トピックス
ツール・ド・フランス2018 コース発表
2017.10.18
石畳、未舗装路、アルプ・デュエズ、そして最終日前日のパンチャー向きTT!見どころ満載の2018年コース
ツール・ド・フランスを主催するアモリー・スポール・オルガニザシオン(ASO)が、10月17日にパリのパレ・デ・コングレで来年のコース発表会を行い、第105回大会の全貌が明らかになった。
コース発表会には今年のツールで4勝目を上げ、来年は5勝目に挑む英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)や、総合3位になった地元フランスのロマン・バルデ(アージェードゥゼール ラモンディアル)、山岳王になったワレン・バルギル(チームサンウェブ)、そして9月のブエルタ・ア・エスパーニャが現役最後の公式レースになったスペインのアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)などが出席した。
来年のツールはロシアで開催されるサッカーのFIFAワールドカップの日程を考慮し、開幕が予定よりも1週間遅くなり、7月7日(土)にフランス西部ペイ・ド・ラ・ロワール地方からスタートする。時計回りでアルプス山脈、ピレネー山脈に挑み、3週間、21ステージの総距離は3329km。7月29日(日)に例年通りパリのシャンゼリゼ大通りで閉幕する。
21ステージの内訳は、平坦区間が8、丘越え区間が5、山岳区間が6で、そのうち頂上ゴールは第11ステージ、第12ステージ、第17ステージの3区間だけで、今年のコースと変わらない。加えてチームタイムトライアルと個人タイムトライアルがそれぞれ1区間ある。
カテゴリー2以上の上りは25箇所あり、11箇所がアルプス山脈、4箇所が中央山塊、10箇所がピレネー山脈。カテゴリー2以上の上りの総数は今年よりも2箇所多く、昨年よりは3箇所少ない。
国際自転車競技連合(UCI)の新ルールにより、来年からグランツールは参加選手の上限が176人になるため、ツールも参加22チームの1チームの選手数は9人から8人に減る。ボーナスタイムは来年も設定され、タイムトライアルを除いたステージのゴールで1位10秒、2位6秒、3位4秒が与えられる。
第105回大会は、第16ステージの終盤に一部スペインに越境するのを除けば、全てフランス国内を走るコースになっている。グランデパール(開幕地)となるフランス西部のペイ・ド・ラ・ロワール地方では、干潟のパサージュ・ド・ゴワはコースに含まれないが、100km以上海岸線を走り続け、風との闘いになるはずだ。
それでも最初のマイヨ・ジョーヌに袖を通すのはスプリンターになるだろうが、第3ステージで競われる35kmのチームタイムトライアルは、総合成績で最初のタイム差が付くステージになる。
フランス北西部のブルターニュ地方では、激坂として有名なミュール・ド・ブルターニュが第6ステージのゴールになるだけでなく、『ブルターニュのアルデンヌ・クラシック』と名付けられた丘越え区間の第5ステージもある。
最初の休養日前日の2度目の日曜日には、『北の地獄』の異名を持つクラシックの最高峰、パリ〜ルーベで使われる北フランスの石畳の悪路を15箇所、総距離21.7kmを走る第9ステージが設定された。天候次第では、このステージが総合争いに影響を与える可能性もある。
最初の休養日に北フランスのルーベから空路でいっきにアルプスのふもとの町アヌシーまで移動し、2週目はアルプス山脈で厳しい3連戦が競われる。初日の第10ステージは頂上ゴールではないが、4つの峠を越え、2つ目のプラトー・デ・グリエール峠は頂上までの最後の2kmが未舗装路の砂利道だ。
そしてアルプス2日目の第11ステージはラ・ロジエールの頂上ゴール、最終日の第12ステージにはアルプ・デュエズの頂上ゴールが設定された。
フランス南部のカルカッソンヌで2度目の休養日を過ごした後、最終週はピレネー山脈での闘いになる。サン・ラリー・スランのコル・ド・ポルテ山頂にゴールする第17ステージは、距離がたった65kmで、コル・ド・ポルテ山の前には2箇所の峠を越えなければならない。
1日のスプリンターステージを挟んだ後に競われるピレネー最終区間の第19ステージは、アスパン峠、ツールマレー峠、スロール峠、オービスク峠と言った伝統的なピレネーの山々を越える。
そしてその翌日には、来年のツールの勝者を決することになるであろう31kmの個人タイムトライアルがフレンチ・バスクの地で競われる。ツールがフレンチ・バスクを訪れるのは2006年以来だ。バスクと言うからにはコースは平坦ではなく起伏に富み、終盤には全長900メートルで平均勾配10.2%のコート・ド・ピノディエタを越えなければならない。
パリに到着する最終日の前日に競われるこの個人タイムトライアルが、来年は唯一の個人タイムトライアルになる。ASOの総合ディレクターであるクリスティアン・プリュドムは、このコースはパンチャータイプの選手に向いていると説明している。
