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初夏の那須高原をキャノンデール・スレートで走り倒す!「スレート エクスペリエンス @ 那須」DAY1

キャノンデールのアドベンチャーバイク・スレートで那須高原を巡るサイクリングツアー「スレート エクスペリエンス @ 那須」が初夏の6月3日(土)、4日(日)に開催された。普段はロード乗りの編集部員が、盛り上がりつつあるアドベンチャーライドの魅力を体感すべく、初めてのスレートライドに参加してきた。1日目の模様をレポート!
text&photo:江里口恭平

那須の自然を体感するスレートライド

那須高原の青空の下、スレートが並ぶ
那須高原の青空の下、スレートが並ぶ
ミスター・スレートことキャノンデール・ジャパンの山本和弘さん。通称「カズさん」だ
ミスター・スレートことキャノンデール・ジャパンの山本和弘さん。通称「カズさん」だ
那須の自然・食・暮らしを体験するサイクリングツアーを主催する「ライドエクスペリエンス」の山本徹也さん。今回のライドの案内役だ
那須の自然・食・暮らしを体験するサイクリングツアーを主催する「ライドエクスペリエンス」の山本徹也さん。今回のライドの案内役だ
この日の参加者は既にスレートを保有している人とレンタルでライドに参加する人が半分ずつ
この日の参加者は既にスレートを保有している人とレンタルでライドに参加する人が半分ずつ
早朝の東京から東北道をクルマで飛ばして2時間と少し。6月初めの徐々に熱気がこもりだした都会を抜けて、さわやかな高原の朝の空気を浴びる。今日ここにやって来たのは、この那須高原をあのバイクで満喫してみないか?というお誘いを受けたという理由からだ。
待ち合わせ場所でそのお誘いの主に再会する。元MTB、ロード、シクロクロスを走ったプロライダーで引退後はキャノンデールジャパンの一員として全国を飛び回っている山本和弘さん。通称カズさんだ。そしてこの人の別名は「ミスタースレート」。

そう、今日僕がここに来た理由はキャノンデールのアドベンチャーバイク・スレートに乗って那須の地を遊びつくす、というのが大きな目的だ。
そして今回ライドをアテンドしてくれるのは、山本徹也氏。那須に根を張り、自転車文化を発展させていくという目的のもとに「ライドエクスペリエンス」を立ち上げた張本人。これまでこの地で開催された、ロードバイクでグラベルを含むコースをチームで走り切るライドイベント「ラファ・プレステージ」のコースディレクターも勤めるなど、様々な方法で自転車文化の発信を行っている。
 
そんな「ダブル山本」の2人がアテンドしてくれるのが「SLATE EXPERIENCE @ NASU」。
1日目は主にオフロードを含む総距離60kmのコース。かなりの割合でグラベルを含むとの前情報に、普段ロードばかり乗っている僕は少し身構えてしまう。ちなみにそのまま那須のリゾートホテルに宿泊し温泉を楽しんだ後の2日目は、オンロード主体で那須の市街地を一望できるヒルクライムが楽しめるコースだという。
 
さて早速今回の主役のひとつ、キャノンデール・スレートをカズさんからレンタル。今回のライドイベントに集ったスレート乗りの皆さんとあいさつを済ませ、早速ライドへとスタートだ。
 
はじめにカズさんが、参加者全員のレフティフォークをチェック。「このひと手間で走りが断然違う」と、全員の体重に合わせてセッティングを行った
はじめにカズさんが、参加者全員のレフティフォークをチェック。「このひと手間で走りが断然違う」と、全員の体重に合わせてセッティングを行った
今日はグループライド!「白河関の森公園駐車場」からスタートだ
今日はグループライド!「白河関の森公園駐車場」からスタートだ
松尾芭蕉にも歌われた「白河関」跡に始めに寄り道
松尾芭蕉にも歌われた「白河関」跡に始めに寄り道
早速ダートコースの上りが登場!しかしスレートの走破性で皆なんなくクリア
早速ダートコースの上りが登場!しかしスレートの走破性で皆なんなくクリア
初めの上りを終えた後には、カズさんから下り方のレクチャーが
初めの上りを終えた後には、カズさんから下り方のレクチャーが
下った後はコンビニで小休止。店の前にスレートがズラリ
下った後はコンビニで小休止。店の前にスレートがズラリ
舗装路区間と言え気持ちの良い林道コースが続く
舗装路区間と言え気持ちの良い林道コースが続く
小道の脇には気がつくと渓流が
小道の脇には気がつくと渓流が
舗装路区間をスレートの隊列が走る。取材で同一の車種で走ることを目にする機会は多いが、このレフティフォークに650Bのスリックタイヤを履いたスレートが列を連ねて走るというのはなかなか見れる光景ではない。朝の静かな田舎道をスレートの太いタイヤが転がっていく音が包み、それだけで楽しくなってくる。
山本さんが脇道に入る。「もうここからダート区間です。」と、ダートの上りへ進んでいくとさっそく本日の前菜、砂利道の上りが登場だ。けっこう勾配がある。これはロード乗りにはなかなかきついぞ……カズさんに言われたとおりに、フロントサスペンションを開放気味に変えて、ペースにあわせて上っていく。
 
