トピックス
ラファ・スーパークロス野辺山ハイライト
2015.12.04
今年は晴天!
Raphaスーパークロス野辺山2015が11月28日、29日に長野県南佐久郡野辺山高原の滝沢牧場で開催され、今年も大勢のファンがシクロクロスを堪能した。
2010年に誕生し、翌年からUCI公認レースもスタートさせた野辺山シクロクロスは、今や日本を代表するシクロクロスの1戦だ。2013年からは主なカテゴリーのレースが土日ともに開催されるようになり、メインイベントであるUCIレースも2日間楽しめるようになった。
大会初日は晴天に恵まれ、野辺山シクロクロスを象徴する雪を抱いた八ヶ岳が青空に映えていた。風は冷たかったが、日中は日差しの強さに上着を脱ぎたくなるほど。コースも予想外にコンディションが良く、野辺山名物の泥セクションは残念ながら(?)しっかりと固まった道ができあがっていた。
6年目の今年は、メーカーブースと飲食ブースがパワーアップ。会場に入るとまずケータリングカーが美味しそうな匂いで来場者を出迎えてくれる。走る前、観る前にまずは腹ごしらえということだ。
海外から来日した選手たちも、ただレースに参加するだけではないのが野辺山スタイル。初日にはイベントの1つとしてティム・ジョンソンのCXスクールが15名限定で開催された。
そして急遽初参加が決まったベルギーのベン・ベルデンも、2日目にチャンピオンシステムが先着10名限定でテクニカルライドを行い、日本のライダーたちと交流していた。
野辺山に常設のシクロクロスコースが誕生!
大会を主催する野辺山高原シクロクロスレース実行委員会は「南牧村・野辺山をシクロクロスのメッカに!」を合言葉に、滝沢牧場近くの八ヶ岳ふれあい公園の中に、常設のシクロクロスコースを作ってしまった。
雑木林のなかに作られた全長2.15kmコースは、シングルトラックがベースで「滝沢牧場のコースより面白いかも?!」という声もある。ビギナーや子供も走れるような1.29kmのショートコースもあり、野辺山では一年中シクロクロスを楽しめるようになった。
自転車ファンの間では、今や野辺山は鉄道でもなく、天文台でもなく、 “シクロクロスの聖地” なのだ。地域に根ざし、年数を重ねるごとに成長を続ける野辺山シクロクロス。来年はどんなサプライズを用意してくれるのか、楽しみだ。
雑木林のなかに作られた全長2.15kmコースは、シングルトラックがベースで「滝沢牧場のコースより面白いかも?!」という声もある。ビギナーや子供も走れるような1.29kmのショートコースもあり、野辺山では一年中シクロクロスを楽しめるようになった。
自転車ファンの間では、今や野辺山は鉄道でもなく、天文台でもなく、 “シクロクロスの聖地” なのだ。地域に根ざし、年数を重ねるごとに成長を続ける野辺山シクロクロス。来年はどんなサプライズを用意してくれるのか、楽しみだ。
初日のUCIレースは竹之内が復活V!
大会初日のトリを飾った男子エリートのUCIレースには、73選手が参加。野辺山は初めて走るベルギーのベン・ベルデン(Wカップ・ストンパー)がゼッケン1を付け、米国のザック・マクドナルド(ストリームラインインシュランスサービス)、日本チャンピオンの竹之内悠(ベランクラシック・エコイ)とともにスタートラインに並んだ。
スタートから飛び出して先行したのは、3年続けて野辺山に来ているマクドナルドだった。序盤はシケインをバニーホップで越え、観客の大歓声を浴びながら快調に飛ばすマクドナルドを、今シーズン絶好調の小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)、竹之内、ベルデン、山本幸平(トレックファクトリーレーシング)が追走する形になった。
今年2月に、お台場のシクロクロス東京を連覇した時のような独走になってしまうのかと思われたが、マクドナルドはすぐに失速し、後続から抜け出した日本チャンピオンの竹之内に抜き去られてしまった。
そこからは竹之内の独走が始まった。後方では小坂が単独で追走を続け、ベルデンと山本が続いたが、先頭の竹之内とのタイム差は開く一方だった。ハイペースの展開でラップされる選手が続出し、残り15分ですでに半数しか生き残っていなかった。
今シーズンもベルギーのチームに所属し、ヨーロッパで走っている竹之内は、左足の肉離れでUCIワールドカップ第3戦のコクセイド出場を断念し、予定よりも早く帰国していた。
野辺山は竹之内にとって帰国後初めての公式戦だったのだが、そんなケガの不安など感じさせない見事な独走で、2年ぶり5度目の勝利を収めた。
「ボク自身、走りながらコンディションはどうかなあと走りながら思っていた。勝負どころで行って、ザックと2人でレースをしようかなと思い、その後は運任せみたいな。最後まで走ることができて、本当にそれが一番よかった」と、竹之内はレース後に語っていた。
単独2位をキープしていた小坂は、終盤にベルデンと山本に追いつかれてしまった。そしてゴールでは、その2人に付いていくことも出来ず、4位へと後退してしまった。
竹之内がフィニッシュラインに詰めかけた大観衆と勝利の喜びを分かちあった20秒後に、ホームストレートに先頭で飛び込んできた山本は、スプリントでベルデンを押さえ、2位を勝ち取るにちがいないと誰もが思った。
ところがフィニッシュライン目前で山本が力を抜いた瞬間に、ベルデンが猛牛のような突進を見せて彼を抜き去ってしまったのだ。今年40歳になったとは思えないベテランの執念には、その場にいた全員があっけにとられてしまった。
ビッグベンが野辺山緊急参戦!!
