トピックス

CYCLE SPORTS.jpが選ぶ2015年10大ニュース・海外サイクルロードレース編

海外ロードレースの2015年は
深刻なドーピング・スキャンダルがなく
よりクリーンな印象だったが
落車や事故の多いシーズンだった。

記憶に深く残る名勝負と、出来事を振り返った…

APRIL: デゲンコルプが2つのモニュメント・クラシックで優勝

パリ〜ルーベで初優勝したドイツのデゲンコルプ
パリ〜ルーベで初優勝したドイツのデゲンコルプ

25歳のドイツ人スプリンター、ジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・アルペシン)は、今季ミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベという2つのモニュメント・クラシックで優勝した。

イタリアに春を告げるミラノ〜サンレモ(UCIワールドツアー)は、8年ぶりでゴールが街中のローマ通りに戻った。そこで競われた集団スプリントで、デゲンコルプは先にスパートしたディフェンディング・チャンピオンのアレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)を打ち負かし、初のビッグタイトルを勝ち取った。

それは彼が所属するドイツのジャイアント・アルペシンにとっても、創立以来初のモニュメント・クラシック制覇だった。

4月に開催されたフランスのパリ〜ルーベ(UCIワールドツアー)は、今年はベルギーのT・ボーネン(エティックス・クイックステップ)と、スイスのファビアン・カンチェッラーラ(トレック)という2人の優勝候補がケガで欠場し、よりオープンなレースになっていた。

今年は快晴に恵まれた上、初優勝を狙う選手たちが活発に動いて高速レースになり、ゴールのベロドロームには7人が先頭グループで到着した。そこでトラックのゴール勝負を制したのは、昨年独走で優勝したニキ・テルプストラ(エティックス・クイックステップ)の後方で追走グループのスプリントを制し、2位になっていたデゲンコルプだった。

ドイツ出身の選手がパリ〜ルーベを制したのは、1896年の第1回大会でユーゼフ・フィッシャーが優勝して以来の快挙だった。しかも、同じ年にミラノ〜サンレモとパリ〜ルーベの両方で勝つことは、あのエディ・メルクスですら達成していなかった。それを成し遂げたのは、ベルギーのシリル・バンハウワールト(1908年)と、アイルランドのショーン・ケリー(1986年)で、デゲンコルプは史上3人目の選手になった。

デゲンコルプはブエルタ・ア・エスパーニャでも区間優勝し、UCIワールドランキング12位でシーズンを終えている。

http://www.cyclesports.jp/articles/detail/29285
 

MAY: 左肩を脱臼したコンタドールがジロで総合優勝

最終日のミラノ・ゴールで、3勝目をアピールしていたコンタドール
最終日のミラノ・ゴールで、3勝目をアピールしていたコンタドール
 
シーズン最初のグランツールであるイタリアのジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、優勝候補の筆頭だったスペインのアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)が2008年につづいて2度目の総合優勝を勝ち取って幕を閉じた。

しかし、その勝利は簡単なものではなかった。コンタドールは中級山岳区間だった第5ステージで早くもマリア・ローザを獲得したのだが、その翌日、不運にもゴールスプリントの落車事故に巻き込まれ、左肩を脱臼してしまったのだ。

表彰台でマリア・ローザに袖を通すこともできないコンタドールを見て、誰もが彼のジロはここで終わったと確信していた。ところがコンタドールはレースを続行し、24歳で新人賞のマリア・ビアンカを着たイタリアのファビオ・アルー(アスタナ)の攻撃にも耐え、マリア・ローザを着て最終目的地であるミラノに到着することができた。

総合優勝を決めたコンタドールは、3本の指を立ててミラノのフィニッシュラインを通過した。それは後にクレンブテロール事件で剥奪されてしまった2011年の総合優勝も数に入れて、ジロ制覇は3度目なのだというアピールだった。

ジロを制したあと、コンタドールにはダブルツール達成の期待がかけられたが、7月のフランスで奇跡は起こらなかった。

http://www.cyclesports.jp/articles/detail/29308
 

JUNE: ウィギンスがUCIアワーレコード更新

チームウィギンスに移籍して最初の目標だったアワーレコード更新を達成したウィギンス
チームウィギンスに移籍して最初の目標だったアワーレコード更新を達成したウィギンス

