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「えひめオレンジサイクリング」が3月開催! 女子ふたりがロードバイクでゆるっと旅してみた

愛媛県にて本年3月に開催される「えひめオレンジサイクリング」。柑橘類ありご当地グルメあり、絶景ありの旅へ出かけたのは、本誌ライター大城と「ノッてる!ガールズEHIME」のメンバー大川由生子さん。

ロードバイクでゆるりとかんきつ王国を巡る、ちょっぴり甘酸っぱい旅の記録をお届けする。

 
text:大城実結 photo:愛媛県、大城実結

今年初開催! えひめオレンジサイクリングって?

本年3月の週末(3月3日、4日、10日、11日、17日、18日)6日間、初開催となる「えひめオレンジサイクリング」は、愛媛県のしまなみ海道をはじめとする4海道を舞台に駆け巡るラリー型イベントだ。エリア内に点在する柑橘スポットを訪問し、スマートフォンアプリ「いまどこ+」、または各施設に備えつけの応募券つきパンフレットにてスタンプをゲット。

スタンプの獲得数に応じて、豪華柑橘賞品が当たる抽選に応募することができる。訪れるスポットや走るルートは自由。参加費も無料となっており、どんなサイクリストでも気軽にエントリーすることができるイベントとなっている。

http://ehime-yumeguri.jp/orange_cycling/

……と、小難しく説明をしたが、要は「旬の柑橘類やご当地グルメを食べ、瀬戸内の絶景を自由気ままに疾走する」という夢のような企画。一般のサイクリングイベントのように事前エントリーなど予め準備する必要もないため、誰でも気兼ねなく参加することができるのだ。そんなイベントへ一足先にライター大城が参戦。ノッてる!ガールズEHIMEの大川由生子さん(以下、ユイコさん)とゆるり瀬戸内の旅へ出かけた。
 

柑橘とともに海岸線を『はまかぜ海道』

穏やかな瀬戸内の海を眺めながら、島影を追って疾走。東京から飛行機で1時間半。圧倒的な心地よさに感無量だ
穏やかな瀬戸内の海を眺めながら、島影を追って疾走。東京から飛行機で1時間半。圧倒的な心地よさに感無量だ
空港内にあるサイクリスト向け更衣室へ入る大城。ちなみにオレンジサイクリングを心待ちにするあまり、サコッシュ(写真下)を自作してしまう
空港内にあるサイクリスト向け更衣室へ入る大城。ちなみにオレンジサイクリングを心待ちにするあまり、サコッシュ(写真下)を自作してしまう
蛇口みかんジュースとともに出迎えてくれたのはノッてる!ガールズEHIMEのユイコさん。出会った瞬間、彼女の笑顔に胸がトキメイたのは言うまでもない
蛇口みかんジュースとともに出迎えてくれたのはノッてる!ガールズEHIMEのユイコさん。出会った瞬間、彼女の笑顔に胸がトキメイたのは言うまでもない
初日は松山空港へ到着後、松山~今治間を結ぶ『はまかぜ海道』でダイナミックな海岸線をとことん走ろうというプラン。全行程55km、ほぼフラットなコースとなっている。そのうち回る予定の柑橘スポットは2箇所だ。

1日目のルート詳細:https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=dcae2b0e57db409d9698055f1f736210

到着したのは松山空港。搭乗口に降り立った瞬間から、お遍路的おもてなしに感動が止まらない。サイクリスト向け更衣室や輪行袋預かりサービス、工具貸出など大歓迎ムードに包み込まれた。さらに巷で都市伝説と化していた「みかんジュース蛇口」もお出迎え。もちろんここも柑橘スポットなのでスタンプ取得をお忘れなく。
 
「ツクモハーバーテラス」ではご当地柑橘類を使用したオリジナルドリンクを味わえる。写真は「しまレモンスカッシュ」
「ツクモハーバーテラス」ではご当地柑橘類を使用したオリジナルドリンクを味わえる。写真は「しまレモンスカッシュ」
美しい瀬戸内海を横目に、爽やかな潮風を感じて走るフラットなコース『はまかぜ海道』を走りながら、地元えひめっ子ユイコさんに愛媛の魅力を存分に教えてもらう大城。

