トピックス
NIPPO・ヴィーニファンティーニが東京五輪へ向けて「JAPANプロサイクリング」と連帯 来季は日本人4選手が新たに加入へ
2016.10.28
NIPPO・ヴィーニファンティーニに新日本人選手。そして「JAPANプロサイクリング」との連携
2015年から「日伊混合」プロコンチネンタルチームとして活動を続けているNIPPO・ヴィーニファンティーニが、日本自転車界との協力体制をさらに推し進める。2017シーズンより、「JAPANプロサイクリング」への連携を行う。
JAPANプロサイクリングとは、橋本聖子氏が理事長を務める日本自転車競技連盟承認の一般社団法人。既存の日本籍コンチネンタルチームを支えてきた企業・スポンサーがみなで力を合わせることで、東京五輪でメダルを狙える日本人選手を育成していこう、というプロジェクトだ。NIPPO・ヴィーニファンティーニの大門宏監督は、同計画の必要性と緊急性を訴える。
「母国で五輪が開催されるというチャンスは、僕らの孫、ひ孫の世代まで巡ってこないかもしれない。だからこそ、みんなで協力していく以外に方法はないんです」
この理念に真っ先に賛同したのが、愛三工業レーシングチーム。チームの中核である2選手、伊藤雅和と中根英登をNIPPO・ヴィーニファンティーニへと派遣することに決めた。
「この活動の成果を見てもらい、来季の半ば頃には、もっとたくさんのチーム・企業に参加してもらいたい。メディアにも関心を持ってもらいたい。これが日本人選手ひとりひとりの強化につながるんです」
今後は所属日本人選手の強化に加えて、なにより「五輪枠」を獲得するための活動を拡大していくとのこと。そのためにはアジア開催のレースで、来季から確実に成績を上げていくことが重要だ、と大門は語る。
「昔と違って、もはや五輪に『地元開催枠』は存在しません。だからたとえばアジア開催のレースでは、イタリアの選手に協力してもらいながら、日本人選手がポイントを取る、というような流れも作っていきたいですね」
JAPANプロサイクリングとは、橋本聖子氏が理事長を務める日本自転車競技連盟承認の一般社団法人。既存の日本籍コンチネンタルチームを支えてきた企業・スポンサーがみなで力を合わせることで、東京五輪でメダルを狙える日本人選手を育成していこう、というプロジェクトだ。NIPPO・ヴィーニファンティーニの大門宏監督は、同計画の必要性と緊急性を訴える。
「母国で五輪が開催されるというチャンスは、僕らの孫、ひ孫の世代まで巡ってこないかもしれない。だからこそ、みんなで協力していく以外に方法はないんです」
この理念に真っ先に賛同したのが、愛三工業レーシングチーム。チームの中核である2選手、伊藤雅和と中根英登をNIPPO・ヴィーニファンティーニへと派遣することに決めた。
「この活動の成果を見てもらい、来季の半ば頃には、もっとたくさんのチーム・企業に参加してもらいたい。メディアにも関心を持ってもらいたい。これが日本人選手ひとりひとりの強化につながるんです」
今後は所属日本人選手の強化に加えて、なにより「五輪枠」を獲得するための活動を拡大していくとのこと。そのためにはアジア開催のレースで、来季から確実に成績を上げていくことが重要だ、と大門は語る。
「昔と違って、もはや五輪に『地元開催枠』は存在しません。だからたとえばアジア開催のレースでは、イタリアの選手に協力してもらいながら、日本人選手がポイントを取る、というような流れも作っていきたいですね」
4人の新たなサムライたち
愛三工業レーシングチームからの伊藤雅和と中根英登のほかに、リオ五輪出場の内間康平が、ブリジストン・アンカーから古巣への復帰を決めた。またU23全日本チャンピオンの小林海が、ネオプロとして加入する。新たなNIPPO・ヴィーニファンティーニの一員として、プロジェクト「JAPANプロサイクリング」を担っていく4選手が、それぞれの決意や目標を語ってくれた。
伊藤「これがラストチャンス。行くしかない」、中根「戦術眼やレースを読む力は、トップレベルのレースで揉まれてこそ備わる」
・伊藤雅和
「愛三がNIPPOとの協力が決まった時に、声をかけてもらいました。僕はもはや『若手』という部類ではないので、ほんの少し迷いました。でも、これがラストチャンスだ、行くしかない、と。ずっと欧州を目指していたんです。でもケガのせいで、挑戦できなかった時期が長く続きました。だから、少し、諦めかけていました。それでもくさらずに走り続けてきた。おかげで、こんなチャンスがやって来ました。これを逃したらもう、自転車を続ける意味はないな、と思いましたね。今の自分はまだ、ヨーロッパでしっかり走るレベルにはありません。この冬は大切だと思っています。しっかり練習を重ねて、実力を磨いて、チームの『駒』として働けるレベルへと上げていきたいです」
