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カンパニョーロの新製品はアプリ、V3インターフェース&バッテリー、ダイレクトマウントブレーキ

ユーロバイク会場のカンパニョーロのブースではコンポーネントに変化があった。
エルゴパワーと各変速機、バッテリーをつなぐインタフェースにブルートゥースとANT+による通信機能と、内蔵バッテリーの充電ポートが搭載された。
さらに、EPSの機能をより充実させる「マイキャンピー」というアプリが登場する。
text●ナカジ編集長 photo●ナカジ編集長、カンパニョーロ

第三世代へと進化

カンパニョーロはコンポーネント全体の刷新はなかったものの、第三世代のインターフェースと内蔵バッテリー。そしてEPSをより便利にするためのアプリが発表された。

まずはインターフェースと内蔵バッテリーについて見ていこう。やや丸みを帯びた形状に変更されたインターフェースは新たに充電ケーブルをつなぐジャックが追加された。これにより、従来モデルでは内蔵バッテリーを使用する場合にフレーム側に必要だった、充電ジャックを取り付けるための穴が不要になる。

同時に発表された新たな内蔵バッテリーの形状は、第二世代に比べて一気に細身になっている。太さはシマノDi2に近い。長さはカンパニョーロのほうが長い。サイズは太さ16.6mm×長さ232mmだ。シートポストに内蔵する場合、直径27.2mm、31.6mmに対応するシムが用意されている。

カンパニョーロの内蔵バッテリーは大きく2つの問題を抱えていた。充電ジャックを取り付けるための穴が、ブレーキワイヤとシフトワイヤを通す穴とは別にフレームに必要で、それを持ったフレームが少なかった。またバッテリーそのものの形状がフレームに内蔵するにはやや大ぶりだった。

そのためにEPSのバッテリー内蔵モデルを使用するハードルが高かったが、新たなインターフェースとバッテリーによってこの問題が解決する。

バッテリーが細身になったことと、新たに追加された通信機能のため、稼働時間はやや短くなっている。
 

アプリ「マイキャンピー」と連携

その通信機能はブルートゥースを搭載。これにより同時に発表されたアプリ「マイキャンピー」をインストールしたパソコンやスマートフォンと通信し、EPSの機能を拡張することができるようになる。アカウントはカンパニョーロ独自アカウントのほか、グーグル、ストラバ、フェイスブックのアカウントとも連携させることができる。
 

機能は大きく3つ

マイキャンピーは大きく3つの機能を備えている。1.マイガレージ、2.マイセッション、3.マイEPSだ。

マイガレージは、自分の所有しているバイク、コンポーネントの情報を登録しておく。フレーム名はもちろん、搭載しているコンポーネント。チェーンリングの歯数。さらには所有しているホイールとカセットスプロケットの歯数を登録できる。

例えばバイクを2台、ホイールを4セット所有していたとすれば、そのすべてを登録し走り出す前に今日はどの組み合わせで走るのかをセッティングしてからライドへ出かけることで、各バイクやホイールの積算走行距離を管理することができる。これによって、チェーンやスプロケット、ホイールのベアリングがメンテナンスの時期をアプリが判断し通知してくれる。
 
マイセッションはその日の自分の走行ログを記録できる機能。走行時間、距離、スピードはもちろん。変速回数や、いつどこでどのギヤを使っていたかも記録される。

マイEPSはコンポーネントの細かい設定を変更することができる。シフト操作をしてからディレーラーが反応するスピード。シフトレバーを押しっぱなしにした時に多段変速する段数を何段にするのかを10〜1段の間で選べる。

「シフトアシスト」といって、フロントを変速すると自動的にリヤを変速する機能もある。リヤ変速段数は1〜3段の間で設定できる。この動きはフロント変速というギヤ比の大きな変化の発生をリヤ変速によって軽減するという、人間が考えて行なっていた動作をEPSが代行するものだ。

 
そして「シフトセッティング」というエルゴパワーのレバー操作割り当てを変更するメニューも追加された。例えば通常は右レバーでリヤディレーラーを操作し、左レバーでフロントディレーラーを操作するところを、完全に左右入れ替える事もできる。また、右レバーだけで前後の変速機を操作できるようなセッティングにすることもできるのだ。ソフトの設定変更で自在にコンポーネントの動きをアレンジできる、電動コンポーネントならではのメリットをカンパニョーロも手に入れた。
 
旧モデルとの互換性はあるものもあるが、詳しい世代、グレードは確認中だ。アプリの言語は英語とイタリア語のみで、日本語も対応予定だが時期は未定。
 

カンパニョーロファン待望のダイレクトマウントブレーキ

シマノが提唱したダイレクトマウントタイプのブレーキキャリパーは、昨今のエアロロードブームと相まって各社のモデルに採用された。だが、カンパニョーロは今まで純正のダイレクトマウントブレーキキャリパーを用意していなかった。

そのため、同規格を採用したバイクをカンパニョーロのコンポーネントで組もうとするとどうしてもブレーキキャリパーにサードパーティ製のものを使わざるを得なかった。そこについに純正ブレーキが登場する。

ブレーキキャリパー左右にあるフレームへの取り付けボルトの根本には、強化プレートが装備され、ストッピングパワーがフレームの剛性に影響されにくく、発揮できるようになっている。またシュー取付部のすぐ上にはアーチの開き具合を1mmの範囲で調整できるボルトが装備される。左右独立で調整ができるので、細かいタッチの調整が可能となっている。