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110周年を迎えたウィリエール トリエスティーナから、ニューモデル「チェント10エアー」が登場!
2016.07.20
ウィリエール最新モデルはエアロロード「チェント10エアー」
数あるイタリアンフブランドのなかで、ここ数年でシェアを拡大してきたのがウィリエールトリエスティーナ(以下ウィリエール)だ。マルコ・パンターニ、ジルベルト・シモーニ、ダミアーノ・クネゴら、ロードレースの歴史を彩るイタリア人レーサーたちが乗り、グランツールに出場するチームへサポートを続けている、ロード乗りにはおなじみのブランドである。近年はMTBやトレッキングバイク、eバイクなどもラインナップし、総合ブランドへと変貌を遂げつつある、勢いを感じるブランドだ。
そんな同社は、今年が創業110周年の節目の年。100周年のときは、イタリア語で100を意味する「チェント」の名を与えられた旗艦モデルが発表され、翌年にはより軽さと剛性を手に入れたチェントウノ、さらに剛性を上げたチェントウノSR、空気抵抗低減を果たしたチェントウノエアーと、ロードバイクのトレンドを取り入れながら〝チェントシリーズ〞は10年の月日を過ごしてきた。そして今年、110を意味する「チェントディエチ」と、エアロロードをイメージさせる「エアー」を冠されたフラッグシップモデルが登場。その発表会を取材するため、4度目のイタリア本社取材へと向かった。
ウィリエール2代目のエアロロード
発表された「チェントエアー」は、ウィリエールにおいて2代目のエアロロードとなる。その成り立ちは、先代のチェントウノエアーよりもトレンドをフルに盛り込んだ内容となっている。一番に目を引くのは、ステム一体型ハンドル「アラバルダ」だ。英語で言うと「ハルバード」となり、近世ヨーロッパで使われた鉾槍で「トリエステ市」と「ウィリエール」のシンボルである。最近のエアロロードは、ハンドルバー〜ステムにどの程度ワイヤを内蔵するかが見どころのひとつ。チェント エアーは、シフトケーブルのみを全て内蔵する仕様になっている。ブレーキケーブルは一部だけ内蔵だ。サイズは6種類。
その他のパートも、トレンドを徹底的に追求している。フレーム各部のチューブ断面はカムテール形状を採用し、前後ブレーキはダイレクトマウントタイプ。シート クランプはフレームからまったく出っ張っていない。大きな空気抵抗が発生するフォークの股の部分は、ホイールとのクリアランスをあえて大きくとることで、空気を流れやすくして改善している。これにより太さ28Cのタイヤも装着できる。
コンポーネントは機械式、電動の両方に対応。ダウンチューブには「ケーブルプレート」というパーツがあり、コンポーネントのタイプによって最適なタイプが用意されている。機械式の場合にはフロントディレーラー調整ボルトを備えたもの、電動式の場合はプレーンなカバーといった具合だ。シートポストは、リッチー製の専用品。ヤグラ部は無段階で角度が変えられるので、サドル角度の微調整も容易に行える。
フレームサイズは全6サイズ展開で、各サイズそれぞれにとって最適なバランスを持たせるためにチューブの太さなどを変えている。例えばダウンチューブの太さはXSサイズで・3mmなのに対し、XXLでは・5mmになっている。冒頭で触れたアラバルダバーの話を読んで、「一体型ハンドルはポジションが......」と思った人もいるだろう。ウィリエールはそこも考えている。チェントエアーはノーマルのハンドルバーで組み立てることもできるのだ。その場合はワイヤ類を内蔵できる区間が減ってしまうが、この割り切りは他社にはない。
中島によるインプレッション「とにかく手堅いエアロロード」
エアロロードは、空気抵抗低減の見返りに個性的な走行性能を持つものと、空気抵抗低減はそこそこに、走行性能とのバランスをとっているものとに分かれる。どちらを選ぶかはライダーの目的によるので、一概にどちらがいいのか明言はできない。ちなみにチェントエアーはどっちなのかというと、後者だといえる。
低速で走っているときは、ハンドリングのクイックさが気になった。かなりヒラヒラしていて、神経質な印象だったのだ。ハンドルバーは強くねじるとたわむのが明確にわかるし......。だがひとたび走り出してスピードを乗せていくと、その印象はどこへやら、下りでスピードが出ているときでも、最初に感じていた不安定さはまったく顔を出さず、コントロールしやすい印象へと変わった。
