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フィジークが「柔軟性+サドル荷重」という新たなフィッティングシステム「スパインコセプトエボ」を発表 ビブショーツも

スポーツバイクにはまった人の悩みの種として必ずと言っていいほどあげられるのが、お尻の痛み。そしてベストなサドル選びだ。メーカーもそのことをよくわかっていて、セラサンマルコ、セライタリア、スペシャライズド、ボントレガーなど各社が最適なサドルを見つけるためのフィッティングシステムを開発している。今回紹介するフィジークもその1社だ。

そんな同社が他社より1歩先んじるフィッティングシステムの改善をイタリア本社で発表した。
 
text:中島丈博

柔軟性+サドル荷重で最適なモデルを導き出す「スパインコセプトエボ」

フィジークのサドルフィッティングシステム「スパインコンセプト」。ライダーが前屈した時の柔軟性によって、最適なモデルを選ぶ方法だった。簡単に言うと、前屈時にどこまで上半身が曲がるかによって、骨盤の角度を判定。それによってライディング中の骨盤角度に最適なモデルを導き出すというロジックだ。
 
このスパインコンセプトが、このほど「エボ」に進化した。その内容は従来の柔軟性に加えて、ライダーの体重。普段のライディングにおける平地巡航速度を入力することによって、独自の計算式により、サドルにかかる荷重を算出。それによってベストなモデルを提案するという内容だ。ライダーの身体的特徴は大きく3つの動物に例えられる。柔軟性が高い順から「スネーク」、「カメレオン」、「ブル」だ。サドルのラインナップは従来通り(柔軟性順に)アリオネ、アンタレス、アリアンテとなっているが、幅の種類がレギュラーとワイドの2種類になる。アリオネの場合、レギュラーが130mm、ワイドが142mm。アンタレス、アリアンテはレギュラーが142mm、ワイドが152mmだ。同じ体重、柔軟性のライダーだとしても、出力の違いによってはベストなモデルが変わってくる。
 
アリオネの場合
アリオネの場合
上からアリオネ、アリアンテ、アンタレス。柔軟性との相関関係がわかる
上からアリオネ、アリアンテ、アンタレス。柔軟性との相関関係がわかる

計測アプリもまもなく登場


具体的なサドル選びの方法には、フィジーク独自のアプリを開発。スマートフォンや、タブレットにインストールし、必要な数値を入力。胸に当てて前屈するだけでベストなモデルが表示される仕組み。まもなく公開される予定だ。iOS、アンドロイドの両方に対応する。
 
アプリを起動し、胸元に当てて計測スタート
アプリを起動し、胸元に当てて計測スタート
しっかりと前屈すると、自動的に角度を計測。柔軟性を判断する
しっかりと前屈すると、自動的に角度を計測。柔軟性を判断する
体重、巡航速度をいれると最適なモデルが判定される
体重、巡航速度をいれると最適なモデルが判定される

サドルメーカーが考えたビブショーツ

スパインコンセプトエボと並んで発表されたコンセプトが「リンク」だ。バイクとライダーの重要な接点であるサドル回りを見てみるとバイク→サドル→ショーツ→ライダーとなる。そこでサドルを開発しているフィジークは、より高い快適性を実現するためにフィジークのサドルにフィットしたビブショーツも開発してしまったのだ。トップグレードのR1と、セカンドグレードのR3がラインナップされ、それぞれにスネーク、カメレオン、ブルのサドルに最適化されたパッドと記事素材を採用している。
 
例えばR1スネークは深い前傾姿勢をとるライダーのために、パッド全体が立体的に立ち上がるように製造されるので、上半身が立ち気味の姿勢でも、寝かせている場合でもパッドがしっかりと体にフィットする。また、サドル上で前後の動きも大きくとるタイプのライダーであるため、走りながらサドル上で移動したときもビブショーツがしっかりと追従してくれる。サスペンダー部分は深い前傾に対応したパターンとストレッチ性が持たされている。

対してR1ブルはサドルにしっかりと体重が乗るタイプのライダーであるため、ボリュームあるパッド。その形状も圧が分散されるようにデザインされている。サスペンダー部分は、上半身が立ち気味でも方に食い込んでしまわないように、スネークタイプよりも長さとストレッチ性を変えてある。
 
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