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桑原塾が素朴な疑問に答える サプリメント活用指南 第5回ヒルクライム編 vol.3

自転車乗りにとって、いまやサプリメントの活用は当たり前になってきた。とはいえ、実際に自分のニーズに 合った栄養素や商品は何なのかはイマイチわかりづらい。そこで、数々のトップアスリートを指導し、グリコの「パワープロダクション」シリーズの開発を手がけてきた桑原さんに、疑問をぶつける連載「サプリメ ント活用指南」。第5回のお題は「ヒルクライムパフォーマンスアップのためのサプリメント活用術」。Vol.3。
 
text:安井行生 photo:吉田悠太
●桑原弘樹さん
グリコのスポーツサプリメント「パワープロダクション」シリーズの生みの親。数多くのトップアスリートやモデルなどにコンディショニングやボディメイクの指導を行っている。10年以上に渡ってパワープロダクションの企画・開発を担当してきた。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム ディベロップメント アドバイザー)。
 
 
 

心肺機能を向上させよう

 
Q:そのほかに注意するべき点はありますか?
 
A:もう一つの手段として、心肺機能の向上が挙げられます。これは「筋量を落とさず体重を落とす」とは全く別のアプローチですが、ヒルクライムのパフォーマンスを上げる手っ取り早い手段です。方法は、心拍数をマックス近くまで上げてハアハアゼイゼイするようなトレーニングを取り入れること。自転車じゃなくてもOKです。短距離ダッシュでも階段ダッシュでも坂道ダッシュでもなんでもいいので、一日一回は最大心拍数近くまで上げること。逆にそこまでしていかないとなかなか心肺機能は向上しません。
 
そのときにお勧めしたいのがエキストラ・オキシアップです。ヘム鉄を主成分としたサプリメントで、コエンザイムQ10を配合してあります。エンデュランス系の競技や心肺機能の強化が必要な競技には強い味方となってくれるでしょう。
 
 
もう一つ、ヒルクライマーにオススメしたいのがクレアチンです。クレアチンとはアミノ酸の一種で、「最大強度の運動を何度も繰り返せるようになる」という効果を持ちます。例えば、重いバーベルを2回は持ち上げられるけど3回は無理という人がクレアチンを摂取すると、3回・4回と持ち上げられるようになるんです。自転車はロングライドやエンデューロなど有酸素系の運動が多いので、クレアチンはそれほど浸透していませんが、ヒルクライムレースは運動強度が高くクレアチンが使われるシーンが多いので、非常に有効だと思います。
 
ただ、クレアチンは摂取のし方には注意が必要です。飲み始めるのは最低でもレースの一ヶ月ほど前から。仮に一カ月前から始める場合は、その一ヶ月間を「一週間のローディング期間」と「3週間のメンテナンス期間」に分けます。ローディング期間はクレアチンをたくさん飲む期間。量は一日20gくらい。一度に20g飲んでもすべては吸収しきれないので、一回5g×4回/日ですね。これを一週間続けると体内のクレアチン量が1割程度増えると言われています。その後は、増えたクレアチンを維持させるためのメンテナンス期間を3週間ほど設けます。この期間の摂取量は一回5g/日。こうして、体内にクレアチンを充満させた状態でレースに臨めたら理想的です。

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■グリコ・パワープロダクション
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