ダミアーノ・クネゴ インタビュー
「より集中してシーズンを迎えられることが楽しみ」
中島(以下N):新しいチームの雰囲気はどうですか?
クネゴ(以下C):とてもすばらしい!エースとして責任を感じているよ、もちろんポジティブなね。すごくわくわくしている。久しぶりの感覚だ。
N:昨年のチームと比べると格下のチームに移籍しましたが、何がいちばん大きく違いますか?
C:プロツアーチームはハイクラスのレースに出場する義務があるし、毎年のようにタレントが加入 してくる。世界チャンピオンとかね。そうすると出場するすべてのレースに勝利を期待されるし、毎 年チームにとってのエースが変わってくる。じゃあ自分が何をやればいいのかというのをうまく絞れない。
でもこのチームならレースが絞られてくる。それは僕にとってすごくいいこと。どのレースが大切で、そのためには何が重要かが明確になるからね。
N:目標とするレースは?
C:ジロの前のレースが大切。ジロ・デ・トレンティーノやコッピ・ バルタリだね。
N:なぜですか?
C:過去にもこのレースで勝利したけれど、それによって自分のモチベーションや、自信が回復した んだ。自信を確信に変えるために 大切なレースなんだよ。
N:日本人が3人加入します。彼らについてどう思いますか?
C:若いですね。それは彼らにとってとても大切なことで、歳を取っていくと自分なりのこだわりみ たいなものが出てきちゃう。たとえばクネゴだからできるんだとかっていう先入観なく、多くのことを吸収してくれることを楽しみにしています。
デローザに乗るのは初めて
N:バイクの印象は?
C:デローザに乗るのは初めてだけれど、イタリアのグランフォンドレーサーや自転車雑誌で(彼はよく雑誌を読むらしい)評判がいいのは知っていたから、いつかは絶対に乗ってみたいと思っていた。だからすごく幸せ。クリスティアーノ・デローザ(デローザのCEO)とはすぐに打ち解けられた。バイクに対する考えが同じで、僕がバイクに求める性能をすぐに理解してくれたんだ。
N:バイクで重要視するポイントは?
C:もっとも大切なのは軽すぎないこと。軽すぎては絶対ダメ。たとえば体重60kgだったらバイクは7kgくらいが適正だと思う。7kgを切るのは絶対によくないと思う。走行性能としては踏んだときに、フレームがぶれないほうがいい。しっかり硬さを感じられる。でも路面が悪いところでは、ちゃんと振動を吸収してほしい。そのバランスがとても大事。デローザはそれが完璧だ。乗ってすぐにわかったよ。
N:最後にひとこと。
C:今日のプレゼンテーションで、水島会長のような自転車競技を愛してくれている人がスポンサーについてくれることをとても誇りに思う。今、トレーナーになるための勉強をしているんだけれど、もし機会に恵まれるなら、日本チームのトレーナーだってありえるよね。そういう予期せぬ出合いも今後の人生で素敵なことだと思っているよ。