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ミシュランに新たなトップレンジ「パワーシリーズ」登場

フランスタイヤメーカー「ミシュラン」が、自転車用タイヤも作っているのは有名な話。同社のロード用タイヤのトップレンジといえば「プロ」シリーズだったが、さらに上位モデル「パワーシリーズ」が登場。フランスはクレルモン・フェランにあるR&Dセンターにて行われたプレゼンテーションを取材した。

 
text:ナカジ photo:ミシュラン

新たなる最上位グレード「パワー」

長らく同社のロードバイク用タイヤのトップモデルといえば「プロ」シリーズだった。現在は「プロ4」。2015年にコンパウンド変更のマイナーチェンジを行うなど、モデル名が同じでも進化を続けてきた。今年新たなトップレンジがプロ4の上に追加された。それがこの「パワー」だ。
ライダーのパワーを余すことなく速度に変換するべく、このパワーシリーズが成し遂げたことは転がり抵抗の改善、グリップ性能と耐久性の向上だ。

新シリーズ開発のために、フランスのクレルモン・フェランにある同社のテストコースでの実験。そして200人のサイクリストによる、のべ2万5000㎞におよぶフィールドテストが行われた。

パワーシリーズには、目的によって3つのモデルが用意されており、レース用に主に転がり抵抗を抑えた「コンペティション」。耐パンク性能を20%向上した 「エンデュランス」。ウェット時のグリップ性能を15%向上した「オールシーズン」がある。この3モデルを展開することで市場にあるニーズの90%を満たすことができるとミシュランは考えている。
 

10wセーブできる「コンペティション」

各モデルに個性的な性能を表す数字がアピールされているが、あくまでもタイヤにとって大切なのはバランスである。その基本を押させたうえで各モデルに個性が与えられているのだ。各モデルをもう少し細かく見てみよう。

まず「コンペティション」。レースに対応すべく開発されたモデルで、転がり抵抗の低減によって、同社のプロ4サービスコースに対して、ライダー+バイク=70㎏の状態で40㎞の距離を、平均時速35㎞で走った場合に出力を10wセーブできる。加えて、耐パンク性能は13%、グリップは35%優っているという。

この10wという数字は、例えばツール・ド・フランスにもたびたび登場するラルプ・デュエズを上った場合に1分4秒のタイム短縮に相当し、重量に換算すると1.5㎏の軽量化に相当するという。またアイアンマンのバイクパート180㎞を走行した場合に4分37秒のタイム短縮に相当する。
 

「エンデュランス」、「オールシーズン」

続いて「エンデュランス」。サイクリングにベストな商品として紹介された。

最後に「オールシーズン」。その名の通り、ドライ路面はもちろんウエットであっても安心できるグリップ性能を発揮するモデル。

上記の数字はいずれも700×25Cでテストを行ったものだ。なお、チューブラー、チューブレスモデルの用意は今のところ予定されていない。

試乗記事はのちほど当サイト、および本誌で紹介していく。

ミシュラン・パワー


●コンペティション 3×180TPI:23C(重量/195g)、25C(重量/215g)、カラー/ブラック

●エンデュランス 3×110TPI:23C(重量/220g、カラー/ブラック、レッド、ブルー、ホワイト※重量/225g)、25C(重量/230g、カラー/ブラック、レッド、ブルー、ホワイト※重量235g)、28C(重量/255g、カラー/ブラック)

●オールシーズン 3×60TPI:23C(重量/235g)、25C(重量/270g)、28C(重量/295g)

国内展開モデル未定


問:日直商会深谷産業