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ウィンドトンネルを完備したフランダース・バイクバレーの拠点がオープン
2016.05.05
フランダース地方の企業が創立した『フランダース・バイクバレー』
ベルギー北部フランダース地方リンブルフ州ハッセルト近郊にあるリドレー本社の敷地内に、フランダース・バイクバレーの拠点となる『バイクビル・インキュベーター』が、リドレー社20周年創立記念日の4月1日にオープンした。
『フランダース・バイクバレー』は、フランダース地方の5つの企業が提携し、共同で研究開発などを行う目的で13年に創立した団体だ。その名称は米国のシリコンバレーに由来している。
創立当時のメンバーは自転車メーカーのリドレー、ウエアーメーカーのビオレーサー、ヘルメットメーカーのレーザー、自動車産業のための知識センターであるフランダース・ドライブ、空気力学スペシャリストのフォックスデールだった。
フランダース・バイクバレーのメンバー企業の半数は自転車産業ではなく、エレクトロニクス、デザイン、ヘルスケアなど多岐にわたり、営利団体だけにとどまらず、非営利団体も加入している。
フランダース・バイクバレーは異なった業界が交流し、技術やアイディアを共有できる場にもなっていて、今後提携する企業はさらに増えるだろうと期待されている。
今回リドレー本社敷地内にオープンした『バイクビル・インキュベーター』は、フランダース・バイクバレーの拠点となる施設で、2400平方メートルの建物には空気流体実験を行うウィンドトンネルを併設している。
オランダのデルフト工科大学が開発したウィンドトンネルは全長50メートルで、270hpの4つのファンを備え、風速108km/hを作り出せる。
このウィンドトンネルは、自転車業界だけでなく、他の業界からも注目されている。
「すでにアルペンスキーの業界からもオファーが来ていて、彼らは5月にウィンドトンネルを使う予定だ」と、ハフケンス会長は誇らしげに語っていた。
オープン当日には、リドレーが自転車を供給している地元ベルギーのUCIワールドチーム、ロット・ソウダルに所属するティム・ワロンスが来場し、実際にウィンドトンネルでデモ走行を披露してくれた。ワロンスはリンブルフ州出身の選手だ。
3階建てのバイクビル・インキュベーターには、各階に10室以上の小部屋があり、フランダース・バイクバレーに加入しているメンバー企業がショールームとして使用できる。
イベントホールや会議室もあり、今後様々なワークショップやイベントが行われる予定だ。数カ月後には、トップスポーツ・レストランも開業する。
バイクビル・インキュベーターがあるリンブルフ州のベリンヘンは、近郊に2002年にロード世界選手権が開催されたゾールドル・サーキットがあり、そこもフランダース・バイクバレーに参加している。
シクロクロスの開催地としても有名なゾールドル・サーキットにはBMXのサーキットやダウンヒルのコースもあり、サイクリング・アリーナの建設も計画されている。ハフケンス会長は、そこがさらなる自転車業界のテストの場になるだろうと期待を寄せていた。
フランダース・バイクバレーでは、年間2万人以上がこのバイクビル・インキュベーターに来場するだろうと見込んでいる。
今後ベルギーの自転車文化の中心地は、東部のリンブルフ州になっていきそうだ。
http://www.flandersbikevalley.be
https://www.ridley-bikes.com/