英国のブラッドリー・ウィギンス(チームウィギンス)が、今年6月7日にロンドンのリー・バレー・ベロパークでUCIアワーレコードに挑戦し、54.256kmという素晴らしいタイムを叩き出して世界記録を更新した。

2012年に英国人として初めてツール・ド・フランスで優勝したウィギンスも、今年で35歳になった。彼は4月にパリ〜ルーベを走った後、トラック競技に専念するためにUCIワールドチームのチームスカイを去り、自らの名を冠したUCIコンチネンタルチームのチームウィギンスへ移籍した。

ウィギンスの新しいチームジャージには、彼のシンボルになっているモッズのターゲットマークがあしらわれていた。彼はそれを身にまとい、地元のファンの熱い声援を受けてアワーレコードに挑戦し、同じ英国出身のアレックス・ダウセット(モビスター)が5月に更新した世界記録を大幅に上回る距離を走破した。

昨年秋から続いていたアワーレコード・フィーバーは、ウィギンスの世界記録で一旦終止符が打たれた形になっている。それを抜くことができるのは、ドイツのトニー・マルティン(エティックス・クイックステップ)か、スイスのファビアン・カンチェッラーラ(トレック)くらいしかいないだろう。しかし、それはまだ先の話になりそうだ。

チームウィギンスで最初の目標をクリアしたウィギンスは、来年のリオ五輪を目指して準備を続けている。


[UCIアワーレコード]
2014年9月18日 イェンス・フォイクト(ドイツ) 51.115km ◎
2014年10月30日 マティアス・ブランドレ(オーストリア) 51.852km ◎
2015年1月30日 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア) 51.300km ×
2015年2月8日 ローハン・デニス(オーストラリア)52.491km ◎
2015年2月25日 トーマス・デッケル(オランダ) 52.221km ×
2015年3月14日 グスタフ・ラーション(スウェーデン) 50.016km ×
2015年5月2日 アレックス・ダウセット(モビスター)52.937 km ◎
2015年6月7日 ブラッドリー・ウィギンス(チームウィギンス/英国)54.526km◎
 

JULY: フルームがツールで2度目の総合優勝

英国のチームスカイに3度目のマイヨ・ジョーヌをもたらしたフルーム
英国のチームスカイに3度目のマイヨ・ジョーヌをもたらしたフルーム

世界最大の自転車レースであるツール・ド・フランスは、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が、2013年につづいて2度目の総合優勝を果たした。

今年のツールには“ビッグ5”が集結し、開幕前には大接戦が期待されていた。ところが、嵐に見舞われた第2ステージで、ディフェンディング・チャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)と、モビスターのナイロ・キンタナ、アレハンドロ・バルベルデが分断された集団の後方に取り残されてしまった。3人はここで早くもフルームより1分半遅れてしまった。

そして最初のカテゴリー超級ゴールだったピレネー初日の第10ステージで、フルームはライバルたちに大差を付けて区間優勝し、総合優勝にあっさり片手をかけてしまったのだ。

ジロを制してダブルツールを狙っていたスペインのアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)は、フルームの山岳アシストだったリッチー・ポート(チームスカイ)の加速について行けず、あっけなく脱落してしまった。

25歳で新人賞のマイヨ・ブランを獲得したコロンビアのキンタナだけが、山岳ステージでフルームと互角に渡り合ったのだが、彼は第2ステージで失ってしまった1分半の遅れを、最後まで取り返すことはできなかった。

今年のツールは、総合トップ5の選手がすべてグランツールでの優勝経験があり、まさしく世界最高峰の闘いだった。30歳のフルームは、ツールで2回優勝した13人目のチャンピオンになった。

http://www.cyclesports.jp/articles/detail/50688
 

AUGUST: サガンがブエルタで主催者バイクと接触して負傷

主催者バイクに接触されて転倒したサガン。本当に信じられないような事故だった…
主催者バイクに接触されて転倒したサガン。本当に信じられないような事故だった…

スペインのブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)では、第8ステージのゴール間近に主催者のバイクが、集団の前方を走っていたスロバキアのペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)に接触して転倒させるという、信じられない事故が起こった。