普段同社のスーパーシックスエボを愛車にする本間さんは、今回が初めてのオフロード体験。突然登場した上りに「初めは少し不安でしたが、行ってみたら上れちゃいました。全然遅かったけど、オフロードをこうしてサクサク上ることができるなんて意外で楽しい!」と、上り切った後に話す。
 
さあここからがご褒美のダートダウンヒル。その前にカズさんから下りのコツを伝授してもらい、一気に駆け下りる! 前日までの雨のせいか、砂利はいい感じに固まってくれているので絶好のコンディション。あっという間に全員が下り切った。山本さんも「今日のライダーは皆さんレベルが高いですね!」と驚きを見せる。
 
再び舗装路区間を移動して途中のコンビニで休憩。「コンビニ前にこれだけの数のスレートが並んでいると壮観ですね」とは普段からスレートで遊んでいる森茂さんが笑う。
舗装路の平地は山本さんの軽快な引きに続いて、アップダウンをこなしていく。ライドに同行して撮影もこなす筆者に「ちょっと先回りして撮影してきてくださいね」と注文を受けていたのだが、こんな良いペースから抜け出すには、もはやロードで言うアタックをかけなければいけない! 上りで踏み込むと、想像していたよりもはっきりとスレートが反応してくれたので、先回りしてカメラを構えた。
 

スレートにうってつけの道

渓流が流れる大自然のど真ん中にキャノンデールのブースが突如現れる
渓流が流れる大自然のど真ん中にキャノンデールのブースが突如現れる
この日は那須の食材をふんだんにつかった「Shoko’s kitchen」のサンドイッチでランチタイム
この日は那須の食材をふんだんにつかった「Shoko’s kitchen」のサンドイッチでランチタイム
東京から参加した本間さん(左)と平野さん(右)。大自然の中で食後のコーヒーブレイク
東京から参加した本間さん(左)と平野さん(右)。大自然の中で食後のコーヒーブレイク
徐々に気温が上がり汗ばんできた。ここから先はこのライドの「一番気持ちのいい場所」とのことだ。林道を進んでいくと、森からすっと涼し気な風が吹いてくる。見ると道のすぐ脇に渓流が通っている。「新鮮な空気が流れてきて、ほんとに気持ちがいい!」と隣の藤城さんが声を上げる。カズさん曰く「傾斜もゆるく、砂利道のこれくらいのダートがこのスレートには一番適したコースです。けれどこの場所は、これまでのスレートライドで走ってきた道の中でも、一番に気持ちがいいかもしれない!」とテンションも上がりっぱなし。
 
実はこのコースはかつて山本さんがコースをプロデュースした「ラファ・プレステージ」にて、使用する予定だったコース。その時に実際に走った森重さんは「前回はロードバイクでこのあたりのコースを走りましたが、その時はロードを操ることに必死でコースの記憶がほとんどありませんね(笑)。でも今は自分のスレートで、走りも景色も楽しめています」と話す。
 
新緑に包まれた渓流をゆっくり上っていく。すると突如その緑に交じって見覚えのあるテントが現れた。キャノンデールのテントだ。「ではここでランチにしましょう」と、山本さんが声をかける。ライドエクスペリエンスのメンバーによって、大自然の真っただ中にブースがセッティングされる。ランチボックスの中には那須で人気の「SHOKO'S KITCHEN」で作るサンドイッチが。スープは那須で取れた玉ねぎが丸々ひとつづつ入ったオニオンスープ。しかも食後はこれまた那須で有名な「NASU SHOZO CAFE」のコーヒー豆で煎れたコーヒーでブレイクだ。
「これまで自分のスレートで何度かダートのライドに出ていましたが、今日はライドに加えておいしいものが用意されるのはすごくうれしいですね、これは参加してよかった。」とは平野さんの談。
 
