロントセクションに対してリヤはそこまでのスパルタンな印象はない。路面をしっかり追いかけている。ひと踏みの加速には物足りなさもあるが、反面、スピードの伸びがいい。もちろん平地の巡航が気持ちがいいことは言うまでもない。