リドレー・フェニックスディスク試乗レポート
好印象のミドルモデルが上手にディスクを手に入れた
価格やtカーボンをフレームのメイン素材として採用しているところはミドルグレードらしい点だが、らしくないのはサポートしているロット・ベリソルチームがレースに投入している点だ。
リドレーのラインナップとしては、エアロのノアシリーズ、 軽量のヘリウムシリーズと並んで、オールラウンドモデルに位置している。 同社のモデルの中で唯一のディスクブレーキ搭載モデルとなる。 まずは、オールラウンドモデルからといったところか。エッジチュービングやフレキシブルシートステーなど、リムブレーキモデルでも採用され、信頼のある規格が踏襲されている。
もちろん、ディスクブレーキを搭載するにあたり、改良されているところもある。ストレートタイプになったフロントフォークは、強い制動力でもホイールが外れてしまわないようにエンドの向きが変更されている。また、チェーンステーは、ブレーキキャリパーを搭載するために形状が変更されている。レースシーンではまだ使用できないモデルだが、フェニックスのキャラクターにディスクブレーキが搭載されたので、ロングライドなどでより安定した走りをもたらしてくれる。
RIDLEY FENIX DISC
リドレー・フェニックスディスク
フレームセット価格(ディスクブレーキ仕様)/20万円(税抜)
シマノ・105完成車価格/26万9000円(税抜)
フレーム●カーボン
フォーク●カーボン
コンポーネント●カンパニョーロ・コーラス
ホイール●ファストフォワード・F6R
タイヤ●ヴィットリア・コルサエリート25-28
ハンドルバー●3T・アークスチーム
ステム●3T・エルゴサムプロ
サドル●サンマルコ・コンコール
シートポスト●3T・スタイラス25
試乗車実測重量●7.47kg(Sサイズ、ペダルなし)
サイズ●XXS、XS、S、M
カラー●1512A
リドレーのアイコンでもあるエッジチュービングを採用している。大径ダウンチューブにエッジを利かせることで横方向に必要な剛性を確保している。
ディスクブレーキ仕様になっても、 シートステーの中央部分を扁平加工したフレキシブルシートステーは健在。乗り心地にしっかりと貢献している。太さ28Cのタイヤまで対応。
フォークはストレートタイプ。リムブレーキモデルとはエンド部分の形状が異なる。ディスクブレーキのストッピングパワーでもホイールが外れないよう爪が前方を向いている。
BBまわりはしっかりとボリュームがとられており、各チューブとの接合径が大きく取れ るようになっている。ペダリングパワーを余すことなくフレームへと伝えていく。
リムブレーキモデルではシンプルな形状のチェーンステーが、ディスクブレーキモデルでは、ブレーキキャリパーを取り付けるためにエンドに向かってすっと細くなる。
ナカジの試乗レポート
同じ車名でリムブレーキモデルと ディスクブレーキモデルがある場合。 リムブレーキモデルはすごくバランスがいい走りをしていたのに、ディスクブレーキを搭載すると、それがかなり失われてしまうものもある。
フェニックスディスクはどうか? 率直な印象はリムブレーキモデルよりいい。リムブレーキフェニックスも個人的には好印象のバイク。フレームが適度にしなって衝撃を吸収してくれるのに、バイクはしっかりと進んでいく費用対効果の高いモデルであった。
それがディスクブレーキを手に入れることで、フレームの 末端部分がおのずと硬くなり、不快な方向ではなく、走りをかっちりさ せている印象だ。販売される完成車とは違うホイールでの試乗となったが、スポーク数が多いホイールは心地よい反応性を持っていて、走りを楽しむことができた。
雨の中でも試乗を行なったが、ディスクブレーキの制動力はやはり大きな安心をもたらしてくれる。