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キャノンデール・スーパーシックスエボの万能性を証明する鹿屋体大自転車競技部の活躍
2015.12.12
隙のない万能な性能がキャノンデールの絶対的な強み
大学自転車競技部としては異例のスポンサーを募ってのチーム運営。「世界で活躍できる選手を輩出したい」という黒川剛監督の願いから出発した、鹿屋体育大学のこうした活動は今年で14年目(創部自体は95年)を迎え、同大学は学生最強という栄冠はもとより、多くの日本を代表する選手を輩出してきた。その活動に対して6年前からサポートを行っているのがキャノンデールである。
黒川監督に聞くスーパーシックスエボハイモッドの強み
「この6年間、ツール・ド・北海道では3度区間優勝していますが、山本元喜がロングスパート、黒枝士揮がゴールスプリントです。僕達が残してきたレースでの成績を見ても、キャノンデールが距離の長短問わず、山登りからスプリントまですべてこなせることは明白です。年ごとに選手も入れ替わるし、選手のタイプ(脚質)も色々だけど、それでも成績を残し続けているのは、万能な走行性能があってこそでしょう。普通は万能なものって、どこか少しずつ劣っている部分もありがちですが、それがないのがキャノンデールの絶対的な強みなんです。そんなバイクに乗って先輩達は成績を残してきたのだから、(今の)選手は走れない理由をバイクに責任転嫁できない。だから成績を残すには、選手自身が頑張るだけなんです」
選手に聞くスーパーシックスエボハイモッドのキャラクター
現在、鹿屋体育大学自転車競技部のロード選手において、日本ナショナルチームメンバーにも選出される徳田優、黒枝咲哉、山本大喜の3人は、今シーズンの途中より新型となったスーパーシックスエボハイモッドを駆る。ここからは、このバイクで国内外のハイレベルなレースに挑んだ彼らに、その性能について語ってもらう。
「スプリント後半でも、相手をまくれるだけのスピードの伸びがある」(黒枝)
黒枝:スプリンターなので剛性の高いフレームが好みですけれど、硬すぎないことです。性能のバランスがいいものが理想ですね。
徳田:上りが得意なので、やっぱり重量の軽さと力強いペダリングのできる剛性が欲しいです。あと自分は下りが苦手なので、それを補ってくれるようなバイクを求めます。
山本:独走力が持ち味でTTが得意です。バイクは重量の軽さと、ダンシングが多いので振りの軽さを重視します。
CS:脚質が違うので、バイクに望む性能もそれぞれ異なりますね。では、新型スーパーシックスEVOハイモッド(以下:新型)の走りについて聞かせてください。
黒枝:全体的に(旧型から)フレーム剛性が上がっています。乗り換えて(新型で)初めてもがいた時は、自分の体が逃げてしまうくらいの感覚もありました。でも“激カタ”というわけではなくて、自分にはちょうどいい硬さです。またBB位置も下がったせいか、下りがより走りやすくなりました。自分も下りは苦手なので……。
CS:徳田選手も下りは苦手とのことですが、新型の下り性能にアドバンテージを感じますか?
徳田:そうですね。BB位置が下がって安定感が増したのもそうですけど、ヘッド周りの剛性感によって、さらに思い通りのハンドル操作ができます。しなやかさもあるので路面からの情報も分かりやすく、自分のイメージとバイクの動きにずれがないので、一体感を得られる走りで安心感があります。自分が下りで有利だと思うことはあまりなかったのですが、新型に乗ってからは下りでも余裕が生まれました。
CS:山本選手の印象はいかがですか?
山本:すごくバランスがいいですね。BB周りはしっかりしているけれど、それ以外の剛性を抑えてほしい部分はちゃんと抑えられている。だから荒れた路面でもスムーズに走れるし、それでいてガツンと踏みたい時にはしっかり進んでくれます。
CS:具体的にどんな場面での性能が際立っていますか?
山本:上りでアタックした時のかかりは、ものすごくいいですね。
黒枝:フレーム剛性が高いとスプリントでのかかりはいいけど、後半になると脚がいっぱいになるのは早くて失速してしまいます。新型は高剛性で最初のかかりはすごくいいのに、スプリント後半でも相手をまくれるだけのスピードの伸びもあるんです。あと自分は上りも苦手なんですけど、それを補ってくれる走りの軽さもあって、下りやコーナリングでも補ってくれるので、とてもバランスのいいバイクだと感じています。
CS:やはり上りの得意な徳田選手は、そこで優位性を感じますか?
