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フェルト2017年モデル登場! 速さを極めた「FR」。走破性を高めた「VR」
2016.08.01
フェルト FR1
今回試乗したモデルはセカンドグレードとなる「FR1」。日本国内ではフレームセットのみでの販売となる。
フレーム素材はユニディレクショナルカーボンに、高弾性カーボンの性能を最大限発揮できるスウェーデン・オクセン社の「テクストリーム」カーボンをコンポジットする。フレーム単体重量は900g(540サイズ)。塗装、ディレーラーハンガー、シートクランプ込みの数値なのでかなり軽量な仕上がりと言えるだろう。
FELT FR1(試乗車Spec.)
●フレーム素材/UHCアドバンスド+テクストリームカーボン
●フォーク素材/UHCアルティメット+テクストリームカーボン
●重量/900g(540サイズフレーム単体、塗装、ディレーラーハンガー、シートクランプ込み)、300g(フロントフォーク)
●メーンコンポ/スラム・レッドeタップ
●ホイールセット/ジップ・202カーボンクリンチャー
●タイヤ/シュワルベ・ワン 700×25C
●サイズ/430、470、510、540、560、580㎜
●カラー/マットテクストリーム
●税抜価格/28万8000円(日本国内販売はフレームセットのみ。写真仕様の完成車での販売はありません)
快適性と路面追従性を増して、究極の駆動効率を追求
エアロロードのARに対してフェルトのベーシックなコンペティティブとして位置づけられるのが、従来のFシリーズを進化させた新作のFRである。その最大の変更点はバックセクションにある。
まずリヤブレーキをチェーンステー下に移設すると同時にシートステーのブレーキブリッジを省略。さらにシートステーはシートチューブ両サイドを通過してトップチューブに接続することで、サドルからBBに至る部分の垂直方向に対する柔軟性は12%向上。またワイドなシートステーの接合部はバックステーのねじれ剛性も高めている。これらによって路面追従性を高めてパワーロスを低減して安定性を確保すると同時に、ライダーの疲労を軽減する性能を実現している。
FRはこうしたフレーム形状の刷新もさることながら、カーボン素材やそのレイアップスケジュールを見直すことで総合的に性能が高められている。フェルトのデータによると最高峰となるFR FRDは、従来のF1 FRDに対して重量ではマイナス5%(従来モデルはフレーム単体重量720g)、ヘッドチューブの剛性が4%、「リヤタイヤ コンタクト パッチ」と呼ばれるリヤホイールの路面を捉える力は30%向上しているという。
試乗はセカンドグレードとなるFR1ではあったものの、その走りは刷新されたリヤセクションの恩恵が感じられる。もともとFシリーズは素直で軽いペダリングフィールが魅力だったが、FRはその素直な性格を残しながら加速の切れを増し、さらに粘りのあるペダリングとライディングフィールが与えられ、走りの懐が深くなった印象だ。
詳しいフィーリングは本誌にて紹介するが、FR1の走りはセカンドグレードながら各車のトップグレードと渡り合えるパフォーマンスを持つと言っていいだろう。28万8000円という価格は相当な競争力を持つコスパであり、ライバルにとっては強敵の出現だ。
まずリヤブレーキをチェーンステー下に移設すると同時にシートステーのブレーキブリッジを省略。さらにシートステーはシートチューブ両サイドを通過してトップチューブに接続することで、サドルからBBに至る部分の垂直方向に対する柔軟性は12%向上。またワイドなシートステーの接合部はバックステーのねじれ剛性も高めている。これらによって路面追従性を高めてパワーロスを低減して安定性を確保すると同時に、ライダーの疲労を軽減する性能を実現している。
FRはこうしたフレーム形状の刷新もさることながら、カーボン素材やそのレイアップスケジュールを見直すことで総合的に性能が高められている。フェルトのデータによると最高峰となるFR FRDは、従来のF1 FRDに対して重量ではマイナス5%(従来モデルはフレーム単体重量720g)、ヘッドチューブの剛性が4%、「リヤタイヤ コンタクト パッチ」と呼ばれるリヤホイールの路面を捉える力は30%向上しているという。
試乗はセカンドグレードとなるFR1ではあったものの、その走りは刷新されたリヤセクションの恩恵が感じられる。もともとFシリーズは素直で軽いペダリングフィールが魅力だったが、FRはその素直な性格を残しながら加速の切れを増し、さらに粘りのあるペダリングとライディングフィールが与えられ、走りの懐が深くなった印象だ。
詳しいフィーリングは本誌にて紹介するが、FR1の走りはセカンドグレードながら各車のトップグレードと渡り合えるパフォーマンスを持つと言っていいだろう。28万8000円という価格は相当な競争力を持つコスパであり、ライバルにとっては強敵の出現だ。
FRシリーズ 製品ラインナップ
FR1と同じフレーム形状ながら、より高弾性なテクストリーム素材を使うなどして軽量化されたフラッグシップが「FR FRD」だ。フレームセットでの販売となる。
サイズ/430、470、510、540、560
価格/46万8000円(税抜)
完成車販売モデルの最上位機種となる「FR2」。フレームはFR1と同様だ。シマノ・アルテグラDi2のコンポにマヴィック・キシリウムエリートのホイールを搭載した実戦的なパッケージだ。
サイズ/430、470、510、540
価格/69万8000円(税抜)
■サイスポ・ニュース:フェルトの新型オールラウンドレーサー「FR シリーズ」
フェルト VR2
今回試乗車した「VR2」は、シマノ・アルテグラDi2の電動変速、同社の油圧ディスクに加え、チェーンホイールはフェルトとFSAの共同開発によるもので46×30Tのギヤを搭載。3T製のカーボンクリンチャーホイールを履くなど洗練されたマルチロードパッケージを実現する。日本に導入されないのが残念だ。
FELT FR2(試乗車Spec.)
