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ローター液圧制御コンポーネント「ウノ」待望の市販化へ
2016.04.08
昨年のユーロバイクにてプロトタイプが発表され、世界から大きな注目を集めたコンポーネント「ウノ」。プロトタイプの情報ばかりだったこのユニークな製品だが、ついに市販化されるスペックが決定した。
ブレーキは油圧制御し、それだけではなく、前後ディレーラーまでもワイヤではなく液圧で制御するという他に類を見ないユニークな製品で、まもなく本格的に訪れるであろうディスクブレーキロード時代のさらに一歩先ゆくコンポーネントになりうる可能性を秘めている。基本的な成り立ちはフロントダブル、リヤ11速と、現行のロードバイク用コンポーネントを踏襲している。
ローターはウノの魅力を「スムーズでダイレクトかつ正確な操作が可能。軽量でディスクブレーキにも対応し、機械式とおなじ操作方法をもっている」としている。それでいて機械式コンポーネントのようにワイヤ類の摩耗が発生しないので、メンテナンスの頻度を低く抑えることができ、かつ安定した性能を維持することができます。またブレーキライン、およびシフトラインをフレームに内蔵する場合に、複雑なルーティングが必要になったとしてもそれによって抵抗が増えるということがない。
開発にはプロチームのディメンションデータが関わっており、選手たちも試乗を繰り返し、そこからのフィードバックをもとに開発が進められた。
左右レバー
変速レバーはスラムと同様1本だけで、シフトアップもダウンにも対応する。レバーはカーボン製で、ブレーキキャリパーがリムブレーキモデルでもディスクブレーキモデルでも共通。変速は1段から最大4段まで一気に変速することができる。シフト用油圧ラインは3mm径のホースを使用し、タイトなルートであっても対応することができる。ブレーキ用油圧ラインは5mm径のホースを使用する。
ブレーキとシフトは完全に別のラインとなっており、ブレーキにはマグラのミネラルオイル「ロイヤルブラッド」を採用。シフトラインには、オイルではなく濃度30%のグリコール溶液が使われます。その理由は、なるべくシンプルなシステムにしたかったため、リザーバータンクを持たない構造にした。かつブレーキは耐熱性が重要であるのに対して、シフト操作において熱はほぼ発生しないが、その代わり外気温によってシフト操作のフィーリングが変わってしまわないようにしたかった。
これらの理由から、エンジンの不凍液にも使われるグリコール溶液をシフトラインには採用したとのこと。-15℃〜88℃まで動作することができ、スムーズなシフトフィーリングを実現することができたという。
前後ディレーラー
ブレーキキャリパー
カセットスプロケット
シフト操作方法はスラムと類似した操作方法で、1本のシフトレバーを軽くクリックするとシフトアップ。さらに深く押しこむとシフトダウン操作になる。
ロード用液圧コンポーネントとして最軽量
ウノは重量面でもアドバンテージをもつ製品に成る。ディスクブレーキ搭載ロードコンポーネントとして最軽量モデルになる予定だ。シフター、ブレーキキャリパー、前後ディレーラー、カセットスプロケット、チェーン、その他を含めた重量は1604gになる。
搭載するフレームは専用品である必要はなく、既存のディスクブレーキが搭載できるロードバイクフレームであれば搭載可能。ブレーキキャリパーのみマグラ製だが、ウノ専用品。
2015年のユーロバイクで触ってみたときは、シフト操作がかなり重かったという印象だが、今年の3月に開催された台北ショーに来たテスト車にまたがり、実際に操作してみると、かなりスムーズになっていた。もう少しシフトレバーの剛性が上がった方がよりタッチが良くなるのではと思うが、適度にしっかりしたクリック感があり、操作ミスを起こしにくいだろう。製品版はその辺りが改善されている可能性が高い。
搭載するフレームは専用品である必要はなく、既存のディスクブレーキが搭載できるロードバイクフレームであれば搭載可能。ブレーキキャリパーのみマグラ製だが、ウノ専用品。
2015年のユーロバイクで触ってみたときは、シフト操作がかなり重かったという印象だが、今年の3月に開催された台北ショーに来たテスト車にまたがり、実際に操作してみると、かなりスムーズになっていた。もう少しシフトレバーの剛性が上がった方がよりタッチが良くなるのではと思うが、適度にしっかりしたクリック感があり、操作ミスを起こしにくいだろう。製品版はその辺りが改善されている可能性が高い。