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新城幸也2017ツール・ド・フランス出場決定!

7回目のツール・ド・フランス出場が決まった新城幸也。日本人として最多出場記録の更新である。そんな彼のコメントを、取材し続けているているジャーナリストで、本誌連載「アレ!アレ!ユキヤ」の執筆も担当している大前 仁氏が聞いた。
 
text&photo:大前 仁

ユキヤ7回目のツール出場が決まった。

ここまでくると「出て当たり前」くらいに思うかもしれないが、あのフルームでさえ6回目である。1996年、日本人で初めて近代ツールを走った今中大介さんは「市民レースのひとつのカテゴリーを勝ち上がっていくのさえ容易じゃない。県の代表になったり国体を走るのだって大変なこと。それが、世界に出て行ってその頂点のレースで、日々消耗しながら走り続けるなんてことは、自転車ファンの皆さんが想像するよりも遙かにとてつもないこと。本当にスゴイ、偉業です」とユキヤを絶賛する。

にもかかわらず、ユキヤ自身は至って自然体だ。「まずはチームの指示通りに仕事をこなすことが第一」。これは、ユキヤがBboxブイグテレコムに移籍して以降、ずっと言い続けているセリフでもある。

なぜユキヤが選ばれるのだろうか? ブイグに行った最初の年(2009年)と、グランツールを10回も完走した32歳の今とでは、チームが彼を選出する理由は異なるかもしれない。明らかなのは、彼がアマチュア時代からフランスを拠点として走ってきたこと、そして言葉も土地勘も十分に備えている、という点だ。
 
2012年、2016年と敢闘賞を獲得している。写真は2016年
2012年、2016年と敢闘賞を獲得している。写真は2016年
そしてまたアシストとしての能力も、チームがユキヤを選ぶ一因だと思われる。平坦ステージでの牽引も、山岳でのアシストも、その場その場でかゆいところに手が届く、エースの気持ちをよく理解した上での動きや位置どりが、テレビ画面からよく伝わってくる。

ユーロップカー時代のトマ・ヴォクレールやピエール・ロラン、ランプレ・メリダのルイ・コスタ、そしておそらくバーレーン・メリダのヨン・イサギレも、アシストとしてユキヤを指名しているのではないか、そんな気がしたのは一度や二度ではない。

「チームはジロ組とツール組がハッキリ分かれていました。コルブレッリ、イサギレ、僕、グレガがツール。ガスパロットもツール組だったけれど、ナヴァルダウスカスの問題(ジロ直前に体調不良でメンバーから外れた)でジロになったから、ガスパロットの代わりは誰かな?と思っていました」とユキヤはメンバーに関してもコメントしている。

チームがエースとして選んだのはおそらくイサギレだろう、とユキヤは言う。「ただ、イサギレは『総合は狙いたくない。総合10位に入ったところでどうなる? 3週間、10位のために毎日走るより、ステージ2勝して山岳賞獲るほうがいいんじゃないか?』と言っているんです。でもそれじゃダメなんです。大きいお金をもらって動いてきた人は、そういうわけにはいかない、それは無理でしょう(笑)」というのがユキヤの予想だ。
そしてユキヤ自身についてのコメントはこうだ。「スプリントではコルブレッリ、山岳ではイサギレ、休みなくステージを狙って、今年も忙しくなりそうですね!」。

かつて本誌のインタビューでユキヤは「計算上、グランツールは200人が出て1回に20ステージあるので、10回出れば1人1回の割で当たる(勝てる)はず」と話している。これは冗談めかした話ではあるが、ユキヤはこう付け加えることも忘れない。「チャンスがあればステージも狙っていきます!」。

グランツール11回目となるこのツールで、ユキヤにチャンスが巡ってくることを心から祈りたい。
 

バーレーン・メリダ ツール2017参加メンバー

ヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア)
オンドレイ・ツィンク(チェコ)
新城幸也(日本)
ツガブ・グルマイ (エチオピア)
ヨン・イサギレ(スペイン)
ソンニ・コルブレッリ(イタリア)
ボルト・ボジッチ(スロベニア)
ハビエル・モレノ(スペイン)
グレガ・ボレ(スロベニア)
http://teambahrainmerida.com/