コーダーブルーム・ファーナSL 試乗レポート
軽快な走りを前面に出したアルミロード
フレームの材質はイーストSLと名付けられた6011アルミで、各チューブの形状はファーナ700とは別物となっている。さらに、リヤセンターの5mm短縮をはじめ、ジオメトリーまでSL専用とされている。
加えて注目したいのが、ワイヤの内装工作だ。見た目にスマートであること、電動コンポを導入した際にアウター受けが残らないなど、いくつかのメリットにより各メーカーがそろって採用しているが、コーダーブルームでは日本人向きの右前&左後ろブレーキに合わせてトップチューブのワイヤ入り口を右側に設定。こうした細かい部分にも配慮を見せる。
メインコンポはシマノのアルテグラで、コストダウンの対象となりがちなホイールにも前後で1640gという軽量なものを採用。さらにタイヤはマキシスのコロンビエールと、最初からレースに本格参戦できる内容となっている。 つまり、納車以降の出費を抑えることができるわけで、じつに良心的な1台といえるだろう。
KHODAA BLOOM FARNA SL
コーダーブルーム・ファーナSL
シマノ・105完成車価格/17万5000円(税抜)
シマノ・アルテグラ6800完成車価格/23万円(税抜)
フレーム●アルミ
フォーク●カーボン
コンポーネント●シマノ・アルテグラ6800
ホイール●シマノ・WH-6800 タイヤ●マキシス・コロンビエール23C
ハンドルバー●オリジナル
ステム●オリジナル A
サドル●オリジナル
シートポスト●オリジナル
試乗車実測重量●7.37kg
(500サイズ、ペダルなし)
サイズ●430、465、500
カラー●マットブラック×マットガンメタル
※インプレッション車は市販モデルと仕様が異なる場合があります
トップチューブに内蔵されたブレーキワイヤ は、リヤキャリパーへの流れが最もスムーズに なる上面のこの位置に出口を設けている。シー トポストは30.9mm径という珍しいサイズだ
ボックスからラウンドへとシームレスに断面 形状を変化させるチェーンステー。下位のファーナ700がJIS規格のスレッドBBを採用するのに対して、プレスフィットのBB86を選択
台形断面のダウンチューブにシフトワイヤを 内蔵。BB下部では一般的なワイヤリードではなくアウターワイヤを使用する。なお、フロントディレーラー台座はネジ留めとされる
コラムまでカーボンとしたストレートフォークは、上1-18、下1- 14インチのベアリングによる上下異径サイズを採用。ホイールはアルテグラで、チューブレスにも対応
ブレーキのワイヤルーティングを日本人向きの右前&左後ろにした際、最良な取り回しにな るようワイヤの入り口を右側に設定。フレームの材質はAL 6011 イースト SLだ
大屋雄一の試乗レポート
真横からのカットはかなり控えめなイメージだが、視点をほんの少しずらすと同色系の グラフィックやロゴがさりげなく映えるという、粋なカラーリングが魅力的なファーナ SLアルテグラ仕様。
持って軽いのはもちろんのこと、走り出しても軽快な印象は続く。ペダリング時の入力が推進力に変換される。過程が非常にソリッドで、とくに時速30km以上の加速で間髪を入れずに反応する様子は、このモデルが本格的なロードレース参戦をコ ンセプトとしていることを明確に表わしている。
またハンドリングも、狙ったラインへのトレース性や旋回力など、速度域の高低にかかわらず、非常に扱いやすくまとめられている。
とくに気に入ったのは、アルミフレームでありながら、減速帯などの低い段差を通過した際の突き上げ感が少ないこと。コラムまでカーボンとしたフロントフォークや、アッセンブルされたタイヤの影響も大きいだろう。
レースで言い訳できないだけのポテンシャルを秘めた、本格的なアルミレーサーだ。