トピックス
スペシャライズド・新アレー試乗 フルモデルチェンジした入門機
2017.07.26
ターマックの基本設計を受け継ぐ万能系アルミロード
「新アレーを一言で言うと、エントリーモデルとして何でもできるバイクです」
スペシャライズド・ジャパンのSBCUプロフェッサー佐藤修平氏は、新アレーの特徴についてこう語った。佐藤氏はその理由について次のように説明する。
「かつてはロードのことをロードレーサーと呼んでいましたが、それはレース向けの機材だったから。今ではロードバイクという呼び方が一般的になっていますが、この変化はロードバイクでレース以外のさまざまな楽しみ方ができるようになったことを象徴しています。ロードレースやクリテリウムに挑戦したいという以外に、ロングツーリングに出かけたい、グラベルライドを楽しみたいというニーズにもロードバイクがこたえるようになっています。これらの全く方向性が違う楽しみ方を、新アレーはパーツアッセンブルを変えることで1台で対応できるのです」
新アレーは、このたびフルモデルチェンジを果たしたカーボンフレーム軽量レーシングモデル・Sワークスターマックと同様、コンパクトなリアトライアングルが特徴のフレーム形状を採用している。スペシャライズドが展開するフィッティングサービス・リトゥールのおよそ男女合わせて4万ポイント、数千人のデータから導き出された、多くの人にマッチするフレームサイズを展開するワイドレンジフィットジオメトリーを採用することで、幅広いポジションを許容し、今までのような男女別のモデルを展開しないのもターマックと同様だ。
とはいえ、アレーはターマックの基本設計を受け継ぎながら、ヘッドチューブを少し長くするなど、レースだけでなくより幅広い楽しみ方をカバーすることを目指しているという。
幅広い楽しみ方を許容するという設計思想は、フォークやシートステーにフェンダーを装着するためのダボが設けられていることにも象徴される。また、タイヤは700×28Cという太めのサイズまで対応し、ロングライドやグラベルライドを快適に楽しむことも視野に入れていることが分かる。
スペシャライズド・ジャパンのSBCUプロフェッサー佐藤修平氏は、新アレーの特徴についてこう語った。佐藤氏はその理由について次のように説明する。
「かつてはロードのことをロードレーサーと呼んでいましたが、それはレース向けの機材だったから。今ではロードバイクという呼び方が一般的になっていますが、この変化はロードバイクでレース以外のさまざまな楽しみ方ができるようになったことを象徴しています。ロードレースやクリテリウムに挑戦したいという以外に、ロングツーリングに出かけたい、グラベルライドを楽しみたいというニーズにもロードバイクがこたえるようになっています。これらの全く方向性が違う楽しみ方を、新アレーはパーツアッセンブルを変えることで1台で対応できるのです」
新アレーは、このたびフルモデルチェンジを果たしたカーボンフレーム軽量レーシングモデル・Sワークスターマックと同様、コンパクトなリアトライアングルが特徴のフレーム形状を採用している。スペシャライズドが展開するフィッティングサービス・リトゥールのおよそ男女合わせて4万ポイント、数千人のデータから導き出された、多くの人にマッチするフレームサイズを展開するワイドレンジフィットジオメトリーを採用することで、幅広いポジションを許容し、今までのような男女別のモデルを展開しないのもターマックと同様だ。
とはいえ、アレーはターマックの基本設計を受け継ぎながら、ヘッドチューブを少し長くするなど、レースだけでなくより幅広い楽しみ方をカバーすることを目指しているという。
幅広い楽しみ方を許容するという設計思想は、フォークやシートステーにフェンダーを装着するためのダボが設けられていることにも象徴される。また、タイヤは700×28Cという太めのサイズまで対応し、ロングライドやグラベルライドを快適に楽しむことも視野に入れていることが分かる。
軽さ、安定感、洗練度がもたらす新アレーの多様性
新アレーは、オーナーの志向によって幅広いシーンをカバーする多様性を持ったバイクである。佐藤氏によると、この多様性を構成するのは軽さ、安定感、洗練度の3要素だという。
軽さをもたらすものは、スペシャライズドのロード用アルミフレームの素材としてかつてSワークスにも使われていたE5アルミを使っていること。これにコラムまでカーボンでできたFACTカーボンフォークを組み合わせ、フレームセットで旧モデル比450gの軽量化を実現した。また、下ワン1.5インチのテーパードヘッドチューブを採用することにより、切れのよいハンドリングを実現し、軽快な走りを得ることにも成功している。
安定感をもたらすものとしては、フレームジオメトリーを変更し、フォークのトレール量を安定志向に変更したこと、28Cサイズの太めのタイヤを装着できるようになったことなどがある。
洗練度という部分では、溶接痕をキレイに処理したスムースウェルド工法による美しい外観、ここ数年で大きく変わった同社のグラフィックデザインの流れをくむ洗練されたグラフィックデザインを採用したことが挙げられる。
佐藤氏は次のように語る。
「近年のロードバイク界は、空力に優れ平坦が得意なエアロロード、軽くて上りを軽快にこなすオールラウンド系ロード、ロングライドをスムーズに速く走れるエンデュランスロードというように、細分化、専門化が進んでいます。新アレーはまずライダーありきで、バイクに多様性を持たせることで、さまざまなシーンをカバーできるようにしているのです」
軽さをもたらすものは、スペシャライズドのロード用アルミフレームの素材としてかつてSワークスにも使われていたE5アルミを使っていること。これにコラムまでカーボンでできたFACTカーボンフォークを組み合わせ、フレームセットで旧モデル比450gの軽量化を実現した。また、下ワン1.5インチのテーパードヘッドチューブを採用することにより、切れのよいハンドリングを実現し、軽快な走りを得ることにも成功している。
