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キャニオン新型グラベルロード「グレイル」登場!
2018.03.15
“聖杯”を求めるアドベンチャーの相棒に。保守的なキャニオンの大冒険
キャニオンは直販という先進的な方法をいち早く採用し、製品を販売しているが、対照的にそのものづくりは非常に保守的だ。しかし、グレイル最大の特徴であるハンドル「ホバー・バー」は、ロードバイクの歴史を塗り替えるような画期的なデザインを取り入れており、同社が初めて過激なアプローチを取ったように見える。
従来のドロップハンドルは、リラックスしたときに握る上ハン部分はステムに近いため硬く、スプリント時などに剛性の欲しい下ハン部分は逆に剛性を確保するのが難しいというジレンマがあったが、たった120gの追加で見事これを解消した。最初はハンドルバーの特異さに目を奪われるが、それも次第に違和感を感じなくなる。
バイクのスペックをじっくりチェックすると、同社のエンデュランスロードよりも40mm長く取られたホイールベースに目が行く。Mサイズでは従来の仮想ステム換算で75mmが採用されているが、これはリヤセンターもフロントセンターも延長された分、ハンドルの位置を合わせるために短く設定されている。現代のMTBがフロントセンターを伸ばし、ヘッドアングルを寝かせたうえで短いステムを採用し、ポジションのつじつまを合わせたのと同じコンセプトを取り入れたものだ。
ウエットなグラベルでも安心して下ることができ、舗装でも十分許容できる転がりの軽さを誇る。注目のホバー・バーは、下ハンを持った時の剛性が素晴らしく、ステムから左右に伸びたベースバーと下ハンの接合部に親指を引っかけることにより、自信を持って未舗装路を高速で下れる。
上ハン部分を持ったときにはサスペンションのような柔らかさは感じず、あくまでも衝撃のピークを取り除く程度の効果だが、確実に仕事はしている。何よりボトルを2本差しても9kg台前半を誇る軽さと、転がりの良いホイールとの組み合わせは、グラベルでも飛んでいくように上ることができ、荒れた路面でもロングホイールベースの恩恵でバイクの挙動はまったく不安を抱かせない。
7サイズと業界最多クラスのサイズ展開のうち、下2サイズは同社のシクロクロスバイクと同じく650Bサイズのホイールを採用しており、近年見直された650B規格の恩恵で体型にかかわらず完璧なフィッティングが可能で、幅広くタイヤを選ぶことができる。ここまで完璧な内容であればプライスタグに反映されるところだが、直販のキャニオンだけあってアルテグラDi2採用の最上位モデルが50万9000円(税抜)だ。聖杯探求のための相棒としてはリーズナブルだろう。
フレームはSLXとSLの2グレード。フレーム重量は830g (SLX)、1040g(SL)。ハンドルはホバー・バー(CP01グラベルカーボンコクピット)がどのグレードにも奢られる。大きなトピックであるハンドルのグレードダウンがないのは嬉しいポイントだ。
キャニオン進化の瞬間を開発者に聞く
Q:キャニオンは保守的なブランドだと考えていましたが、今回の革新的なアプローチに至った理由は?
A:去年発表したシクロクロスバイクは肩に担ぎやすいフレーム形状など、比較的以前からアイデアとしては存在していたものです。かつてグレッグ・レモンがロードレースで完全に新しいデザインのドロップハンドルを取り入れたような、エヴォリューション(進化)が必要だと思ったのです。
Q:シクロクロスバイクとの違いは?
A:インフライト CF SLXは無駄を削ぎ落としたレースバイクとしてデザインされましたが、グレイルはその逆を目指しています。バイクパッキングに対応させるため、トピークと共同でバッグを開発しており、バッグのストラップと擦れてカーボンの表面に傷が入らないよう、3M製の最新素材でフレームを保護するテープを開発しており、全てのグレイルに付属します。
Q:軽量なバイクを目指した理由は?
A:ベルジャン・ワッフルライドやダーティ・カンザのような200kmを超える長距離グラベルライドイベントでは、軽いバイクが有効です。グレイルCF SLXのフレーム重量は業界最軽量クラスの820gで、可動部を持つサスペンション機構なども採用せず、シンプルさを目指しました。
Q:人気のグラベルロード市場ですが、実際に欧州はどんな状況ですか?
A:米国での人気はもちろん、ヨーロッパでもそれは高まっています。どこまでも行ける自由なバイクというキャラクターは、MTB市場の初期の成功と同じ勢いがあります。
Q:とてもユニークな形状のハンドルバーですが、この形状に至ったストーリーを教えてください。どうやってブラケットを固定している?