●フレーム&フォーク素材/UHCアドバンスド+テクストリームカーボン
●メーンコンポ/シマノ・アルテグラDi2
●ブレーキ/シマノ・BR805(F160㎜/R140㎜ローター)
●ホイール/3T・ディスカスC35
●タイヤ/チャレンジ・パリ〜ルーベ 700×27C
走りの軽さを残した、新感覚のマルチロード
Zシリーズのエンデュランスロードというコンセプトから守備範囲を広げ、昨今の流行であるグラベル&アドベンチャーライドまで対応する、同社が“マルチロード”と定義するのがVRシリーズだ。ただしグラベル&アドベンチャーライドはハードなものを想定するのではなく、あくまでも軸足はエンデュランスロードだという。
したがってヘッドチューブ長を延長した以外、基本となるジオメトリーはZリーズを継承するものの、フレーム形状は全てが新設計だ。ブレーキシステムはディスク対応のみとなり、最大35㎜幅を飲み込むワイドなタイヤクリアランスを持つ。さらにインナーギヤ30Tのチェーンホイールを搭載して、ローギヤ32Tのスプロケットと組み合わせると1:1以下の最小ギヤレシオを実現。そして泥よけ&キャリアダボ、ストレージボックスを取り付けできる台座もトップチューブに設ける。こうした仕様を見る限りグラベル/アドベンチャーライドもかなりの対応力がありそうだ。
動的性能に関わる部分は、FR同様トップチューブから延長されるブレーキブリッジレスのシートステーを搭載し、Zシリーズよりもフレーム全体の垂直方向の柔軟性を12%向上。BB386規格のハンガー部を核とした大きな断面積のパワーラインでパワー効率を増し、23%増したヘッド部剛性によりハンドリング性能を高めている。
試乗車として用意された「VR2」はパワーラインの剛性も高く、700×27Cという太いタイヤを履くことからは想像できないほど軽いペダリングと俊敏な走りだ。しかしながら荒れた舗装路やダートに入れば、タイヤとフレームの絶妙なパッケージで乗り心地は高く、路面からバイクが弾かれにくいという安定感も備える。
この高い動力性能と乗り心地のバランスは秀逸なレベル。おそらく25Cサイズのタイヤを履けばロングライドでも軽快に気持ちよく走れるだろう。マルチロードという名にふさわしい多用途で新感覚な1台だ。
したがってヘッドチューブ長を延長した以外、基本となるジオメトリーはZリーズを継承するものの、フレーム形状は全てが新設計だ。ブレーキシステムはディスク対応のみとなり、最大35㎜幅を飲み込むワイドなタイヤクリアランスを持つ。さらにインナーギヤ30Tのチェーンホイールを搭載して、ローギヤ32Tのスプロケットと組み合わせると1:1以下の最小ギヤレシオを実現。そして泥よけ&キャリアダボ、ストレージボックスを取り付けできる台座もトップチューブに設ける。こうした仕様を見る限りグラベル/アドベンチャーライドもかなりの対応力がありそうだ。
動的性能に関わる部分は、FR同様トップチューブから延長されるブレーキブリッジレスのシートステーを搭載し、Zシリーズよりもフレーム全体の垂直方向の柔軟性を12%向上。BB386規格のハンガー部を核とした大きな断面積のパワーラインでパワー効率を増し、23%増したヘッド部剛性によりハンドリング性能を高めている。
試乗車として用意された「VR2」はパワーラインの剛性も高く、700×27Cという太いタイヤを履くことからは想像できないほど軽いペダリングと俊敏な走りだ。しかしながら荒れた舗装路やダートに入れば、タイヤとフレームの絶妙なパッケージで乗り心地は高く、路面からバイクが弾かれにくいという安定感も備える。
この高い動力性能と乗り心地のバランスは秀逸なレベル。おそらく25Cサイズのタイヤを履けばロングライドでも軽快に気持ちよく走れるだろう。マルチロードという名にふさわしい多用途で新感覚な1台だ。
VRシリーズ 製品ラインナップ
FELT VR1
「VR1」は完成車のVR2と同じフレームデザイン、UHCアドバンスド+テクストリームカーボン素材で作られたフレームセット販売モデル。
サイズ/430、470、510、540、560
価格/28万8000円(税抜)
FELT VR3
「VR3」はVR1と同様のフレームにシマノ・アルテグラの機械式コンポ&シマノ・RS805の油圧ディスク、3T・ディスカスC35のカーボンクリンチャーホイールを搭載した超お買い得モデル。
サイズ/430、470、510、540
価格/37万8000円(税抜)
■サイスポ・ニュース:フェルトのマルチロード「VR シリーズ」