「気候も温暖だし、美味しい柑橘もたくさんあって……とってもいい場所なんですよ!」

そう笑顔で告げるユイコさんの笑顔に癒やされながら、ゆるっとサイクリストの道しるべ”ブルーライン”を進む。空港から約9km先にある松山観光港内「ツクモハーバーテラス」も柑橘スポットのひとつ。柑橘ドリンクほか、地元産の食材を使用したカレーや丼を、静かな瀬戸内海の眺望をとともにいただいた。
 
さらに先に進むと、旬の柑橘で染まる「道の駅 風早の郷 風和里」に到着。年間を通じて約40種類にもなる柑橘類を取り扱うという道の駅は、柑橘好きにとっては夢のようなスポットだ。数種類を買い込み、急遽「利き柑橘会」をはじめる私たち。

「私のオススメはこの甘平(かんぺい)って柑橘なんですけど、ぜひ食べてみてください!」

勧められるまま甘平を一口ぱくり。途端に口いっぱいにゼリーのような柔らかな食感とフレッシュな甘酸っぱさが広がった。おそるべし愛媛、かんきつ王国の名も伊達じゃない!
 
オレンジ一色に染まる「道の駅 風早の郷 風和里」
オレンジ一色に染まる「道の駅 風早の郷 風和里」
数種類の柑橘を購入し、お楽しみの利き柑橘会を開催
数種類の柑橘を購入し、お楽しみの利き柑橘会を開催
その後、無事に今治港へ到着。この日はそのまま高速船に乗り弓削島(ゆげじま)へ渡る。暮れゆく太陽を眺めながら波に揺られつつ、穏やかに1日目が終了した。
 

旬に染まる瀬戸内の島々を巡る

弓削島と生名島を結ぶ弓削大橋を快走。まさに「爽快!」の一言
弓削島と生名島を結ぶ弓削大橋を快走。まさに「爽快!」の一言
突き抜けるような朝日が2日目のはじまりを彩った
突き抜けるような朝日が2日目のはじまりを彩った
ダイナミックなタンカー造船所の脇を走る。海と島が密接に関わり合っているのも瀬戸内の象徴的な風景だ
ダイナミックなタンカー造船所の脇を走る。海と島が密接に関わり合っているのも瀬戸内の象徴的な風景だ
2日目は弓削島・佐島・生名島の3島を結ぶ『ゆめしま海道』をメインに、橋と船で結ばれた島々の旅へ。最終的に今治まで戻り電車移動で松山に帰る予定だ。柑橘スポット3箇所の攻略を目標に、この日も女子ふたりはのほほんとペダルを漕ぎ出した。全行程47km、橋梁へのアップダウンが多少ある絶景コースだ。


2日目のルート詳細
https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=2587b1065dd9b41583c4431149ae4748

https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=53058f937520f254c8e1ce584ac7650c

https://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=89f80060be1d3fc49c9dc41e6ada706c



瀬戸内の島々のじてんしゃ旅と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは『しまなみ海道』かもしれないが、今注目したいのは上島町の3島を結ぶ『ゆめしま海道』。実はこの海道はまだ未完成で、2021年に開通する岩城橋で4島が陸続きとなり完成となる。しかも『しまなみ海道』の生口島(いくちじま)からフェリーで5分という至近なのだ。そんな3年後のブームが約束されている『ゆめしま海道』へ先乗りした。
 
岩城島の食堂「レモンハート(チェックポイント)」でレモンポーク丼を。柔らかな肉質が特徴のポークに、レモンを一絞りするのがポイント。本当に旨かった…!
岩城島の食堂「レモンハート(チェックポイント)」でレモンポーク丼を。柔らかな肉質が特徴のポークに、レモンを一絞りするのがポイント。本当に旨かった…!
各道の駅では柑橘スイーツもずらり。補給食にもピッタリなものも多数あり、どれを食べようか嬉しい悲鳴をあげてしまう
各道の駅では柑橘スイーツもずらり。補給食にもピッタリなものも多数あり、どれを食べようか嬉しい悲鳴をあげてしまう
「今日は本当にサイクリング日和ですよね!」

