一般財団法人日本自転車普及協会では、自転車の楽しさ、素晴らしさを知ってもらい、自転車の市民権確立を目指すことを目的として、様々な講師を招いて『自転車セミナー』を主催している。
その今年度8回目のセミナーの講師として登場したのは、なんと1988年のツール・ド・フランスで総合優勝したスペインの偉大なチャンピオン、ペドロ・デルガド氏だった。彼は1987年と1990年に選手として来日していて、これが3度目の日本だった。
“ペリコ”の愛称でおなじみのデルガド氏は、80年代にグラン・ツールで活躍したクライマーだ。彼は母国最大のブエルタ・ア・エスパーニャでも、1985年と1989年に総合優勝している。1994年に現役を引退した後は、ブエルタを放映するスペイン国営放送(RTVE)で、レース解説者として活躍している。
スペインとスペイン語の親善大使でもあるデルガド氏は、今回、ターキッシュ・エアラインズの協力の下、セルバンテス文化センター東京の招きにより来日した。
スペイン政府によって設立されたセルバンテス文化センターは、スペイン語の振興と教育を中心に、スペイン語圏文化の普及につとめている団体。デルガド氏は自転車セミナーの前日に、セルバンテス文化センター東京でも講演会を行っていた。
このセルバンテス文化センターと日本自転車普及協会のコラボで、2月19日に自転車文化センター(東京都品川区)で行われた自転車セミナーに、デルガド先生登場が実現したのだ。日本でツールウィナーの講演が聞けるなんて、本当にまたとないチャンスだった。
日本では1985年からNHKがツール・ド・フランスの放送を開始し、デルガド氏が総合優勝した1988年の大会もダイジェスト版で紹介されたため、その走りに魅了されたファンは多い。その人気は現役引退から20年以上経った今でも根強く、今回のセミナーも募集を開始してすぐ定員に達してしまった。