自分はちょっとクセがあるほうが好みだが、チェントエアーはいたって〝まっとう〞である。加速も小気味良い。先代のチェントウノエアーは、フレームがしなってタメが効く印象で、ロングライドなど一定のペースで淡々と走るのに向く印象だったが、こちらは明確にロードレーサー然としたキャラクターに振り切っている。エアロロードとはいえ、上りも得意だ。下手なノーマルロードよりも走ってくれる。
ダイレクトマウントブレーキは、2カ所でブレーキキャリパー本体をフレームに固定しているため、ノーマルキャリパーよりも高いブレーキ性能を発揮できるのが魅力だが、個人的な経験上では搭載しているフレームによって、本来の性能が出せているものとそうでないものがある。このバイクは満足させてくれた。ただ、ワイヤ内蔵フレームの宿命ともいえる、ワイヤ類の引きの重さを感じたことを書き留めておきたい。
一体型ハンドルは、もちろん好みの分かれるアイテムだ。シェイプは1種類だし、個人的には幅400mmでステム長110mmもラインナップしてほしいのだが.....。ちなみに幅400mm、ステム長100mmのモデルは日本市場向けに追加されたサイズとのこと。コラムスペーサーの構造は、他社のコピーにならず、かつ利便性を確保している点に感心した。いくつかのエアロロード組み立てを見てきたが、その中でも難易度は低めに設計されていると思う。
低速で走っているときは、ハンドリングのクイックさが気になった。かなりヒラヒラしていて、神経質な印象だったのだ。ハンドルバーは強くねじるとたわむのが明確にわかるし......。だがひとたび走り出してスピードを乗せていくと、その印象はどこへやら、下りでスピードが出ているときでも、最初に感じていた不安定さはまったく顔を出さず、コントロールしやすい印象へと変わった。
自分はちょっとクセがあるほうが好みだが、チェントエアーはいたって〝まっとう〞である。加速も小気味良い。先代のチェントウノエアーは、フレームがしなってタメが効く印象で、ロングライドなど一定のペースで淡々と走るのに向く印象だったが、こちらは明確にロードレーサー然としたキャラクターに振り切っている。エアロロードとはいえ、上りも得意だ。下手なノーマルロードよりも走ってくれる。
ダイレクトマウントブレーキは、2カ所でブレーキキャリパー本体をフレームに固定しているため、ノーマルキャリパーよりも高いブレーキ性能を発揮できるのが魅力だが、個人的な経験上では搭載しているフレームによって、本来の性能が出せているものとそうでないものがある。このバイクは満足させてくれた。ただ、ワイヤ内蔵フレームの宿命ともいえる、ワイヤ類の引きの重さを感じたことを書き留めておきたい。
一体型ハンドルは、もちろん好みの分かれるアイテムだ。シェイプは1種類だし、個人的には幅400mmでステム長110mmもラインナップしてほしいのだが.....。ちなみに幅400mm、ステム長100mmのモデルは日本市場向けに追加されたサイズとのこと。コラムスペーサーの構造は、他社のコピーにならず、かつ利便性を確保している点に感心した。いくつかのエアロロード組み立てを見てきたが、その中でも難易度は低めに設計されていると思う。
完成車価格/未定
フレームセット価格/44万円(税抜)
アラバルダバー価格/7万2000円(税抜)
フレームセット+アラバルダバー価格/50万円(税抜)
(試乗車スペック)
フレーム&フォーク/カーボン
コンポーネント/カンパニョーロ・レコード&コーラス
ホイール/カンパニョーロ・ユーラス
タイヤ/ミシュラン・プロ4エンデュランス 700×25C
ハンドル/アラバルダハンドルバー(ステム長100mm、ハンドル幅420mm)
サドル/アスチュート・スカイラインSR
カタログ重量/990g(フレーム、 サイズM)
サイズ XS、S、M、L、XL、XXL
フレームセット価格/44万円(税抜)
アラバルダバー価格/7万2000円(税抜)
フレームセット+アラバルダバー価格/50万円(税抜)
(試乗車スペック)
フレーム&フォーク/カーボン
コンポーネント/カンパニョーロ・レコード&コーラス
ホイール/カンパニョーロ・ユーラス
タイヤ/ミシュラン・プロ4エンデュランス 700×25C
ハンドル/アラバルダハンドルバー(ステム長100mm、ハンドル幅420mm)
サドル/アスチュート・スカイラインSR
カタログ重量/990g(フレーム、 サイズM)
サイズ XS、S、M、L、XL、XXL