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サーヴェロ「新Rシリーズ」デビュー
2017.06.09
フルモデルチェンジがもたらしたもの
サーヴェロのRシリーズ。トライアスロン界で名声を手にしたサーヴェロが、ロードレース界にデンマークチームとともに勝利をつかみだした、とても重要なモデルだ。2003年のツール・ド・フランス第13ステージで、カルロス・サストレがおしゃぶりをくわえながらフィニッシュしたシーンを覚えている人も多いだろう。その時の相棒がサーヴェロ・R2.5だ。
その後、瞬く間にスターダムの一員へと駆け上がったサーヴェロ。そのアイデンティティーは、Rシリーズで極薄シートステーを採用した超軽量モデルを登場させたり、エアロダイナミクスをまとったSシリーズによってロードバイクのトレンドを作り出し、進化の方向性に影響を与え続けてきた。
ジオメトリについてもロードバイク、トライアスロンバイクとも、独自のロジックでライダーに最適なポジションを提供するがゆえにライディングフィールは独特。その結果、あまたあるロードバイクブランドの中でも、伝統から進化してきたブランドにはない個性的な走行性能、ルックスをもつ。 そんなサーヴェロから、「Rシリーズ」がモデルチェンジすると聞き、イタリアベルガモ郊外へと向かった。
発表されたのは新型R5とR3だ。モデル名は前作とまったく同じだが、その内容は「完全に新しく作り直した」と言い切るほど大きく変更されている。ロードバイクにとって重要なことを、改めて考えなおし「とても自然なフィーリングを実現する」ことを目指した。シンプルな作りで、ライダーの動作を最大限推進力に変換する。そのために必要なことを、サーヴェロの技術力で整理し直すことで完成したのが新型だ。前作まではR3のみリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルの両方があったが、新作ではR5、R3の両方にラインナップされる。
前作Rシリーズが登場した時からくらべるとロードバイクをとりまく環境は変わった。タイヤの太さが25Cが標準となり、リム幅もワイドなものが主流になった。それにあわせてフレームのクリアランスを広げ、前作では33.5mmだったものを38mmに拡大。最大で太さ28Cのタイヤまで対応。またハンドリングの安定化にも注力した。各サイズでリーチを最適化し、フレームサイズ48〜61までの全サイズでトレール値が57になるように設計されている。そのためにサイズ48、51のフォークはそれぞれ専用のジオメトリーだ。チェーンステーは410mmとレーシングバイクとしては長めで、BBドロップも72mm(サイズ54)と深い。セオリーから行くと確かに安定性は増すが、その分一気に加速したい時の反応性が悪くなる。実際のところはどうか。ヘッドチューブ長は前作よりも短くなっている。上半身を深く前傾させたいという要望に応えるかたちだ。R5とR3ではジオメトリーが異なり、ヘッドチューブ長がR5の方が8mm短く設計されている。
Rシリーズといえば気になるのはその重量だ。ハンドリング重視で剛性を上げたフォークは重くなり、その分フレームを軽量化している。軽量化しても剛性は落としていない。R5のリムブレーキモデルで比較したところヘッドチューブは21%、BB周辺は13%剛性が向上している。R5のフレーム重量はリムブレーキモデルが850g、ディスクブレーキモデルが831g(いずれもサイズ56)。そしてR5の完成車重量はシマノ・デュラエース機械式リムブレーキ仕様で6.829kg、スラム・レッドeタップリムブレーキ仕様で6.726kg(いずれも56サイズ)を実現している。
R3リムブレーキモデルでは、フォーク重量が6%増、反対にフレーム重量は10%減。同じくディスクブレーキモデルについてはフォークが11%増、フレームが16%減となりトータルでは軽量化されている。
空力性能の向上も怠ってはいない。新シリーズでは、サーヴェロ独自のチューブ断面形状「スクオーバル」を大径化させた「スクオーバルマックス」を採用。R5で空気抵抗-44g、R3で-17gを達成している。
その後、瞬く間にスターダムの一員へと駆け上がったサーヴェロ。そのアイデンティティーは、Rシリーズで極薄シートステーを採用した超軽量モデルを登場させたり、エアロダイナミクスをまとったSシリーズによってロードバイクのトレンドを作り出し、進化の方向性に影響を与え続けてきた。
ジオメトリについてもロードバイク、トライアスロンバイクとも、独自のロジックでライダーに最適なポジションを提供するがゆえにライディングフィールは独特。その結果、あまたあるロードバイクブランドの中でも、伝統から進化してきたブランドにはない個性的な走行性能、ルックスをもつ。 そんなサーヴェロから、「Rシリーズ」がモデルチェンジすると聞き、イタリアベルガモ郊外へと向かった。
発表されたのは新型R5とR3だ。モデル名は前作とまったく同じだが、その内容は「完全に新しく作り直した」と言い切るほど大きく変更されている。ロードバイクにとって重要なことを、改めて考えなおし「とても自然なフィーリングを実現する」ことを目指した。シンプルな作りで、ライダーの動作を最大限推進力に変換する。そのために必要なことを、サーヴェロの技術力で整理し直すことで完成したのが新型だ。前作まではR3のみリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルの両方があったが、新作ではR5、R3の両方にラインナップされる。
