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NIPPO・ヴィーニファンティーニの大門監督にインタビュー【TOJ参戦編】
2016.05.31
総合は考えず、区間を狙う
総合で2位になっても何の意味もない。優勝でなければ意味はない。正直なところ、総合はイランが強いと思う。我々のチームには山岳のスペシャリストはいないし、総合で2位や3位になることを考えてもしょうがない。逆に富士山はゆっくり走って、伊豆と東京でも頑張りたい」
「スプリンターはニコラス・マリーニ(イタリア)とダニエーレ・コッリ(イタリア)。窪木一茂にもチャンスはあると思う。小石祐馬も悪くはないが、彼は逃げるタイプなので、逃げに乗れば十分に狙えるだろう。どの集団に入っても、今回のメンバーなら行けると思う。
窪木が2位になっても3位になってもそんなにうれしくはない。やはり優勝しないと。優勝に絡むような走りをしてほしい。
窪木はコッリ、マリーニと一緒にいて、小石とピエールパオロ・デネグリ(イタリア)は、タイミングを見て逃げに乗る。コッリもチャンスがあれば行き、その時は窪木も一緒に付いていければいい。最後まで待っていてもしょうがない。付いて行けないのなら、マリーニと一緒にいて、集団ゴールになったときに一緒にスプリントをする感じだ」
とにかく前の集団に入って勝負する
なるべく前の方、前の方で走り、2~3人が残っている集団の中で最後に勝負をしていきたい。コッリやデネグリは、そういう展開が得意な選手だからだ」
「日本のレースはレベル的に低いので、前の集団で勝負しなければいけない。メイングループに残っていたら何もできない。メイングループには、完走だけを考えている選手ばかりなので危険だ。ちぎれたくないと思って走っている選手が半分くらいいる。
それはヨーロッパ以外のローカルではどこの国でも同じ。中国や南米でやってもそうなる。コンチネンタルチームの若手にとってみれば、地元開催のレースは最終日まで走りたい。
だから彼らは集団に残ったら、ランプレや我々のような、ヨーロッパの強いチームを見ながらレースをして、そこでお見合いになる。守りのレースをされてしまったら。展開的には面白くないレースになる」
「今回はアントニオ・ニーバリ(イタリア)が唯一上りの選手かもしれないが、彼は完全にアシストの要だ。しかし、今後のことも考えて走らせる。イタリアに帰ってからのこともあるので、どこか上りのあるステージで思い切り走らせたいとは考えている。南信州か伊豆か。
でも、やはりそれはチームの他のメンバーの出来にもよる。コッリだって伊豆は得意だと思う。あれくらいの短い上りだったら問題はない」
初開催の京都ステージの『ホームチーム』になったことについて
「自分の目では見ていないが、コースは狭くてテクニカル。デネグリに向いている。(彼は2014年に南信州ステージで優勝しているが)南信州で走れれば、どのステージでも行ける。
チームとしては、前半から逃げに誰かを乗せる展開にしたい。コッリもピュアなスプリンターではないし、彼、デネグリ、小石、窪木、みんなにチャンスがあると思う。集団ゴールになったらマリーニで狙う」
昨年は堺国際クリテリウムと美濃ステージで勝った若手スプリンターのマリーニについて
去年もシーズン通してコンスタントに強かったわけではないが、今年はあまりにもすぐに止めるレースが続いているので、やはり最後まで走らせたい。去年はそんなことはなかった。何分遅れようが一応完走していた。だから今回連れてきたのは本人にとってどうなのか、という不安材料はある。
今回のメンバーはツアー・オブ・ノルウエーからそのまま来日しているが、マリーニはノルウエーも2日目でリタイアしている。ちょっと練習不足かもしれないが、狙えるステージはどこだろうと考えている。美濃だって上りがないわけじゃあない。東京ならマリーニにも狙えると思う。そこまで残れればいいが、足切りもあるのでどうだろうか。とにかく、コッリとマリーニが連携したプレーを期待している」
男子オムニアムの五輪代表に選ばれた窪木について
「オリンピックは窪木にとって大事なのであって、チームにとって重要なことではない。
ジロでドイツのトラック出身のローガー・クルーゲ(IAM)が勝ったが、あんなのを見て窪木も刺激になったんじゃないかと思う。トラックの選手でもちゃんとジロを走って、ステージ優勝する力があるんだから」
「窪木にはいつも言っていることだが、オリンピックでオムニアムに出ても連盟の目標は8位。日本ナショナルチームにとっては過去にオムニアムで8位になった選手はいないのだから、それは理解するが、それをプロチームにも当てはめて、来年の契約(窪木の契約は1年)を継続する条件になるかと言えば、ならない。
それはナショナルチームの目標であって、我々のチームの目標ではない。チームとしては、オリンピックに出るからはメダルを取るくらいでなければ、来年の契約を継続する条件にはならない」
「一番の問題は、オリンピックがあるとナショナルチームの拘束期間が長くなることだ。8月の終わりだけオリンピックに行く、というわけではない。やはりナショナルチームには強化プログラムがあり、5月のTOJに出ることも反対だった。
僕にとってみれば、そんなことをやっている余裕はない。オリンピックに出ます、だからナショナルチームに3ヶ月間拘束されるので認めてくださいと言われたら、ああ、じゃあお前の査定は次は9月からだなということになる。窪木にもそういうことだと言ってある」
窪木の走りによって、チームが1つでも多くのステージで優勝できれば、彼はチームで存在感を認められる。4位や5位に入ったところで、チームの判断材料にはならない」
「ここまでレースには結構出しているが、まだまだ連携が“あうん”の呼吸でできるまでにはなっていない。言葉は関係ない。喋れなくても何をやればいいのかはわかっているからだ。
コッリやマリーニがどこでスプリントするのかとか、一緒にいないとわからないことがある。今、本人もそれを必死で覚えていると思うし、次はこうしようとか、考えていると思う」
「ツアー・オブ・ターキーやノルウエーでも一緒に走っているし、そういう意味で、今回のTOJというのは、その集大成になる。この後はナショナルチームに合流して、思う存分トラックで走れるくらいの気持ちでやってほしい。
窪木はTOJに出たけど、いたっけ? …という感じにはならないでほしい。もうオリンピック気分で、トラックを走りたくて、TOJどころじゃなかったっんじゃないのか、なんて陰口を叩かれないように!」
[NIPPO・ヴィーニファンティーニのツアー・オブ・ジャパン参加メンバー]
窪木一茂(日本/26)
小石祐馬(日本/22)
ピエールパオロ・デネグリ(イタリア/29)※東京ステージが誕生日!
アントニオ・ニーバリ(イタリア/23)
ニコラス・マリーニ(イタリア/22)
ダニエーレ・コッリ(イタリア/34)
(http://teamnippo.jp)
窪木一茂(日本/26)
小石祐馬(日本/22)
ピエールパオロ・デネグリ(イタリア/29)※東京ステージが誕生日!
アントニオ・ニーバリ(イタリア/23)
ニコラス・マリーニ(イタリア/22)
ダニエーレ・コッリ(イタリア/34)
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