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CYCLE SPORTS.jpが選ぶ 2017年10大ニュース・プロダクツ編
2017.12.31
デュラエースに続いてアルテグラも
R9100系デュラエースの発売に続いて、今年はセカンドグレードのアルテグラが新型R8000系に進化した。
デュラエースと同じく、機械式変速と電動Di2。リムブレーキ(ノーマルキャリパー、ダイレクトマウント)と、ディスクブレーキがそろう。基本的な仕様はデュラエースを踏襲しているが、リヤディレーラーとディスクブレーキローターに大きな違いがある。
リヤディレーラーは、デュラエースでは、プーリーケージにミドルケージを採用することで、1モデルですべてのリアスプロケット歯数に対応したが、アルテグラでは11-25Tと11-30Tに対応するSSモデル(トータルキャパシティー35T)と、11-28Tと11-34Tに対応するGSモデル(トータルキャパシティー39T)の2つが用意される。
ディスクブレーキローターは、冷却性能に重きをおいたデュラエースの設計を踏襲しておりキャリパー、ローターともに冷却フィンが目立つ。
デュラエースではローター内側の放熱フィンが黒色なのに対して、アルテグラはアルミ地そのままのシルバーだ。デュラエースもアルテグラも、ローターの構造はほぼ同じだが、デュラエースの放熱フィンには、より冷却性能を高めるための塗料が塗られている。そのため黒色なのだ。
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FSA・KフォースWE、ローター・ウノ発売
シマノ、カンパニョーロのコンポーネント2大メーカーがロードバイク界を席巻していたところに、2005年スラムが参入。そして現在はFSAとローターがそこに加わった。これほどコンポーネントの選択肢がある年はそうない。
FSAは、コントロールレバーと、変速機の間がワイヤレスになっている「セミワイヤレス」方式を採用。ステム回りでシフトケーブルが不要になるので、すっきりとした構造になる。2016年に発表されたKフォースWEに、今年はディスクブレーキモデルと、TTバイク用のコンポーネントが追加された。
これでグランツールも闘えるグループセットになったといえる。
そして、超個性的なコンポーネントがローター・ウノだ。さすが、楕円チェーンリングの草分けである同社がつくるコンポーネント。ブレーキのみならず、シフト操作も油圧で行う。ディスクブレーキロード用コンポーネントで最軽量というのもトピックだ。
デュラエースDi2ディスク仕様発売
デュラエースは、昨年のリムブレーキモデルリリーズに続いて、今年はディスクブレーキモデルが発売された。熱対策として、ブレーキローターの内側には大きな放熱フィンを備え、放熱性能を上げるための黒色の塗料が塗られている。
特筆すべきは、Di2のコントロールレバーだ。スラム、カンパニョーロの電動変速油圧ディスクブレーキモデルは、コントロールレバー先端にリザーバータンクを内蔵しているため、リムブレーキモデルに比べるとやや大ぶりになっているのに対して、デュラエースDi2油圧ディスクブレーキ用のコントロールレバーは、リムブレーキ用Di2コントロールレバーとそん色ないサイズ感に仕上がっている。
これはアルテグラのDi2油圧ディスクブレーキモデルでも踏襲されている点も見逃せない。
eバイク、ボッシュが日本市場に参入。ヤマハ新機種発表
2017年に登場した新製品情報の中で「eバイク」というワードはもう見慣れてきたもののひとつかもしれない。
電動アシストユニット付きスポーツサイクルことeバイク。2016年にヤマハの電動ロードバイクである「YPJ-R」が発表されたことで一躍注目を集めたが、まだ海外での大きな人気に比べると国内での盛り上がりは大きくはなかった。
しかし2017年では、eバイクの核と言えるアシストユニットを供給している大手メーカー各社が続々と国内に向けたモデルの供給を発表。
言わずと知れたシマノやヤマハ、パナソニックが海外で流通するユニットを国内向けに供給するだけでなく、海外において現在圧倒的なシェアを持つボッシュも国内に参入することで、2018年に発売されるモデルが大幅に拡充されることとなる。
これまでのスポーツサイクルの延長線上にあるeバイクは、現在すでに自転車を趣味として走っている人たちにとって、通勤や通学など日常生活から週末のスポーツまでをより気軽に楽しめるようになる。
