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無線システム搭載 スラム・レッド“eタップ”詳細

世界中で多くのサイクリストの興味を独占しているスラムの無線コンポーネント「レッドeタップ」。その詳細を見ていく。
 
text&photo●ナカジ編集長

マニア待望のコンポーネントついに発表!

今回、ユーロバイクで発表されたのはレッドeタップの左右シフター、前後ディレーラーに加えて、「ブリップス」というサテライトスイッチだ。
 

まずは気になる電源供給

リヤディレーラー
リヤディレーラー
フロントディレーラー
フロントディレーラー
シフター。ねじ止めされたフタをあけるとバッテリーが収納されている
シフター。ねじ止めされたフタをあけるとバッテリーが収納されている
まず気になるのがどうやって電源を供給しているかということ。左右のシフター、前後ディレーラーにそれぞれバッテリーが搭載されている。計4つだ。

前後ディレーラーに搭載されているバッテリーはワンタッチで取り外しができ、専用の充電器で充電する。充電時間は1個につき45分ほど。

シフターのバッテリーはブラケット内に収納されており、プロの使用で2年間充電しなくていい。その理由はスイッチ操作の信号を伝えているだけなのでとても消費電力が小さいからとのこと。

もちろん防水。耐衝撃テスト済みだ。

独自の通信方式を開発

集団走行で混信しないか、センサーを密集させてのテスト
集団走行で混信しないか、センサーを密集させてのテスト
レバーの操作情報を各ディレーラーに伝える通信方式は、スラムがこのコンポーネントのために開発したもの。情報を妨害されないようにし、もちろん集団内で使用したときに混信がおこらない。そして消費電力も小さいという特長がある。

組立の時にディレーラーとシフターのペアリングが必要になるが、その手順はとてもシンプル。各ディレーラーのボタンを押すだけなので、前後それぞれ25~30秒ほどで済ませることができる。
 

シフト操作も独特で、シンプルなパターン

シフトレバー
シフトレバー
シフト操作方法はレーシングカーのパドルシフトに着想を得た操作で、リヤをシフトアップしたい場合は右のレバーを押す。シフトダウンしたい場合は左のレバーを押す。レバーを押しっぱなしにすれば多段変速することができる。

フロントディレーラーを操作したい場合は左右のレバーを同時に押す。レバーが1本でミスシフトを減らすことができるとスラムは考えている。実際に展示車両を操作してみると、タイムラグなどの違和感は感じなかった。実走でトルクをかけた状態では試せてないので、変速パワーは未確認だ。
 

新機能「ブリップス」

ブリップスとブリップボックス
ブリップスとブリップボックス
エアロバーにブリップスを取り付けたところ
エアロバーにブリップスを取り付けたところ
バーテープに巻き込んで使うこともできる
バーテープに巻き込んで使うこともできる
そして、まったく新しい機能が「ブリップス」と名付けられたサテライトスイッチ。シマノ、カンパニョーロのサテライトスイッチはTT用であればそれに特化した形状をしている。

だがレッドeタップのそれはシンプルなボタンだ。この形状により、ハンドル周りの自分の好みの位置に取り付けられる。またバーテープの外につけてもいいし、バーテープの下に巻き込んでも操作できる。

シフターとブリップスのボタンをつなぐのが「ブリップボックス」。シフター~ブリップボックスは無線だが、ブリップボックスからブリップスのボタンまでは有線だ。ブリップボックスは4ポートを備える。
 
 

充電器もコンパクト

バッテリーがコンパクトなので、充電器もコンパクト。通常電源からのほかUSB接続で電源を取ることもできる。
ファームウエアのアップデートには「USBスティック」を使う。これをPCに差せば、コンポーネントと通信し、アップデートが可能だ。









●ドル参考価格
シフトレーバー左右/各290ドル
フロントディレーラー/370ドル
リヤディレーラー/590ドル
充電器/70ドル
USBスティック/50ドル
合計/1660ドル
(国内販売価格、時期未定)