大自然の中で飲むコーヒーってどうしてこんなにおいしいんだろう! このスレートライド常連の藤城さんが持ち寄った自家製のミックスナッツをアテに、参加者の皆さんの話がはずむ。グループライドをするなかで、楽しさを共有する輪のようなものが生まれてきていた。

 
 

シングルトラックの上りを満喫

いい感じの砂利が敷き詰められた林道こそ、スレートのポテンシャルが最も発揮される
いい感じの砂利が敷き詰められた林道こそ、スレートのポテンシャルが最も発揮される
時折ぬかるみもあるような未舗装路が延々と続き、山岳が始まっていく
時折ぬかるみもあるような未舗装路が延々と続き、山岳が始まっていく
カズさんの引きによって順調にパックで上る
カズさんの引きによって順調にパックで上る
ロードバイクではとてもじゃないが味わえないような山道
ロードバイクではとてもじゃないが味わえないような山道
食後は上ってきた渓流を下り、そして今回最もきついダートの上りへと入っていく。獲得標高が600m超ということで、いくらランチで回復したといってもこれは少し身構えてしまう。
「ここから先はもうずっとダートなので、空気圧はもう下げちゃいましょう」とカズさんが参加者のスレートのタイヤから空気を少しずつ抜いていく。こういった細かい気配りはグラベルに不慣れな人にはうれしいものだ。
 
今回のコース、実は国有林道を多く含んでいる。それはつまり本来は立ち入ることのできない道。しかしそれはライドエクスペリエンスが自治体と掛け合うことで、この日のライドのために特別に開放してもらっているのだ。
そんな非日常が詰まった道はまさに日本の山と言えるように深く茂り、そこをスレートでがしがしと上っていく。けれどこれはレースでなく、あくまで楽しむためのライド。仙台から参加した千葉さんは「このライドに出る前に少し落車してしまって、他の人と一緒のペースで走れるか不安でしたけど、こうしたグループライドなので楽しめますね」。スレートに乗るのは初めてで「こういった本格的なダートコースで、ずっと気になっていたスレートの走りを体感できたのはうれしいです。」と話しつつ順調に上って行った。
 
サポートカーが倒木にひっかかってしまった!なぜかテンションの上がるカズさん。この後の一流の上りでの引きを見せてくれた
サポートカーが倒木にひっかかってしまった!なぜかテンションの上がるカズさん。この後の一流の上りでの引きを見せてくれた
ガレた下りでパンク発生。サポートの手ですぐにリカバリー
ガレた下りでパンク発生。サポートの手ですぐにリカバリー
高速でグラベルをダウンヒル。下界に降りてきた感覚がまた気持ちいい
高速でグラベルをダウンヒル。下界に降りてきた感覚がまた気持ちいい
ピークを越えて少しダウンヒルの後、もう一度上り返す。さあこれが最後の上りだ!と意気込んむと、カズさんから「ちょっとストップ!」との声が。サポートカーのハイエースが前日までの強風による倒木に引っかかってしまった。「これもトレイルに入ったら起こってしまうこと。やっぱこういったアドベンチャー感がないと面白くないですよね!」……どこまでも前向きなカズさんである。
倒木をクリアし、先行したメンバーに追いつくために「じゃあちょっと上りましょうか!」と僕の前を引き始める。ちょっとこれ、めっちゃ良いペースですね……いやちょっと速いっす……。元プロライダーのカズさんに置いて行かれまいとくっついていくが、この上りは僕がここのところ経験した中で最もきついクライムでした。

 
無事に皆が揃い、あとは下るだけ!と進んですぐに、突然「パン!」と破裂音が。どうやらコーナーの縁石で森重さんのタイヤがサイドカットしてしまったらしい。こんな山の中でサイドカットなんて、通常はかなり厳しい状況になりかねない。けれどライドエクスペリエンスのサポートカーが駆けつけて、カズさんの手でスムーズに修理を終えて、気を取り直してダウンヒルだ。
下り切った最後にもグラベルを高速で走る区間もあり、スレートの本領を発揮して走り切る。夕陽で色づき始めた棚田を横目に、無事にスタート地点にゴール。何とか皆でたどり着いて、集合写真をぱちり。
1日目から参加者の皆さんとともに、スレート遊びを満喫してしまった。しかし明日は何が待っている?
 

〜day2へつづく〜
 

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問い合わせ先

キャノンデール・ジャパン
http://ridecannondale.com