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マキシス新型ハイエンドタイヤ「ハイロード」登場

マキシスのお膝元、3月の台北ショーで発表された新製品「ハイロード」。今秋には国内でも購入できるようになる。ヴィットリア、ミシュランなどタイヤメーカー各社が新型ハイエンドモデルを登場させるなか、マキシスも負けてはいない。
text&photo:中島丈博

低い転がり抵抗、ハイグリップ、高い耐パンク性能、カーボンビード

コンパウンドの性能もさることながら、マキシスの各モデルはトレッドパターンがユニーク
コンパウンドの性能もさることながら、マキシスの各モデルはトレッドパターンがユニーク
ハイロードの構造図
ハイロードの構造図
ロードタイヤメーカー各社がモデルチェンジし、高性能化が進む昨今のロードタイヤマーケットにおいて、同等の戦闘力を実現するべく同社が開発したタイヤだ。マキシス最大の強みはその開発力である。セカンドグレードながら重量は270gとなっており、トップモデルのパドロネTRからわずか10g重いだけだ。

ケーシングは、これもパドロネTRに使われている同社最高密度の170TPI。また耐パンク素材として、「シルクシールド」という、ビードからトレッドまで挟み込まれる耐パンク素材です。サイドウォールまでカバーするためサイドカットにも強い。また、ケーシングの構造には「シルクワームテクノロジー」という同社独自の特別素材を組み合わせることで、耐パンク性能と引き裂き強度を向上させつつ、転がり抵抗を減少させている。

ビードにはカーボンを採用。チューブレス使用時、高圧でも高い気密性を確保できる。太さは25cのみで、現在ロード用ホイールでシェアを拡大しているワイドリムに対応する設計だ。

クルマのタイヤでつちかったコンパウンド技術を、自転車にも流用している。このハイロードにもクルマ用として開発されたコンパウンドを採用している。残念なのはクルマのトップモデルのものではないところか。
 
・ハイロード(チューブレスレディーのみ)
サイズ:700×25C
TPI:170
重量:270g
最大空気圧:125PSI
国内販売価格未定

台中の本社工場にも潜入!

本社敷地内にはこのビルのほか、ラボが入った建物など複数の施設があり、かなり広い
本社敷地内にはこのビルのほか、ラボが入った建物など複数の施設があり、かなり広い
今年は台北ショーに行くときに、1日早く台湾入りしマキシスの本社と製造工場を見ることができた。台北から台湾版新幹線にゆられて台中へ。駅からはクルマで40分ほどのところ、台中郊外にマキシスの本社はある。同じ通りの並びにはメリダの本社も。サイクルスポーツの読者にとって、マキシスというと自転車タイヤというイメージがもちろん強いと思うが、その実はクルマ、モーターサイクル用のタイヤで大きなシェアをもっている企業である。一般向けのタイヤはもちろん、レーシングマシン用のタイヤも製造しているのは自転車と同じだ。

本社から、クルマで数分移動したところには自転車用タイヤの製造工場がある。クルマ用のタイヤはタイ、中国上海、重慶、アモイに生産工場を移したそうだが、自転車用はいまだに台湾での製造を続けている。世界最軽量クラスの自転車用チューブ「フライウェイトチューブ」も、この工場で製造されている。残念ながら工場内は一切撮影禁止ということで、製造工程をお見せすることができない。チューブを作る専用の機械や、タイヤを製造する専用の機械は自転車乗りなら興奮すること間違いなしだった。

製造工程は、思った以上に人の手が必要になることが分かった。オートメーション化が進んでいるのかと思ったが、各工程は専用の機械を操る人手が必要になる。皆、わき目も振らずに作業に打ち込んでいた。

また、製造ラインも大きい。タイヤの製造には”加硫”という工程が必要になるのだが、そのための大型ラインが設置されていた。大量の熱を発する機械なので、3月でもラインはかなりの熱気。夏の台中の気候を考えるとなかなかにタフな仕事場だ。タイヤはもちろん、チューブももっと大事に使おうという気分になった。
 
本社から車で数分のところにある製造工場。タイヤのほか、チューブもここで作られる
本社から車で数分のところにある製造工場。タイヤのほか、チューブもここで作られる
本社の展示室にはタイヤで作られた騎馬と騎士のオブジェが
本社の展示室にはタイヤで作られた騎馬と騎士のオブジェが