A:初期の段階では、デュアルコントロールレバーの固定バンドがハンドルバーの形状ゆえに通せないため、アルミ製の取り外し可能なバンドを試してみました。ですが、最終的には壊れるようなパーツではないということで、現在のデュアルコントロールレバー固定バンドをハンドル製造時に通すスタイルに落ち着きました。
Q:独自規格のハンドルバー、ヘッドシステムですが、直販で購入したときに調整が難しくなったりはしませんか?
A:ハンドルバーの高さは、標準の状態でユーザーに好まれるトップチューブとステムが一直線になる「スラムド」の状態です。そこからスペーサーを抜いて最大15㎜下げることが可能。ハンドルの角度を調整する必要もありませんし、難しいことはありません。
Q:苦労したことはありますか?
A:何でもできるバイクというのは、ある意味レーシングバイクよりも多くのニーズに応えなければならないので開発が難しかったです。
Q:シートポストとハンドルバー、太めのタイヤでバイクに快適性を与えています。メインフレームはどのようなコンセプトを持っていますか?
A:このバイクにとって重要な快適性を出しつつ、重量と剛性のバランスを見つけることには気をつけました。また、あらゆるものを内蔵することにも気を配りました。ワイヤ類はもちろんのこと、フェンダーのアイレットも一見するとどこにあるか分からないように隠しました。これにより見た目はすっきりしていても、バイクパッキングに対応したバイクになっています。
Q:ヘッドパーツのベアリングサイズは上下一緒? 異径?
A:レーシングバイクのアルティメイトCF SLXと同じく上下とも1-1/4〞です。
Q:シュワルベと共同開発したタイヤについて、具体的にどんなオーダー、性能を求めたのか教えてください
A:シクロクロスタイヤよりもコンパウンドを硬くして、サイドノブの形状を工夫したので直線では転がりが良く、バイクを寝かせたときにはグリップします。
Q:フロントシングル仕様の完成車を作ろうと思わなかった?
A:最初からフロントシングルにする予定はありませんでした。ローギアは34×34の1:1になっています。とにかく、あらゆる場面に対応させることを優先しています。前が1枚では下りで脚が回りきってしまうので、より長距離を走るためには2枚がベストと判断しました。
ラインナップ
コンポーネント/シマノ・アルテグラディスクDi2 サドル/フィジーク・アリアンテ ホイール/レイノルズ・アサルトATRディスクカーボン タイヤ/シュワルベ・Gワンバイトチューブレスイージー40mm 重量/8.22kg サイズ/2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
シマノ・アルテグラDi2ディスク完成車価格:50万9000円(税抜)
フレームセット価格:28万9000円(税抜)
グレイルCF SL 8.0 Di2
コンポーネント/シマノ・アルテグラディスクDi2 サドル/フィジーク・アリアンテ ホイール/DTスイス・C1800 タイヤ/シュワルベ・Gワンバイト40mm 重量/8.54kg サイズ/2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
シマノ・シマノ・アルテグラディスクDi2完成車価格/36万9000円(税抜)
コンポーネント/シマノ・アルテグラディスクDi2 サドル/フィジーク・アリアンテ ホイール/DTスイス・C1800 タイヤ/シュワルベ・Gワンバイト40mm 重量/8.54kg サイズ/2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
シマノ・シマノ・アルテグラディスクDi2完成車価格/36万9000円(税抜)
コンポーネント/シマノ・アルテグラディスク サドル/フィジーク・アリアンテ ホイール/DTスイス・C1800 タイヤ/シュワルベ・Gワンバイト40mm 重量/8.4kg サイズ/2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
シマノ・アルテグラディスク完成車価格:28万9000円(税抜)
コンポーネント/シマノ・105ディスク サドル/フィジーク・アリアンテ ホイール/DTスイス・C1800 タイヤ/シュワルベ・Gワンバイト40mm 重量/8.62kg サイズ/2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
シマノ・105ディスク完成車価格:24万9000円(税抜)
グレイル WMN CF SL 7.0 価格:24万9000円(税抜、女性向けモデル)
グレイル CF SL 8.0 SL 価格:39万9000円(税抜)
(いずれも配送料別)
グレイル CF SL 8.0 SL 価格:39万9000円(税抜)
(いずれも配送料別)
グレイルに最適化されたバイクパッキング用のバッグがトピークから!
梱包状態からの組み立て解説動画
トピーク製の専用バッグ取り付け解説動画