そしてこれまでサイクリングになじみがなかった人や、年齢を重ねても自転車趣味を楽しみ続けたいという世代にとっては非常に歓迎される可能性があり、ユーザーだけでなくサプライヤー側から大きな期待を寄せられつつある。
年内に開催された大規模イベントでは、発表された各eバイクの試乗コーナーでその性能に驚きの声を上げる人が多く、まだまだその乗り心地を未体験の人も多いことが分かる。
しかし徐々に日本各地で、eバイクを使った観光地のサイクリングツアーやeMTBでのレースなど、様々なアクティビティが始まりつつある。
2018年は、各ブランドより流通が始まることで、より多くの一般ユーザーが実際に体感し、自身のサイクルライフに取り込んでいくようになるだろう。
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各社のラインナップにディスクロードがそろうが、日本市場からは賛否
ディスクブレーキがロードバイクに搭載され、レースでも使用されるようになってきたが、依然として懐疑的な意見が多い。
製品の必要性を感じてから買えばいいものであるのは間違いない。
メーカーもこれからどんどんとディスクブレーキロードを”鍛えていく”時期にある。開発力の差が明らかになるだろう。
新しいものはいつだって向かい風があるものだ。ディスクブレーキロードのシェアが100%になることはないだろうが、確実に広がっていくのは間違いない。ユーザーの心理動向に加えて、販売店の意識が変わることも必要だろう。
GPS搭載サイクルコンピュータが多数 ガーミン、レザイン、エクスプローバ、ワフー
GPS搭載、パワーメーターとの連携などサイクルコンピュータは高機能化が当たり前になった。ガーミンが切り開いたこの市場では、ライバルがいくつも出現。価格競争、付加機能による差別化に各社がしのぎを削っている。
リーディングカンパニーのガーミンは最上位機種のエッジ・1030を発表。単体での機能はもちろん、同社のライトやパワーメーターと連携し、まるでコンポーネントのようになることで、ユーザーの利便性を高めた。
アクセサリーブランドのレザインは、GPSセンサーとANT+、ブルートゥースを搭載して1万円台という低価格モデルを発表。小型軽量、モノクロディスプレイと簡素化し、価格を抑えた。
エクスプローバは、PCメーカー「acer(エイサー)」製。GPSやANT+に加えて、本体前面にカメラを搭載している。
オーダージャージ群雄割拠
国内のサイクルジャージは、オーダーが活況だ。パールイズミ、ウェーブワン、ビオレーサー、バレット、スポーツキッド、チャンピオンシステムとメーカーが多数ある。各社が価格や最低ロッド数、納期にしのぎを削る。
自社でテンプレートを用意して、その中から組み合わせでジャージを作ることができるセミオーダーシステムを用意しているブランドも。
そして、オーダーではないが数量限定のデザインジャージが多数リリースされたのも印象的だった。ゲームやアニメ、企業の製品、映画などとコラボしたデザインのジャージが1年を通してリリースされた。
高機能室内トレーナーが充実
インドアトレーナーのなかでも、自動で負荷調整が可能なモデルや、普及してきたオンラインサービス「ズイフト」に対応するモデルとして、スマートトレーナーが多数発売された。価格は7万円~と高価ではあるが、天候に左右されずに楽しめることや、パワートレーニングのメニューをこなすのに便利なアイテムとして人気を伸ばした。
■サイクルトレーナーとサプリでより効果的に!オフトレーニングを楽しみ尽くせ!
ピレリが自転車タイヤリリース! ハッチンソン、パナレーサーもハイエンドに新製品
F1にもタイヤを供給している、自動車用タイヤメーカー「ピレリ」が自転車用タイヤ市場に参入。大きな反響を呼んだ。
また、ハッチンソンはトップグレードのフュージョンシリーズを「5」に進化させている。どんな天候においても最大のグリップ力を持つとともに、速さに直結する「転がり抵抗」を持つ、「イレブンストーム」と名付けられたコンパウンドを採用している。
新コンパウンド、新設計を導入することで耐貫通パンクに威力を発揮するPro Tite Beltを採用しながら、同社最軽量を実現した『使える』軽量ロードタイヤ「GILLAR(ジラー)」を発表した。
手軽なウエアラブルデバイスが伸びた
ウエラブルデバイスは、自転車専用のアイテムではない。自転車はもちろん、ランやスイムなどアクティビティーを横断的に使用できる。もしくはすべてのシーンで活用できる機能を持っている。ANT+、ブルートゥースによってパワーメーターなど周辺機器と連携でき、アプリでトレーニングデータが管理できる点も見逃せない。