トピックス

キャニオン初のカーボンCXバイク インフライトCF SLX登場!

650Bホイールを採用した3XSサイズまでラインナップする新型シクロクロス誕生。2年半の開発期間を経て、シンプルかつ奇抜なデザインのキャニオンの意欲作が
シクロクロスの本場ベルギー・フランドル地方の著名なサーキットで発表された。

 
text&photo:辻 啓

サイズごとの合理的な設計

世界三大シクロクロスシリーズであるスーパープレスティージュの一戦が開催されるベルギー・ゾンホーフェンのコースにて、キャニオンの奇抜なシクロクロスバイクが発表された。
「世界トップレースで戦うバイクを作る」をコンセプトに誕生したキャニオン初のカーボンシクロクロスバイクは、何よりもその屈曲したトップチューブが特徴的。これによりトップチューブの位置が上がり、前三角の拡大によって担ぎやすさがアップ。同時に振動吸収につながるシートステーの延長も実現している。
 
上部からの水の浸入や泥の付着を防ぐため、シートクランプはフレーム前三角の内側に配置。シートポストの延長にもつながっている
上部からの水の浸入や泥の付着を防ぐため、シートクランプはフレーム前三角の内側に配置。シートポストの延長にもつながっている
チェーンリングがシングルのモデルはシンプルなチェーンキャッチャーを装備。泥が付着する可能性のあるパーツは極力減らされている
チェーンリングがシングルのモデルはシンプルなチェーンキャッチャーを装備。泥が付着する可能性のあるパーツは極力減らされている
ローター径はサイズに応じて調整。XS以下のサイズは前後とも140mmで、SからLは前160・後 140mm、XL以上は前 後160mmとなる
ローター径はサイズに応じて調整。XS以下のサイズは前後とも140mmで、SからLは前160・後 140mm、XL以上は前 後160mmとなる
ラインナップはディスクブレーキモデルのみで、シンプルなデザインのステム一体型ハンドルは共通。38mm幅のタイヤまで対応する大きなタイヤクリアランスと、装着物を極限まで減らしたデザインによって泥の付着を大幅に低減している。シクロクロスならではの衝撃テストが繰り返されたフレームはMサイズで重量940gと軽量だ。

ローター径やクランク長、ステム長、ハンドル幅だけではなく、ホイール径も同様にフレームサイズに最適化。小さな3XSと2XSには650 Bのホイールが採用されている。ホイールの小径化の恩恵として余裕のあるジオメトリーが可能となり、大きなサイズと同じ味付けのハンドリングを実現している。トップチームへの供給も予定されているニューカマーが伝統のシクロクロス界に挑む。
 
ステム一体型ハンドル、大き なタイヤクリアランスを持つフォークなど、すっきりとしたデザインのバイク前景。ケーブル類も可能な限り内装されている
ステム一体型ハンドル、大き なタイヤクリアランスを持つフォークなど、すっきりとしたデザインのバイク前景。ケーブル類も可能な限り内装されている
38mm幅のタイヤ(写真は33mm 幅)まで対応可能な大きなクリアランスを持つリヤバック。細身のシートステーは快適性の向上にも一役買っている
38mm幅のタイヤ(写真は33mm 幅)まで対応可能な大きなクリアランスを持つリヤバック。細身のシートステーは快適性の向上にも一役買っている
並べると見た目に大きな差の出る700 Cと650B。しかしそれはサイズごとに最適化した設計であり、バランスの良さはロードバイクで実証済
並べると見た目に大きな差の出る700 Cと650B。しかしそれはサイズごとに最適化した設計であり、バランスの良さはロードバイクで実証済

開発者インタビュー「ホイール径を小さくするのは自然な判断だった 」

何十年も変化がなかったシクロクロス界が、アメリカやイギリス、日本などの盛り上がりで息を吹き返した。世界的にシクロクロスの盛り上がりを受け、2年前にプロジェクトがスタート。キャニオンにはすでにアルミ製のインフライトがラインナップにありましたが、世界のトップシーンで闘うための戦闘力が足りなかった。ラインナップの穴を埋めるためのプロジェクトが動き出したのは自然な流れで、伝統に切り込むために先進的なバイクを作り出す必要がありました。
 
自身も熱心なサイクリストであるエンジニアとデザイナーという強力なチームで作り上げたバイクです。小さいサイズにも同じ味付けをするために、ホイールS径を小さくするのは自然な判断でした。自信をもって世に送り出すバイクなので、もちろんトップレースで闘ってこそ意味がある。詳細は明かせないものの、シクロクロスのトップシーンへの挑戦も予定しています。

ライダー・辻啓氏によるインプレッション!「650Bが実現した自然なハンドリング 」

手に持って軽く、シンプルで、走り出して軽快。そんな第一印象の新しいカーボンバイク。独特のトップチューブを持つ前三角の恩恵として、まっすぐ立って手を伸ばせば、かがむことなくトップチューブに手が届き、担ぐ際にもスムーズに肩が収まる。ハンドリングはレースバイクらしいキレのあるものだが、ダイナミックな砂の下りでは実に安定してコントローラブルだった。
アルミ製の従来のインフライトよりもリヤはしなやかで、悪路でトラクションを伝えやすい印象。装着されているシュワルベのチューブレスレディタイヤとのバランスも良く、低圧まで対応してくれるので万能に使用できる。
身長170cmの自分は700CのXSと650Bの2XSに試乗。2XSは今までのスモールサイズにありがちな「ホイールに振り回されている感」が皆無で、上のサイズと同様にキレがあって取り回しが良い。コーナーが連続するシクロクロスでは、小径を生かした小気味良い加速感が有利になるシーンも多いはず。もちろん、小さくても前三角の内側が広い(ヘッドチューブはXSより長い)ため担ぎやすさは変わらなかった。
 

辻 啓
国内外のロードレースとシクロクロスを撮影するフォトグラファー。国内ではC2カテゴリーを走る。 



 

Spec.

スラム・ライバル1完成車価格/未定
シマノ・アルテグラR8000ミックス完成車価格/未定
スラム・フォース1完成車価格/未定
フレームセット価格/未定

※スラム・ライバル1完成車の場合
フレーム●カーボンフォーク●カーボン  メインコンポ●スラム・ライバル1 ホイール●DTスイス・CRスプラインDB タイヤ●シュワルベ・Xワンチューブレスイージーハンドルバー&ステム●オリジナルステム一体型  シートポスト●オリジナルサドル●セライタリア・SLSサイズ●3XS、2XS、XS、S、M、L、XL、2XL  カラー●ライトニングイエロー、ステルス重量●8.1kg(Mサイズ、ペダルなし)

 

問い合わせ先

キャニオンジャパン
https://www.canyon.com/ja/