前作Rシリーズが登場した時からくらべるとロードバイクをとりまく環境は変わった。タイヤの太さが25Cが標準となり、リム幅もワイドなものが主流になった。それにあわせてフレームのクリアランスを広げ、前作では33.5mmだったものを38mmに拡大。最大で太さ28Cのタイヤまで対応。またハンドリングの安定化にも注力した。各サイズでリーチを最適化し、フレームサイズ48〜61までの全サイズでトレール値が57になるように設計されている。そのためにサイズ48、51のフォークはそれぞれ専用のジオメトリーだ。チェーンステーは410mmとレーシングバイクとしては長めで、BBドロップも72mm(サイズ54)と深い。セオリーから行くと確かに安定性は増すが、その分一気に加速したい時の反応性が悪くなる。実際のところはどうか。ヘッドチューブ長は前作よりも短くなっている。上半身を深く前傾させたいという要望に応えるかたちだ。R5とR3ではジオメトリーが異なり、ヘッドチューブ長がR5の方が8mm短く設計されている。
Rシリーズといえば気になるのはその重量だ。ハンドリング重視で剛性を上げたフォークは重くなり、その分フレームを軽量化している。軽量化しても剛性は落としていない。R5のリムブレーキモデルで比較したところヘッドチューブは21%、BB周辺は13%剛性が向上している。R5のフレーム重量はリムブレーキモデルが850g、ディスクブレーキモデルが831g(いずれもサイズ56)。そしてR5の完成車重量はシマノ・デュラエース機械式リムブレーキ仕様で6.829kg、スラム・レッドeタップリムブレーキ仕様で6.726kg(いずれも56サイズ)を実現している。
R3リムブレーキモデルでは、フォーク重量が6%増、反対にフレーム重量は10%減。同じくディスクブレーキモデルについてはフォークが11%増、フレームが16%減となりトータルでは軽量化されている。
空力性能の向上も怠ってはいない。新シリーズでは、サーヴェロ独自のチューブ断面形状「スクオーバル」を大径化させた「スクオーバルマックス」を採用。R5で空気抵抗-44g、R3で-17gを達成している。
試乗記事は6月20日発売のサイクルスポーツ8月号にて。掲載予定。
R5ラインナップ
シマノ・デュラエースDi2ディスクブレーキ完成車価格/140万円(ホイール●エンヴィ・SES3.4ディスク、タイヤ●コンチネンタル・グランプリ700×25C、ハンドル●サーヴェロ・AB06、ステム●サーヴェロ・カーボンステム、サドル●フィジーク・アンタレスR5)
シマノ・デュラエース機械式完成車価格/100万円(ホイール●マヴィック・キシリウムエリート、タイヤ●マヴィック・イクシオンUSTプロ700×25C、ハンドル●サーヴェロ・AB06、ステム●サーヴェロ・カーボンステム、サドル●フィジーク・アンタレスR5)
スラム・Eタップ完成車価格/137万円(ホイール●ジップ・302、タイヤ●コンチネンタル・グランプリ700×25C、ハンドル●サーヴェロ・AB06、ステム●サーヴェロ・カーボンステム、サドル●フィジーク・アンタレスR5)
スラム・Eタップディスク完成車価格/137万円(ホイール●ジップ・302、タイヤ●コンチネンタル・グランプリ700×25C、ハンドル●サーヴェロ・AB06、ステム●サーヴェロ・カーボンステム、サドル●フィジーク・アンタレスR5)
フレームセット価格/58万円(リムブレーキモデル、ディスクブレーキモデルとも)
R3ラインナップ
(ホイール●マヴィック・アクシウムエリート25、タイヤ●マヴィック・イクシオンプロ700×25C、ハンドル●サーヴェロ・ウルトラライトアロイロードハンドルバー、ステム●サーヴェロ・ウルトラライトアロイ、サドル●フィジーク・アンタレスR5)
シマノ・R8000アルテグラDi2ディスクブレーキ完成車価格/79万
(ホイール●マヴィック・キシリウムディスクCL、タイヤ●マヴィック・イクシオンエリート700×25C、ハンドル●サーヴェロ・ウルトラライトアロイロードハンドルバー、ステム●サーヴェロ・ウルトラライトアロイ、サドル●フィジーク・アンタレスR7)
シマノ・R8000アルテグラDi2完成車価格/67万円
(ホイール●マヴィック・キシリウムブラック、タイヤ●マヴィック・イクシオンエリート700×25C、ハンドル●サーヴェロ・ウルトラライトアロイロードハンドルバー、ステム●サーヴェロ・ウルトラライトアロイ、サドル●フィジーク・アンタレスR7)
シマノ・R8000アルテグラ機械式完成車価格/55万円
(ホイール●マヴィック・アクシウムエリート、タイヤ●マヴィック・イクシオンエリートガード700×25C、ハンドル●FSA・エナジーコンパクト、ステム●サーヴェロ・ウルトラライトアロイ、サドル●フィジーク・アンタレスR7)
フレームセット価格/37万円(リムブレーキモデル、ディスクブレーキモデルとも)
価格は全て税抜価格
問 ☎048・250・5213