サガンはレースに復帰して完走したものの、左臀部から下肢にかけて1度と2度の熱傷を負い、左上腕には打撲症もあった。チームは彼がこのままレースを続けるのは不可能だと判断し、翌日は出走させなかった。

今季、主催者の車両が引き起こした事故は非常に多かった。4月に開催されたベルギーのロンド・バン・ブラーンデレン(UCIワールドツアー)では、逃げに加わっていたニュージーランドのジェス・サージェント(トレック)が、シマノのニュートラルサービスカーに接触されて落車し、鎖骨を骨折してしまった。

8月にスペインのバスク地方で開催されたクラシカ・サンセバスティアン(UCIワールドツアー)では、終盤にアタックして先行したベルギーのグレッグ・バンアーベルマート(BMC)が、主催者のバイクに接触されて転倒し、優勝のチャンスを失ってしまった。

主催者たちは選手の安全を何よりも優先し、事故のないレース運営を心がけてほしものだ。
 

SEPTEMBER: アルーがドゥムランとの死闘を制してブエルタ初優勝

グランツール初優勝を果たしたアルー。次はツールに挑戦する
グランツール初優勝を果たしたアルー。次はツールに挑戦する

シーズン最後のグランツールであるスペインのブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、イタリアのファビオ・アルー(アスタナ)が、最終日前日に行われた最後の山岳ステージでオランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)から真紅のリーダージャージを奪い取り、25歳でグランツール初優勝を果たした。

今年のジロ・デ・イタリアで総合2位になったアルーは、ツールのリベンジを狙うビンチェンツォ・ニーバリと一緒にスペインへやって来た。

ところがニーバリは、開幕してたった2日目に、落車の遅れを取り戻そうとチームカーにつかまって走ったことが露見し、失格になってしまったのだ。さらに落車で負傷したパオロ・ティラロンゴ(アスタナ)も翌日リタイアし、単独エースとして残されたアルーは序盤から7人で闘わなければならなくなってしまった。

しかし、ライバルの優勝候補たちは、次々と姿を消していった。英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は、第11ステージの落車で右足の舟状骨を骨折し、レースを去った。コロンビアのナイロ・キンタナ(モビスター)は、高熱で力を失い、クイーン・ステージで優勝争いから脱落した。

今年のブエルタは中盤ですでにグランツール優勝経験者が総合争いからいなくなり、誰が勝っても初優勝という展開になったのだが、クイーン・ステージで真紅のリーダージャージを獲得したアルーの前に立ちはだかったのが、個人タイムトライアルが得意なドゥムランだった。

第17ステージの個人タイムトライアルで、アルーはドゥムランに総合首位の座を奪われてしまった。しかし、その後の山岳ステージでチームメートとともに攻撃を続け、最終日前日にやっとドゥムランを倒すことに成功したのだ。

総合を争う準備をしていなかったジャイアント・アルペシンには、ドゥムランを助ける山岳アシストが誰もいなかったことが、アルーには幸いした。

ついにグランツールを制覇したアルーは、来季はツール・ド・フランスに初挑戦する予定だ。

http://www.cyclesports.jp/articles/detail/52893

 

SEPTEMBER: サガンがリッチモンド世界選で優勝

最後の坂でアタックしたサガン。誰も彼を捕らえられなかった
最後の坂でアタックしたサガン。誰も彼を捕らえられなかった
 
2015年のシーズンで最大の話題は、米国で29年ぶりに開催されたリッチモンド世界選手権で、小国スロバキア出身のペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)が初優勝したことだった。来季サガンは、世界チャンピオンの証であるアルカンシエルを着て走る。

サガンが世界の頂点に立つのは時間の問題だと、誰もが思っていたが、今季の彼は順風満帆ではなかった。ツール・ド・フランスでは4年連続でポイント賞のマイヨ・ベールを獲得したが、区間優勝は1度もできなかった。そして世界選の1ヶ月前には、ブエルタ・ア・エスパーニャで事故に遭い、熱傷と打撲傷を負ってしまっていた。