シクロクロス王国ベルギー出身で、今年40歳になってもまだ走り続けている大ベテランのベン・ベルデン(Wカップ・ストンパー)が、野辺山に初参戦したのはうれしいサプライズだった。
“ビッグ・ベン”ことベルデンは、1週間前に滋賀で開催された関西シクロクロスのマキノラウンド(UCIレース・クラス2)にも参加し、優勝をかっさらって野辺山に乗り込んでいた。
初めて走った野辺山1日目のUCIレースは、執念のスプリントで2位をもぎ取った。表彰式を待っていたベルデンを捕まえて、ちょっとだけ話を聞くことができた。
「レースはいつも通りキツイかった。ザック(マクドナルド)がアタックして、日本の選手も行って、最初の2周はとても苦しかった。彼のアタックに付いてくことはできなかった。でも、最後にスプリントで勝って2位なら悪くはないな。先週はマキノで優勝して、今シーズン初優勝もできたしね」
Q:同郷のスワン・ネイスの活躍はどう感じている?
「ネイスは39歳で、ボクの方が1つ年上さ。彼は若い頃からボクよりもずっと才能があった。彼はいつだってボクよりも勝っていたんだ。ボクはもうトレーニングなんてしたくなから、彼のようには走れないのさ」
Q:この後の予定は?
「月曜日にはガールフレンドがいるボルダーに帰る。でも、来年はまたシクロクロス東京を走りに来るよ!」
2日目は初日と打って変わってマッドコンディション
初日はドライコンディションでハイスピードなレース展開となったが、2日目は朝方コースが凍結し、それが溶けたことによってコースの一部がマッドに。タフなコンディションに強い選手が有利になった。
89人が60分の闘いへとスタートを切った。9周することとなったレースは、6周目に横山航太(シマノレーシング)、小坂光(宇都宮ブリッツェン・シクロクロスチーム)、ベン・ベルデン(Wカップ・ストンパー)、山本幸平(トレックファクトリーレーシング)、ザック・マクドナルド(ストリームライン・インシュランスサービス・サイクリングチーム)の5人で形成された先頭パックから小坂が抜けだして独走態勢を築く。この動きに後方も徐々にばらけ、残り4周で先頭小坂の後ろ4人もザック、山本。横山、ベンの2パックに分かれた。
その後、ザックが小坂を捉えるべくペースアップ。山本が単独になった後方では横山とベンのパックもバラバラに。ザックはラスト3周で小坂をとらえ2人旅。後ろから小坂をパスするタイミングを伺いながらレースを進め、2周を残すころになると小坂を3秒先行してコントロールラインを通過。小坂も食い下がるが、そのままの順位でフィニッシュとなった。3位争いは横山を振りきった山本が制した。89人でスタートしたレースをフィニッシュできたのは32人だった。
89人が60分の闘いへとスタートを切った。9周することとなったレースは、6周目に横山航太(シマノレーシング)、小坂光(宇都宮ブリッツェン・シクロクロスチーム)、ベン・ベルデン(Wカップ・ストンパー)、山本幸平(トレックファクトリーレーシング)、ザック・マクドナルド(ストリームライン・インシュランスサービス・サイクリングチーム)の5人で形成された先頭パックから小坂が抜けだして独走態勢を築く。この動きに後方も徐々にばらけ、残り4周で先頭小坂の後ろ4人もザック、山本。横山、ベンの2パックに分かれた。
その後、ザックが小坂を捉えるべくペースアップ。山本が単独になった後方では横山とベンのパックもバラバラに。ザックはラスト3周で小坂をとらえ2人旅。後ろから小坂をパスするタイミングを伺いながらレースを進め、2周を残すころになると小坂を3秒先行してコントロールラインを通過。小坂も食い下がるが、そのままの順位でフィニッシュとなった。3位争いは横山を振りきった山本が制した。89人でスタートしたレースをフィニッシュできたのは32人だった。
ザック「やっと勝てた!」
■小坂 光 シケインなんかのテクニカルセクションがうまい。自分的には特にミスをしたわけではないが、やはり勝ちたかった。後半すこしペースが落ちてしまったが、全日本選手権に向けていい形で終わることができたと思っています。
■山本幸平 これだけ多くの観客、メディアがいる中で走ることができたのはとても素晴らしい経験でした!
12月19日発売のサイクルスポーツ本誌でもレポートが掲載されます。