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実測960gの超軽量ホイール ボントレガー・アイオロスXXXチューブラー 国内最速ファーストインプレッション

このたびボントレガーから発表されたアイオロスXXXチューブラーは、ペアで976gという超軽量ホイール。8月8日から京都で開催されているトレック・ボントレガーの新製品発表会・トレックワールドで、国内メディアや販売店向けに初お披露目されたこのホイールを国内のメディアとして初めて試乗することができたので、ファーストインプレッションをお届けする。
 
text:浅野真則 photo:岩崎竜太

実測重量はカタログ数値より軽い960g!

トレックワールドの展示会場でもかなりの注目を集めていた超軽量カーボンホイール・アイオロスXXXチューブラー。カタログ重量は前後ペアで976gと発表されていたが、会場に展示されている電子スケールが示していた実測重量は、なんと960gだった。

アンダー1000gの完組ホイールというと、ライトウェイトの超軽量モデル・マイレンシュタインオーバーマイヤーをはじめ、数えるほどしかない。しかも、その多くは体重制限が設けられているが、このホイールには体重制限がない。軽さを重視するために失うものも少なくない超軽量ホイールを、トレックの後ろ盾を持つボントレガーというビッグブランドがリリースしたというのは衝撃だ。

バイクに付けるために手にするだけで、その軽さが分かる。DTスイス製のハブに、スポークはDTエアロライトと、他のボントレガーホイールと同じ組み合わせなので、OCLVカーボン製のフルカーボンリムが相当軽いことが推測される。
 

超軽量ホイールにありがちな不安や弱さは皆無

当然出足はかなり軽い。ペダルに乗せた踏力を増幅するかのように、面白いようにグングン加速していく。36Tスターラチェットハブの恩恵か、コーナーの立ち上がりもかかりがいい。超軽量ホイールにありがちな剛性不足は一切感じず、ペダルに体重を乗せるような激しいスプリントをしても、ハードにブレーキングをしても不安はみじんも感じなかった。ハブ、スポーク、ニップル、リムがひとつの構造体としてガッチリとスクラムを組み、連携して仕事をしているのが分かる。スポークを支える角度を最適化するスタックドレーシングテクノロジーの恩恵だろう。

カッチリとした乗り味だが、乗り心地は悪くない。今回の試乗用ホイールには、ボントレガーR4 320チューブラータイヤの25Cモデルが装着されていたが、その影響も大きいかもしれない。ただ、リム幅21mm(外幅)と言うこともあり、タイヤサイズとリム幅がミスマッチな印象があった。ロードレースはともかく、ヒルクライムで使うなら23Cでちょうどいいと思う。

リムハイトが低いこともあり、上りでは圧倒的な走りの軽さを実現する。平坦や下りの性能はアイオロス3シリーズ以上のディープリムに譲るものの、ロープロファイルホイールとしての及第点はクリアしている。
 

ライバルを凌駕する総合力

気になるライバルは、ズバリ、ライトウェイトの超軽量モデル・マイレンシュタインオーバーマイヤーだろう。重量面ではほぼ互角だが、アイオロスXXXチューブラーは通常のスポークとニップルを使っており、振れ取り調整や破損時の修理も可能という点で優位に立つ。価格も29万円台と、ライバルの半額程度というアドバンテージがある。総合的に見て、アイオロスXXXチューブラーは、史上最高のクライミングホイールと言っても過言ではあるまい。


■アイオロス XXX チューブラ―
【価格】
・フロント:12万8704円(税抜)
・リア:16万5741円(税抜)

※OCLV(Optimum Compaction Low Void):超高密度圧縮によって空隙を1%未満まで抑える、トレックが独自で開発した高度なカーボンフレーム製法。空隙率1%未満という数字は、航空宇宙産業でも厳しい基準とされている。