さらに小国出身のサガンには、レースを数で支配するようなチーム力もなかった。彼が稼いだUCIポイントで米国に連れていけたのは、兄のユライと親友のマイケル・コーラーだけだった。

それでもサガンは強かった。最後の坂で集団から飛び出して先行すると、ゴールまでの2.6kmを独走で走り切ってしまったのだ。彼のアタックは誰もが予想しながら、誰も潰すことができなかった。

サガンの来季最初のレースは、1月18日に開幕するアルゼンチンのツール・ド・サンルイス(アメリカーツアー2.1)の予定だ。

http://www.cyclesports.jp/articles/detail/53759
 

OCTOBER: 波乱のシーズンを終えたカンチェッラーラが来季の引退を表明

マイヨ・ジョーヌを着て落車に巻き込まれたカンチェッラーラ
マイヨ・ジョーヌを着て落車に巻き込まれたカンチェッラーラ

スイスの人気選手、ファビアン・カンチェッラーラ(トレック)が、来年をプロ生活最後の年にすると表明した。

カンチェッラーラの2015年シーズンは、ケガとの闘いだった。最初は3月下旬のE3・ハールビーク(UCIワールドツアー)で落車し、腰部の椎骨を2ヶ所骨折して北のクラシックの欠場を余儀なくされてしまった。

復帰して参加したツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)でも、厳しい運命が待ち受けていた。3年ぶりでマイヨ・ジョーヌを獲得したのもつかの間、翌日のステージで大落車に巻き込まれ、何とか完走はしたものの、今度は背中の椎骨を2ヶ所骨折してしまい、レースを続けられなくなってしまった。

8月のブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)も、ウイルス性胃腸炎で早々にリタイアしたカンチェッラーラは、波乱に満ちたシーズンを終わらせる決断を下し、世界選も欠場してしまった。1シーズンに2度もケガから復帰したことで、彼はエネルギーを使いきってしまっていたのだ。

その後、シーズン終了を撤回し、ジャパンカップ(アジアツアー1.HC)で来日したカンチェッラーラは、来年を最後の年にして、現役を引退すると表明した。彼は来年35歳になる。

http://www.cyclesports.jp/depot/detail/54621
 

DECEMBER: ASOが2017年のUCIワールドツアー離脱を発表

2017年はツール・ド・フランスがUCIワールドツアーではなくなるかもしれない
2017年はツール・ド・フランスがUCIワールドツアーではなくなるかもしれない

アモリースポールオルガニザシオン(ASO)が12月中旬に、現在『UCIワールドツアー』として国際自転車競技連合(UCI)に登録しているレースを、2017年はカテゴリー超級(HC)として登録すると発表した。
 
新シーズン開幕が間近に迫っているのに、自転車レース界は不穏な空気に包まれている。ASOの発表はつまり、ツール・ド・フランスを筆頭にした6つのビッグレースが、2017年にはUCIワールドツアーから離脱するという意味だ。
 
ASOは現在UCIが進めている男子プロフェッショナル・ロード・サイクリングの改革に反対するために、この決定を下したのだ。UCIは2017年からUCIワールドツアーのレース数を増やす計画だが、ASOはそれを好ましく思ってはいない。ASOは2005年にスタートしたUCIプロツアーでも、UCIと対立した過去があり、海外のメディアは今回の騒動を“第二次世界大戦”と呼んでいる。
 
2015年シーズンは、落車や事故が多かったものの、大きなドーピング・スキャンダルはなく、自転車レースはよりクリーンになったという印象だった。しかし、ふたたび始まったASOとUCIの対立が、来シーズンの開幕に影を落とすことになってしまった。

http://www.cyclesports.jp/depot/detail/56881

 