安定感をもたらすものとしては、フレームジオメトリーを変更し、フォークのトレール量を安定志向に変更したこと、28Cサイズの太めのタイヤを装着できるようになったことなどがある。
洗練度という部分では、溶接痕をキレイに処理したスムースウェルド工法による美しい外観、ここ数年で大きく変わった同社のグラフィックデザインの流れをくむ洗練されたグラフィックデザインを採用したことが挙げられる。
佐藤氏は次のように語る。
「近年のロードバイク界は、空力に優れ平坦が得意なエアロロード、軽くて上りを軽快にこなすオールラウンド系ロード、ロングライドをスムーズに速く走れるエンデュランスロードというように、細分化、専門化が進んでいます。新アレーはまずライダーありきで、バイクに多様性を持たせることで、さまざまなシーンをカバーできるようにしているのです」
アルミフレームであることのメリットを最大限に生かす
スペシャライズドは、アルミフレームをカーボンフレームの格下と位置づけるのではなく、アルミフレームならではの楽しみ方ができるバイクと位置づけている。
「現在、ロードのハイエンドモデルというとカーボンフレームがほとんど。軽さや剛性を高い次元で融合し、運動性能という面に関してはこれ以上ない素材だからです。しかし、カーボンフレームは扱いに繊細さを求められるので、ラフにデイリーライドしたり旅のツールとして使うには不向きです。その点、アレーは、カーボンフレームにはないアルミフレームらしい気軽につきあえるバイクです。ビギナーのファーストバイクにも最高です」
と佐藤氏。ターマックにはターマックの良さがあり、アレーにはアレーの良さがある。アレーは決してターマックの弟分や格下といった位置づけのモデルではなく、レース、ロングライド、デイリーユース、グラベルライドなど、幅広い乗り方をカバーする孤高のアルミロードなのだ。
「現在、ロードのハイエンドモデルというとカーボンフレームがほとんど。軽さや剛性を高い次元で融合し、運動性能という面に関してはこれ以上ない素材だからです。しかし、カーボンフレームは扱いに繊細さを求められるので、ラフにデイリーライドしたり旅のツールとして使うには不向きです。その点、アレーは、カーボンフレームにはないアルミフレームらしい気軽につきあえるバイクです。ビギナーのファーストバイクにも最高です」
と佐藤氏。ターマックにはターマックの良さがあり、アレーにはアレーの良さがある。アレーは決してターマックの弟分や格下といった位置づけのモデルではなく、レース、ロングライド、デイリーユース、グラベルライドなど、幅広い乗り方をカバーする孤高のアルミロードなのだ。
いざ試乗! 浅野「レーサーとしてのポテンシャルも感じる。パーツ次第で化けそう」
中島:気持ちよく進むようになった理由と言えば、リアトライアングルがコンパクトになったのは大きいでしょうね。シートステーのシートチューブ側の接合部がトップチューブより下にオフセットされているフレームデザインは、新ターマックと同様です。
浅野:トライアングルは小さくなっているのに、路面からの突き上げもアルミフレームにしてはマイルドに感じました。リアトライアングルの適度な剛性と乗り心地の良さをうまく両立したな、と。これはシートステーが細身になっているのが効いているような気がします。
中島:乗り心地とか乗り味という部分は、少し以前の硬いアルミフレームを想像するとちょっと印象が違うかもしれないですね。
浅野:アレーってフレーム素材がかつてSワークスE5に使われていたE5アルミなんですよね。当時ロードの世界チャンピオンだったマリオ・チポッリーニが駆っていたハイエンドモデルと同素材のフレームがこの値段で手に入るなんて、隔世の感がありますね。
中島:E5アルミって、ベースが6000番台アルミ合金なんですが、適度なしなりとためが感じられて、ペダリング時に踏んだ感触がガチガチすぎずちょうどよいと思いました。
浅野:「アルミフレーム=乗り心地も踏みごたえも硬い」というのは定説のように言われていますが、確かに一部の剛性重視のレーシングカーボンロードのように脚に来る感じは少なかった気がします。BBまわりの剛性が適度なのもあるかもしれませんね。BBといえば、スレッド式BBなのも個人的には◎。圧入式BBにありがちな音鳴りの問題が起こりにくいのがいいですね。
中島「レーサーとは違うけれど、反応の良さは走りの気持ちよさは感じられる」
浅野:僕はヘッドチューブが長めなのが気になりました。レーシング色の濃いアレースプリントと比べると、54サイズでヘッドチューブが15mm長いんです。ハンドルの低いアグレッシブなポジションで乗りたい人には、ポジションが制約される可能性がありますね。
中島:まあ、そこはターマックやアレースプリントのようなピュアレーサーとの棲み分けでしょうね。アレーにはフェンダーやラックを付けるためのダボも付いているし、レース志向に限らず幅広いサイクリストをターゲットにしているんでしょう。
浅野:個人的には新アレーにレーサーとしての高いポテンシャルも感じています。先代モデルに比べて重量も軽くなっているし、上りもこのクラスのマシンとしては軽快に走りますし、下りのハンドリングも、加速性能もいいと思います。ホイールを変えるだけでも結構印象が変わりそうだなと思いました。
中島:僕の総評としては、レーサーっぽい良さとは少し違うけれど、反応の良さやロードバイクならではの気持ちよさは感じました。街乗りで使うなら、派手めのカラーをあえて選んで、合わせるパーツやウエアとのカラーコーディネートで遊ぶのもありかなと思います。