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コーダーブルーム・ファーナSL 試乗レポート

"日本人が企画した、日本人のためのスポーツバイク"を コンセプトに、2008年に誕生したコーダーブルーム。2013年6月に初のカーボンモデルを投入、シリアスレーサーの注目を集めるブランドへと躍進した。  この「ファーナSL」はファーナ700の上位モデルであり、アルミフレームながらカーボンに匹敵するほどの軽さを実現しているのが最大のポイントだ。

 

text:大屋雄一  photo:山内潤也/小見哲彦

軽快な走りを前面に出したアルミロード

 

フレームの材質はイーストSLと名付けられた6011アルミで、各チューブの形状はファーナ700とは別物となっている。さらに、リヤセンターの5mm短縮をはじめ、ジオメトリーまでSL専用とされている。

 

加えて注目したいのが、ワイヤの内装工作だ。見た目にスマートであること、電動コンポを導入した際にアウター受けが残らないなど、いくつかのメリットにより各メーカーがそろって採用しているが、コーダーブルームでは日本人向きの右前&左後ろブレーキに合わせてトップチューブのワイヤ入り口を右側に設定。こうした細かい部分にも配慮を見せる。

 

メインコンポはシマノのアルテグラで、コストダウンの対象となりがちなホイールにも前後で1640gという軽量なものを採用。さらにタイヤはマキシスのコロンビエールと、最初からレースに本格参戦できる内容となっている。 つまり、納車以降の出費を抑えることができるわけで、じつに良心的な1台といえるだろう。

 

KHODAA BLOOM FARNA SL

 

コーダーブルーム・ファーナSL

シマノ・105完成車価格/17万5000円(税抜) 

シマノ・アルテグラ6800完成車価格/23万円(税抜)

 

フレーム●アルミ

フォーク●カーボン

コンポーネント●シマノ・アルテグラ6800 

ホイール●シマノ・WH-6800 タイヤ●マキシス・コロンビエール23C 

ハンドルバー●オリジナル

ステム●オリジナル A

サドル●オリジナル

シートポスト●オリジナル

試乗車実測重量●7.37kg

(500サイズ、ペダルなし)

サイズ●430、465、500

カラー●マットブラック×マットガンメタル

 

※インプレッション車は市販モデルと仕様が異なる場合があります

 

 

 

トップチューブに内蔵されたブレーキワイヤ は、リヤキャリパーへの流れが最もスムーズに なる上面のこの位置に出口を設けている。シー トポストは30.9mm径という珍しいサイズだ

 

 

 

ボックスからラウンドへとシームレスに断面 形状を変化させるチェーンステー。下位のファーナ700がJIS規格のスレッドBBを採用するのに対して、プレスフィットのBB86を選択

 

 

 

台形断面のダウンチューブにシフトワイヤを 内蔵。BB下部では一般的なワイヤリードではなくアウターワイヤを使用する。なお、フロントディレーラー台座はネジ留めとされる

 

 

コラムまでカーボンとしたストレートフォークは、上1-18、下1- 14インチのベアリングによる上下異径サイズを採用。ホイールはアルテグラで、チューブレスにも対応

 

 

ブレーキのワイヤルーティングを日本人向きの右前&左後ろにした際、最良な取り回しにな るようワイヤの入り口を右側に設定。フレームの材質はAL 6011 イースト SLだ

 

大屋雄一の試乗レポート

 

真横からのカットはかなり控えめなイメージだが、視点をほんの少しずらすと同色系の グラフィックやロゴがさりげなく映えるという、粋なカラーリングが魅力的なファーナ SLアルテグラ仕様。


持って軽いのはもちろんのこと、走り出しても軽快な印象は続く。ペダリング時の入力が推進力に変換される。過程が非常にソリッドで、とくに時速30km以上の加速で間髪を入れずに反応する様子は、このモデルが本格的なロードレース参戦をコ ンセプトとしていることを明確に表わしている。


またハンドリングも、狙ったラインへのトレース性や旋回力など、速度域の高低にかかわらず、非常に扱いやすくまとめられている。

とくに気に入ったのは、アルミフレームでありながら、減速帯などの低い段差を通過した際の突き上げ感が少ないこと。コラムまでカーボンとしたフロントフォークや、アッセンブルされたタイヤの影響も大きいだろう。  


レースで言い訳できないだけのポテンシャルを秘めた、本格的なアルミレーサーだ。

 

問い合わせ先

コーダーブルーム
048・990・7007
http://khodaa-bloom.com/