DECEMBER: シクロクロス世界チャンピオンのファンデルプールが復活

ナミュールのW杯でライバルのバナールトを破ったアルカンシエルのファンデルプール
ナミュールのW杯でライバルのバナールトを破ったアルカンシエルのファンデルプール

今年2月にチェコのターボルで開催されたUCIシクロクロス世界選手権男子エリートを、弱冠20歳で制して世界チャンピオンになったオランダのマテュー・ファンデルプール(BKCP・コレドン)から目が離せない。

ファンデルプールは、1996年のシクロクロス世界チャンピオンであるアドリが父親で、フランスの名選手、レイモン・プリドールが祖父というサラブレッドの2世選手だ。

史上最年少のシクロクロス世界チャンピオンになったファンデルプールは、8月のツール・ド・ラブニール(ヨーロッパツアー2.Ncup)で落車してヒザを負傷し、10月に手術を受けてシーズンインが遅れてしまった。

しかし、11月中旬にベルギーのコクセイドで開催されたシクロクロス・ワールドカップ第3戦で復帰するとすぐ3位に入り、あっという間に復調して圧勝を続けている。この勢いなら、来年の世界選で連覇もあり得るだろう。

気になるのは、ファンデルプールが将来、チェコのズデネク・シュティバル(エティックス・クイックステップ)のように、ロードに転向するかどうかということだ。

彼の父親のアドリは、ロードでもトップ選手として活躍し、1986年にロンド・バン・ブラーンデレン、1988年にリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで優勝し、ツール・ド・フランスでも2度区間優勝している。

そして祖父のプリドールはツール表彰台の常連で、1964年にはブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝しているフランスの英雄だ。

もちろん、ファンデルプールはすでに夏はロードレースも走っていて、彼が2013年のトスカーナ世界選のジュニア世界チャンピオンであることも忘れてはならない。しかし、もし彼が父親や祖父のようにロードで成功を収めたければ、いずれはシュティバルのように選ばなければならない時が来るだろう。

シクロクロスからロードに転向したシュティバルは、今年のツールで念願の区間初優勝を果たした。彼はクラシックでの優勝も夢ではないだろう。ファンデルプールにもその資質は十分にありそうだ。

ファンデルプールはまだ20歳で、年齢カテゴリーとしてはアンダー23の選手だ。ロードに転向するかどうかの決定は、まだ先の話になるかもしれない。それまでは、シクロクロスでの活躍に注目していたい。

 

2015シーズンNEWS INDEX

1月

・ブラッドリー・ウィギンス(英国)がチームスカイとの契約を4月末まで延期。パリ~ルーベを走った後はロードレースの最前線から退き、リオ五輪の準備に専念すると発表

・イタリアのイエローフルオのタイトルスポンサーがサウスイーストになり、41歳のアレッサンドロ・ペタッキが移籍

・オーストラリア選手権、TTはリッチー・ポート(チームスカイ)、ロードはハインリッヒ・ハウスラー(IAMサイクリング)が優勝

・2014年のジロでサルブタモール陽性になったイタリアのディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)は、9ヶ月の資格停止処分を下されたが、すでに陽性が発覚した時点でチームから一時的な処分を受けていたので、3月末には復帰できることになった

・ツール・ド・サンルイスでコロンビア人スプリンターのフェルナンド・ガビリア(コロンビア選抜)がUCIワールドチームを相手に区間2勝をマーク。彼はエティックス・クイックステップとの契約も手に入れた

・UCIが2015シーズンからスタートさせた新ランキング『UCIワールドランキング』の導入を延期

・UCIワールドツアーのツアー・ダウンアンダーで地元オーストラリアのローハン・デニス(BMC)が総合初優勝

・オーストラリアのジャック・ボブリッジ(バジェットフォークリフト)はUCIアワーレコードの記録更新に失敗。マティアス・ブランドレ(オーストリア)が2014年10月に出した51.852kmの世界記録に及ばなかった。