伊藤雅和(いとう・まさかず)略歴
1988年6月12日生まれ(28歳)
171cm / 60kg 脚質:クライマー
神奈川県出身 法政大学第二高校、鹿屋体育大学卒業
ジュニアカテゴリーからナショナルチームで活躍し、 大学時代にツール・ド・インドネシアで区間2勝
2014年 春に大腿骨骨折の大ケガを負い、 リハビリを経て2015年に競技復帰
2011年~ 愛三工業レーシングチーム
・中根英登
「ずっと上のチームを目指してきました。愛三が選手を抱え込む代わりに、行け、と暖かく送り出してくれたおかげです。学生を卒業後は、まずNIPPOでアシストとして経験を積みました。その後の愛三では、自らでUCIポイントを稼げるまでに成長しました。アジアの山岳ではトップと争える実力もつきました。そこを評価してもらえたんだと思っています。今後はよりレベルの高い欧州のレースにも参戦していくことになるので、大いに苦しめられるであろうことは理解しています。その中でも自分の走りを出していきたい。また実力だけではなく、戦術眼やレースを読む力は、トップレベルのレースで揉まれてこそついていくものだと感じています。こういった力を着実に自分のものにして、東京五輪に備えていきます」
中根英登(なかね・ひでと) 略歴
1990年5月2日生まれ(26歳)
170cm / 56kg 脚質:パンチャー
愛知県出身 名古屋市立緑高校、中京大学卒業
大学在学中からチームユーラシア、チーム NIPPOに加入し欧州で競技経験を積む
登坂でのスピードや粘りが持ち味
2001年~2011年 チームユーラシア(U23)
2012年~2013年 チームNIPPO
2014年~ 愛三工業レーシング
内間「もっと自分のレベルを上げなければならない」、小林「チームのために役に立っていきたい。着々と積み重ねていくだけです」
・内間康平
「8月下旬に大門さんに、NIPPOに入らせてください、と自分からお願いしました。リオ五輪を走ったからと言って、僕自身の実力が上がったわけではないんです。むしろ、ワールドツアークラスの選手たちと走ることで、彼らと自分の実力にどれほどの差があるのかをはっきりと悟りました。コンチネンタルクラスで走り続けてもこれ以上の実力をつけることはできない、上のクラスで走ってもっと自分のレベルを上げなければならない、とは常々感じていたんです。だから、ついに、その舞台に立てたという気持ちです。これから待っているのは、僕が今まで知っているものとは違う、格段に厳しいレースです。嬉しさや、グランツール出場の可能性はゼロではないんだ、という思いもありますが、むしろ『これからやることがたくさんあるぞ』という引き締まった気持ちのほうが大きいですね」。
内間康平(うちま・こうへい)略歴
1988年11月8日生まれ(27歳)
170cm / 61kg 脚質:スプリンター
沖縄県出身 沖縄県立北中城高校、鹿屋体育大学卒業
2015年UCIアジアツアーランキング国内1位
リオオリンピック・ロードレース日本代表
2011年~2013年 チームNIPPO
2014年~ チームブリヂストン・アンカー
・小林 海
「全日本を勝った後に、大門さんに声をかけてもらいました。楽しみです。僕は純粋にレースが大好きなので、プロのレースを走れるのが楽しみでたまりません。ただ、明日にでもプロ人生が終わるかもしれない、そんな厳しい世界です。苦しい結果の出ない日々が大半です。スペインで現実を目の当たりにしてきましたから、厳しさは十分理解しているつもりです。だから僕はまず、目の前のことだけに集中していきます。別次元の世界で、来年すぐに結果が出せるとは思っていません。でも自分の力の範囲で狙っていきますし、チームのために役に立っていきたい。着々と積み重ねていくだけです。将来的にはグランツールに出場したいですね。ただ来年は、3週間のステージレースは、僕にとってはきつすぎると思っています。まずはプロの世界に慣れて、実力も体力もつけて。その次の年に出場を狙うのが理想的です」
小林海 略歴
1994年7月1日生まれ、22歳。
スペイン人の父と日本人の母をもつ。ニックネームは“寿司ドラゴン”。
17歳のときに日本で自転車競技を始め、2014年よりスペインのアマチュアチームに所属し、現在もスペインを拠点にレース活動を行う。U23日本ナショナルチームメンバー。8月よりNIPPO・ヴィーニファンティーニにトレーニーとして加入。
2015年 U23全日本選手権個人タイムトライアル3位
2016年 ロンドファンフラーンデレンU23(ネーションズカップ)完走
U23全日本選手権個人タイムトライアル優勝 ロードレース優勝
スペイン・アマチュアレース「Gran Premio Tetuan」優勝