果たしてそれがフルームに向いているのか、それとも個人タイムトライアルが不得意なフランスの英雄バルデに向いているのか。その答えを知るのが待ち遠しい。
ツール・ド・フランス2018 全日程
7月7日(土) 第1ステージ ノワールムティエ・アン・リル〜フォントネ・ル・コント 189km
7月8日(日) 第2ステージ ムイユロン・サン・ジェルマン〜ラ・ロッシュ・シュル・ヨン 183km
7月9日(月) 第3ステージ ショレ〜ショレ 35km (チームTT)
7月10日(火) 第4ステージ ラ・ボール〜サルゾー 192km
7月11日(水) 第5ステージ ロリアン〜カンペール 203km ▲
7月12日(木) 第6ステージ ブレスト〜ミュール・ド・ブルターニュ 181km ▲
7月13日(金) 第7ステージ フジェール〜シャルトル 231km
7月14日(土) 第8ステージ ドルー〜アミアン 181km
7月15日(日) 第9ステージ アラス〜ルーベ 154km ■■■
7月16日(月) 休養日(アヌシー)
7月17日(火) 第10ステージ アヌシー〜ル・グラン・ボルナン 159km ▲▲▲
7月18日(水) 第11ステージ アルベールビル〜ラ・ロジエール 108km ▲▲△
7月19日(木) 第12ステージ ブール・サン・モーリス〜アルプ・デュエズ 175km ▲▲▲△
7月20日(金) 第13ステージ ブール・ドワザン〜バランス 169km
7月21日(土) 第14ステージ サン・ポール・トロワ・シャトー〜マンド 187km ▲
7月22日(日) 第15ステージ ミヨー〜カルカッソンヌ 181km
7月23日(月) 休養日(カルカッソンヌ)
7月24日(火) 第16ステージ カルカッソンヌ〜バニエール・ド・リュション 218km ▲▲▲
7月25日(水) 第17ステージ バニエール・ド・リュション〜サン・ラリー・スラン(コル・ド・ポルテ) 65km ▲▲△
7月26日(木) 第18ステージ トリ・シュル・バイズ〜ポー 172km
7月27日(金) 第19ステージ ルルド〜ラランス 200km ▲▲▲▲
7月28日(土) 第20ステージ サン・ペ・シュル・ニベル〜エスプレット 31km (個人TT) ▲
7月29日(日) 第21ステージ ウイユ〜パリ・シャンゼリゼ 115km
[総距離:3329km]
7月8日(日) 第2ステージ ムイユロン・サン・ジェルマン〜ラ・ロッシュ・シュル・ヨン 183km
7月9日(月) 第3ステージ ショレ〜ショレ 35km (チームTT)
7月10日(火) 第4ステージ ラ・ボール〜サルゾー 192km
7月11日(水) 第5ステージ ロリアン〜カンペール 203km ▲
7月12日(木) 第6ステージ ブレスト〜ミュール・ド・ブルターニュ 181km ▲
7月13日(金) 第7ステージ フジェール〜シャルトル 231km
7月14日(土) 第8ステージ ドルー〜アミアン 181km
7月15日(日) 第9ステージ アラス〜ルーベ 154km ■■■
7月16日(月) 休養日(アヌシー)
7月17日(火) 第10ステージ アヌシー〜ル・グラン・ボルナン 159km ▲▲▲
7月18日(水) 第11ステージ アルベールビル〜ラ・ロジエール 108km ▲▲△
7月19日(木) 第12ステージ ブール・サン・モーリス〜アルプ・デュエズ 175km ▲▲▲△
7月20日(金) 第13ステージ ブール・ドワザン〜バランス 169km
7月21日(土) 第14ステージ サン・ポール・トロワ・シャトー〜マンド 187km ▲
7月22日(日) 第15ステージ ミヨー〜カルカッソンヌ 181km
7月23日(月) 休養日(カルカッソンヌ)
7月24日(火) 第16ステージ カルカッソンヌ〜バニエール・ド・リュション 218km ▲▲▲
7月25日(水) 第17ステージ バニエール・ド・リュション〜サン・ラリー・スラン(コル・ド・ポルテ) 65km ▲▲△
7月26日(木) 第18ステージ トリ・シュル・バイズ〜ポー 172km
7月27日(金) 第19ステージ ルルド〜ラランス 200km ▲▲▲▲
7月28日(土) 第20ステージ サン・ペ・シュル・ニベル〜エスプレット 31km (個人TT) ▲
7月29日(日) 第21ステージ ウイユ〜パリ・シャンゼリゼ 115km
[総距離:3329km]
過去10年の優勝者
2016 クリストファー・フルーム(英国)
2015 クリストファー・フルーム(英国)
2014 ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア)
2013 クリストファー・フルーム(英国)
2012 ブラッドリー・ウィギンス(英国)
2011 カデル・エヴァンス(オーストラリア)
2010 アンディ・シュレク(ルクセンブルク)*繰り上げ優勝
2009 アルベルト・コンタドール(スペイン)
2008 カルロス・サストレ(スペイン)
(http://www.letour.fr/en/)