・UCIが新しいアンチ・ドーピング規則を発表

2月

・オーストラリア人として初めてツール・ド・フランスで総合優勝したカデル・エヴァンス(37)が、自らの名前を冠した新レースを最後に現役を引退

・シクロクロス世界選でオランダのマテュー・ファンデルプール(BKCP・パワープラス)が弱冠20歳で初優勝

・オーストラリアのローハン・デニス(BMC)がUCIアワーレコードを更新。新記録は52.491km

・元世界チャンピオンのクロード・クリケリオン(ベルギー)が58歳で逝去

・オランダのトーマス・デッケルがUCIアワーレコードの記録更新に失敗

・UCIがライセンス委員会にアスタナプロチーム(カザフスタン)のライセンス取消しを要請

・ベルギーのシーズン開幕戦であるオムロープ・ヘットニュースブラッド(ヨーロッパツアー1.HC)で、英国のイアン・スタナード(チームスカイ)が連覇

3月

・元シクロクロス世界チャンピオンのバルト・ワロンス(36)が引退発表

・トスカーナ地方の未舗装路を走るストラーデ・ビアンケ・エロイカ・プロ(ヨーロッパツアー1.HC)で、元シクロクロス世界チャンピオンのズデネク・シュティバル(エティックス・クイックステップ)が初優勝

・UCIがCIRC(自転車競技独立改善委員会)の報告書を公表

・ベルギーのトム・ボーネン(エティックス・クイックステップ)がパリ~ニース(UCIワールドツアー)の落車で左肩鎖関節脱臼。春のクラシックに参加できなくなった

・フランスのロイド・モンドリ(AG2R・ラモンディアル)が、競技外の検査でEPO陽性

・スウェーデンのグスタフ・ラーション(カルトエナジー)がUCIアワーレコードの記録更新に失敗

フランスのパリ~ニース(UCIワールドツアー)で、オーストラリアのリッチー・ポート(チームスカイ)が最終日に逆転総合優勝

イタリアのティレーノ~アドリアーティコ(UCIワールドツアー)でコロンビアのナイロ・キンタナ(モビスター)が総合初優勝

イタリアのミラノ~サンレモ(UCIワールドツアー)でドイツのジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・アルペシン)が初優勝

・ベルギーのE3・ハールビーク(UCIワールドツアー)の落車でスイスのファビアン・カンチェッラーラ(トレック)が腰部の椎骨を2ヶ所骨折。北のクラシックに参加できなくなった

悪天候に見舞われたベルギーのゲント~ベベルゲム(UCIワールドツアー)で38歳のルーカ・パオリーニ(カチューシャ/イタリア)が初優勝

・ロシアのティンコフ・サクソが、デンマーク人マネージャーのビャルネ・リースとの契約を打ち切り

4月

ベルギーのロンド・バン・ブラーンデレン(UCIワールドツアー)でノルウエーのアレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)が初優勝

・ロンド・バン・ブラーンデレンで逃げに加わっていたジェス・サージェント(トレック)が、シマノのニュートラルサービスカーに接触されて落車。鎖骨を骨折してリタイア

☆フランスのパリ~ルーベ(UCIワールドツアー)でドイツのジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・アルペシン)が初優勝

・パリ~ルーベで遮断機が降りたTGVの線路を集団が無理矢理通過。幸い事故にはならなかった

・UCIがディスクブレーキのプロロードレースでの試験的使用を8月と9月に行うと発表。正式導入は2017年の予定

50回記念のアムステル・ゴールド・レース(UCIワールドツアー)でポーランド人世界チャンピオンのミハウ・クウィアトコウスキー(エティックス・クイックステップ)が初優勝

・ベルギーのフレッシュ・ワロンヌ(UCIワールドツアー)で地元のフィリップ・ジルベール(BMC)が落車で負傷してリタイア

・アスタナプロチーム(カザフスタン)のライセンス取消し問題が解決し、UCIワールドチームへの登録が有効になった

・リエージュ~バストーニュ~リエージュ(UCIワールドツアー)の落車で新城幸也(チームヨーロッパカー)が負傷

5月

・ドイツのルント・ウム・デン・フィナンツプラッツ・エシュボールン・フランクフルト(ヨーロッパツアー1.HC)が、テロ未遂事件で中止

・英国のアレックス・ダウセット(モビスター)がUCIアワーレコードを更新。新記録は52.937 km

・スイスのツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)でロシアのイルヌール・ザカリン(カチューシャ)が総合初優勝