笑顔のユイコさんとこの日もまったりペダルを漕ぐ。島々を繋ぐ橋の上から雄大な絶景に歓声を上げ、気ままにゆるりと女子旅が続いた。そんな私たちが辿り着いたのは”青いレモンの島”として知られる岩城島(いわぎじま)。採れたてで新鮮なレモンを使用し名産品やスイーツに終始ヨダレが垂れる大城だった。

中でも岩城島名物・レモンポークは必食だ。決してレモン味の豚肉ということではないのでご注意を。レモンをまぜんこんだ飼料を食べて育ったレモンポークは、柔らかで甘みのある脂が特徴。島内の食堂「レモンハート」のレモンポーク丼は、ジューシーな肉と甘めのタレにどんどん箸が進むガッツリ飯。こちらも柑橘スポットなので、ちゃっかりスタンプも取得した。
 
さて岩城島から生口島に渡り、南下しながら島々を巡る。堂々たる多々羅(たたら)大橋を眺めながら「道の駅 多々羅しまなみ公園」(もちろん柑橘スポット!)第2回利きみかん会を開催。

「わかった! 私が好きなのは天草(清見とみかんとベージを交配した品種)だ!」
「いいですね、わかります。私はこのはれひめ(清見とオセラとみかんを交配した品種)も美味しいなって思いました」

と、昨日よりも確実にパワーアップした柑橘トークに花が咲く。
 
「こんな景色、素敵ですよね」ユイコさんも自慢・故郷の景色
「こんな景色、素敵ですよね」ユイコさんも自慢・故郷の景色
「友浦園芸(柑橘スポット)」では柑橘狩りを楽しむことも。園長のお母さんに教えてもらいながら、豊富な柑橘類を収穫した。その場で食べることも!
「友浦園芸(柑橘スポット)」では柑橘狩りを楽しむことも。園長のお母さんに教えてもらいながら、豊富な柑橘類を収穫した。その場で食べることも!
ユイコさんいわく、この時期のえひめの絶景は見逃せないのだとか。

「道のいたるところで柑橘類が色づいていて、空と海の青とのコントラストがとてもきれいなんです」

その話通り、サイクリングロード沿いの木々には鮮やかな柑橘類が。艶やかに色づいたその景色は、今だけしか見ることのできない何ものにも代えがたいものだった。
 
JR今治駅で実施中のレンタル輪行袋サービス。痒いところに手が届く配慮にここでも感動だ
JR今治駅で実施中のレンタル輪行袋サービス。痒いところに手が届く配慮にここでも感動だ
この2日間で巡ったチェックポイントは合計5箇所。「ユイコさんとの楽しい時間も終わってしまうなあ」とちょっぴり寂しい大城であった
この2日間で巡ったチェックポイントは合計5箇所。「ユイコさんとの楽しい時間も終わってしまうなあ」とちょっぴり寂しい大城であった
そうして今治駅へ戻った私たち。ここでもお遍路的おもてなしがここにも。今治、松山、宇和島のJR3駅ではレンタル輪行袋サービスを実施しており、手軽に利用することができる。気軽に最低限の荷物で最大限の楽しみ方を追求できる”サイクリストの聖地”とはこういうことか――

「自転車乗りにとっても、柑橘好きにとってもこんなにいい場所だったのね…。いっそのこと移住したいな……」

旅情に耽る大城が思わず漏らした一言。すかさずユイコさんが反応する。

「ぜひ! 待ってますよ!」

そんな優しい笑顔を向けられたら、きゅんとしちゃうじゃない…! 胸の中が甘酸っぱい気持ちで満たされながら、私たちのえひめオレンジサイクリングがゆっくりと幕を下ろした。
 
2日間で合計5つのスタンプを取得した私たち。あくまでも”ゆるっと”をモットーに走ったため、ルートの組み方によってもっと欲張ってスポットを巡ることも可能だ。ちなみに今回の一番の豪華な賞品は<特別賞・みかんの木オーナー権>! 

日本最高峰のみかんの産地・日の丸エリアの温州みかんの木を遠隔栽培する権利を得られるのだとか。サイクリング後も余韻が続く注目のサイクリングイベント。この春は旬のかんきつ王国を旅してみてはいかが?
 

問い合わせ先

えひめオレンジサイクリング
http://ehime-yumeguri.jp/orange_cycling/