徳田:重量と走りの軽さと、進み具合の良さがいいですね。フレームが硬すぎて長距離で脚にくるわけでもなく、しなやかさ過ぎて力が逃げてしまうこともないので(レース)後半でも脚を残せます。
「すごく乗り心地が良いけれど、すごく良く進む」(徳田)
黒枝:剛性アップによりハンドリングも良くなって、自分の感覚とバイクの動きにズレがないので、反応性がものすごくいいです。
徳田:走り心地が格段に上がったと感じます。チューブ肉厚の薄い箇所が以前よりも多いと聞きましたが、そのせいか路面からの衝撃を緩和してくれるので乗り心地がいいですね。でもBB周りなど(加速に)必要な部分の剛性は上がっているので、自分の力を推進力に換えてくれる感覚は増しています。初めて乗った時すごく乗り心地がいいけど、すごく良く進むって感じました。
CS:そういえば新型は、前作よりも細いシートチューブなどを使って、シート部をしならせて乗り心地を高めているそうですね。
徳田:旧型も十分なしなやかだったので、新型の細くなったシート部は、大きな荷重が掛かる場所なので力が逃げないか心配でした。でも他の部分で必要な剛性はしっかりと補われていて、力の逃げる感覚はないのに振動吸収性は良くなっています。世界選もバイクで走りましたが(コース上の)石畳の路面でもストレスはありませんでした。
山本:自分は独走時に前乗りをするので、その時に振動吸収が悪いバイクだと、荒れた路面でお尻が跳ねてポジションが変わってしまい踏みにくくなるんです。でも(新型は)そうした場合でも自分のポジションをキープできるのでペダリングが安定しますね。
CS:こうしてお話を伺うと、みなさん新型の走りにかなり満足されているようですね。
徳田:前作も、ライバルより圧倒的にいいバイクに乗っている印象だったので、変える必要はあるのかな? と思っていました。だから新型の性能は不安でしたが、とても気に入っています。
黒枝:新型は前作のしなやかさを受け継ぎながらも、全体的な性能はかなり向上して別物のバイクになったように感じます。
山本:(次元が違うくらいに)性能のレベルがアップしたと思います。はじめて乗った時、これは他の選手に比べて自分がズルしているんじゃないかな? って思ったくらいです(笑)。
高身長かつ細身のクライマー徳田選手、小柄なスプリンターの黒枝選手、そして独走力を武器とする山本選手では、バイクに求める性能は異なってくる。
しかし彼らの今回の言葉からも分かるように、新型となったスーパーシックスエボハイモッドは、体格も脚質も異なる選手が求めるそれぞれのニーズにしっかりと応えていると言っていいだろう。
それを可能にするのはレーサーをはじめとするサイクリストに本当に必要されるニーズを見極め、高度なエンジニアリングから生まれたこのバイクが持つ高次元のオールラウンドなパフォーマンスに他ならない。その類い希な万能性を武器に、来シーズンも彼らは日本のレースシーンで大暴れしてくれるだろう。
プロフィール
95年に自転車競技部を立ち上げ監督に就任。世界で活躍できる選手の輩出を目指して、大学の競技部ながらスポンサー制度を取り入れるなど、既存の枠に囚われないチーム運営で日本の自転車競技界に“鹿屋旋風”を巻き起こす。
小柄ながら高出力を発揮してスプリント勝負を得意とする。ツール・ド・北海道の第3ステージではスプリントで日本人最高位の3位に入る。身長164cm。体重55kg。体脂肪率5%。最大出力1390W。
高身長・細身な体型を存分に生かして上りが得意。03、04年インカレロード優勝。04年全日本U23ロードでは優勝の兄・鍛造に次ぐ2位。身長182cm。体重62kg。体脂肪率6%程度。最大出力1000W程度。
現在NIPPO・ヴィーニファンティーニで活躍する山本元喜の弟。ジュニア時代に全日本TTを制するなど、優れた独走力でTT種目を得意とする。身長170cm。体重68kg。体脂肪率10%。最大出力1000W程度。
スーパーシックスエボハイモッドの魅力がわかる動画もチェック!
スーパシックスエボハイモッドの詳細はこちらの記事にも。