・ニュージーランドのジョージ・ベネット(チームロトNL・ユンボ)が、開幕前の検査でコルチゾールの値が低く、チームが加盟しているMPCCのルールでジロをスタートできなかった

・ジロ・デ・イタリア第3ステージの下り坂で地元イタリアのドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)が落車してリタイア

・2014年8月に競技外の検査でEPO陽性になったイタリアのマッテーオ・ラボッティーニに2年の資格停止処分が下された

・ジロ第6ステージでマリア・ローザを着たスペインのアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)が落車し、左肩を脱臼したが、レースを続行

・ジロ第10ステージでオーストラリアのリッチー・ポート(チームスカイ)が同郷のクラークから機材提供を受けて2分のペナルティタイムを課せられた

☆ジロでスペインのアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)が総合優勝

6月

・UCIとWADAがロマン・クロイツィーゲル事件のCAS告訴を取り下げた

☆英国のブラッドリー・ウィギンス(チームウィギンス)がUCIアワーレコードを更新。新記録は54.526km

フランスのクリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)で英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が最終日に総合逆転優勝

・ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)でスロベニアのシモン・シュピラク(カチューシャ)が最終日の個人TTで総合逆転優勝

・ウイルス感染の影響で不調のドイツ人スプリンター、マルセル・キッテル(ジャイアント・アルペシン)がツール欠場

・ベルギー選手権でプリーベン・バンヘック(トップスポルトブラーンデレン・バロワーズ)がサプライズ優勝

・フランス選手権でUCIコンチネンタルチームのスティーブン・トロネ(オーベル93)がサプライズ優勝

・イタリアのダビデ・アポッローニオ(アンドロニジョカットリ・シーデルメック)が競技外の検査でEPO陽性

7月

・スカイ社が英国車連のスポンサードを2016年で終了すると発表

・カザフスタンのアスタナプロチームは、加盟しているMPCCのコルチゾール・ルールを無視してオランダのラルス・ボームをツール・ド・フランスに参加させた。その後、アスタナはMPCCを脱退

・ツール第3ステージで大落車事故があり、マイヨ・ジョーヌを着たスイスのファビアン・カンチェッラーラ(トレック)が巻き込まれて負傷。この落車事故で、レースは一時ニュートラルになった

・ツール第6ステージでマイヨ・ジョーヌを着たドイツのトニー・マルティン(エティックス・クイックステップ)が落車して鎖骨を骨折し、そのままリタイア

・ツール出場中のイタリアのルーカ・パオリーニ(カチューシャ)が、第4ステージの検査でコカイン陽性になり、一時的な資格停止処分を受けて棄権

・ツール最初の休養日にイタリアのイバン・バッソ(ティンコフ・サクソ)が精巣ガンの診断を受けたと発表。治療のため帰国し、ツールを棄権した

・イタリア選手権で2位になったフランチェスコ・レダ(チームイデア)がレース後の検査でEPO陽性

・ベルギーのヒールト・スティーフマンス(トレック)が現役引退を発表

・イタリアのファビオ・タボッレ(アンドロニジョカットリ・シーデルメック)が競技外の検査でFG-4592(貧血治療剤)の陽性。12ヶ月間に2人目のドーピング陽性者を出したアンドロニジョカットリ・シーデルメックには30日間の出場停止処分が下された

☆ツールで英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が、2013年につづいて2度目の総合優勝

8月

・オーストラリアのリッチー・ポート(チームスカイ)のBMC移籍発表

・クラシカ・サンセバスティアン(UCIワールドツアー)でベルギーのグレッグ・バンアーベルマート(BMC)が主催者のバイクに接触されて転倒し、優勝のチャンスを失った

・トム・ダニエルソン(キャノンデール・ガーミン)が競技外の検査でテストステロン陽性

・イタリアのジャンパオロ・カルーゾ(カチューシャ)が、2012年に行われた競技外の検査でEPO陽性になったとUCIが発表

・ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージで、イタリアのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が、レース中チームカーにつかまって失格

