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デローザ・プロトスのカスタムオーダー N・マリーニの場合

デローザのトップモデルであるプロトスは、既成サイズでも細かく8サイズから選択することができる。だがそこはレーシングバイクを作り続けてきたデローザ。カーボンバイクだろうとサイズオーダーに対応する。では具体的にはどんなジオメトリの変化があるのだろうか? 

このバイクを使用するプロコンチネンタルチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ」の、若手スプリンターであるニコラス・マリーニのバイクを例に見てみよう。
 
text&photo:ナカジ

スプリントしやすい低いポジションを実現するために

マリーニのデローザ・プロトス
マリーニのデローザ・プロトス
昨年までは既成サイズのバイクに乗っていたが、「胴が長くて脚が短いから(本人談)」かつハンドル位置を低くしたいというポジションを実現するには、既存のジオメトリでは極端に角度のついたステムを使用する必要がある。

だがプロトスならジオメトリオをーダーすることができるので、よりマリーニの体格、走りのスタイルに合ったバイクに仕上げることができる。その分重量が数百g重くなってしまうが「気にならない!」とのこと。

既存のジオメトリと見比べると51.5サイズに近いが、ヘッドチューブがかなり短くトップチューブが長い。以下が両者を比較したジオメトリ表。ちなみにダミアーノ・クネゴもジオメトリオーダーを検討したが、重量増を嫌ってステムで調整することにしたそうだ。このカスタムオーダーサービスは、われわれ一般のライダーも注文することができる。
 
既存のジオメトリと比較すると各部の数字が細かく変更されていることがわかる
既存のジオメトリと比較すると各部の数字が細かく変更されていることがわかる
マリーニのジオメトリオーダーシートをデローザから送ってもらった。各部の長さや角度が指定されている
マリーニのジオメトリオーダーシートをデローザから送ってもらった。各部の長さや角度が指定されている

ニコラス・マリーニ

昨年、プロコンチネンタルチームへと昇格しジロ・デ・イタリアへの出場をかなえたNIPPO・ヴィーニファンティーニ。そこに所属する若手イタリア人スプリンターがニコラス・マリーニだ。2015年シーズンはツアー・オブ・ジャパン第3ステージで優勝、その年最初の勝利をチームにもたらした。また、ツアー・オブ・チャイナ2の第2、3ステージでも勝利している。1993年生まれで身長171cm、体重74kgと重量級。

そのほか、今年からチームに加入した全日本チャンピオンの窪木一茂や、エースのダミアーノ・クネゴのインタビューは2月20日(土)発売のサイクルスポーツ4月号に掲載している。

IRCのプロトタイプチューブラータイヤをテスト中

チームのタイヤは日本企業のIRCがサポートしている。同社の通常ラインナップにチューブラータイヤはないが、プロチームにとってはなくてはならないアイテム。そこでIRCはプロトタイプを投入している。今年の1月にイタリアで行われたチームキャンプ期間中に届いたばかり。

同社の得意分野であるチューブレスタイヤも選手からは好評で、レースによって使い分けていくという。