☆ブエルタ第8ステージで、スロバキアのペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)が主催者のバイクに接触されて転倒して負傷

・フランスのピエール・ロラン(ヨーロッパカー)のキャノンデール・ガーミン移籍発表

・コロンビアのリゴベルト・ウラン(エティックス・クイックステップ)のキャノンデール・ガーミン移籍発表

9月

・ベルギーのクラース・ロードウエイク(BMC)が心臓疾患により27歳で現役引退を発表

・ブエルタ第11ステージで英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が落車し、右足舟状骨骨折で棄権

・ユルフン・バンデンブルック(ロット・スーダル)のカチューシャ移籍発表

☆ブエルタ最終日前日の山岳ステージで、リーダージャージを守り続けていたオランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)が力尽き、イタリアのファビオ・アルー(アスタナ)が逆転総合初優勝

・イタリアのコッパ・アゴストーニ(ヨーロッパツアー1.1)で、44歳のダビデ・レベッリン(CCC・スプランディ・ポルコウィチェ)がビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)を打ち負かして優勝

・リッチモンド世界選TTでベラルーシのバシル・キリエンカ(チームスカイ)が初優勝

☆リッチモンド世界選TTロードでスロバキアのペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)が初優勝

・MTN・クベカのタイトルスポンサーが来季はIT企業のディメンションデータに変わると発表

・英国のマーク・カヴェンディッシュ(エティックス・クイックステップ)のMTN・クベカ移籍発表

10月

・UCIワールドツアー最終戦のイル・ロンバルディア(イタリア)でイタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が初優勝

・2015年UCIワールドツアーランキングはスペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が連覇

・ドイツのマルセル・キッテル(ジャイアント・アルペシン)のエティックス・クイックステップ移籍発表

・ジロのコース発表会で37歳のイバン・バッソ(ティンコフ・サクソ/イタリア)が現役引退を発表

・アラブ首長国連邦のアブダビ・ツアー(アジアツアー2.1)第2ステージでベルギーのトム・ボーネン(エティックス・クイックステップ)が落車し、左側頭骨骨折

・アブダビ・ツアー最終日にUCIサイクリング・ガーラ表彰セレモニーが開催された

・UCIプロコンチネンタルチームチームコロンビア(コロンビア)が今季限りでの活動終了を発表

☆スイスのファビアン・カンチェッラーラ(トレック)が、来季で現役を引退すると表明

・デンマークのサクソバンクがティンコフ・サクソとのスポンサー契約終了

・コロンビアのカルロス・ベタンクール(AG2R・ラモンディアル)のモビスター移籍発表

・3月に競技外の検査でEPO陽性になったフランスのロイド・モンドリは4年の資格停止処分

11月

・世界チャンピオンのペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)が挙式

・スペインのホセホアキン・ロハス(モビスター)が心臓を手術

・南アフリカのMTN・クベカ(来季はディメンションデータがタイトルスポンサー)がUCIワールドツアー昇格

・オランダのエリック・デッケルがチームロトNL・ユンボの監督を辞職

12月

・元シクロクロス世界チャンピオンのエリック・ドブラミング(ベルギー/70歳)が逝去

・デンマークのUCIプロコンチネンタルチーム、カルトエナジーのタイトルスポンサーが突然スポンサー終了を発表

・オランダのラボバンクが来季限りで自転車競技のスポンサーを終了すると発表

・シクロクロスを中心に活動しているベルギーのUCIコンチネンタルチーム、テレネット・フィデアサイクリングチームは、来季からチームマネージャーにスワン・ネイスが就任すると発表

☆アモリースポールオルガニザシオン(ASO)が、主催するUCIワールドツアーの全レースを、2017年はヨーロッパツアーのカテゴリー超級(HC)として登録すると発表

・2017年のツールはドイツのデュッセルドルフがグランデパール(開幕地)に決定

・ツールでコカイン陽性になったイタリアのルーカ・パオリーニ(カチューシャ)が地元紙でコカイン使用を告白

・ベルギーのビヨルン・ルークマンス(ワンティ・グループゴベール/38歳)が引退発表