あらかじめ、キャノンデール・ジャパンのマーケティングマネージャー、伊藤氏から情報を聞き、驚かされた。いや、正直「呆れた」に近かったといってよい。「このF-Siのために開発された新型レフティは、シングルクラウンなんですよ」。
キャノンデールの「レフティ」といえば、車体の左側に配置されたたった一本のサスペンションでフロントホイールを保持している構造で見た目的にも大きなインパクトを与えている。メーカーはもちろん、使用する選手からもそれがいかに優れた作動と機能、そして軽量性を実現されたものであるかが唱えられ、そしてその独特のスタイルがユーザーにとって「カッコいい」ともとられている一方で、使用した経験がないユーザーには重量バランスが悪いのではないか、強度に問題が含まれているのではないか、という印象を持たれていることも事実だろう。今回の新型ではフレームに対して強固に保持していたであろうダブルクラウンのアッパーを廃したシングルクラウンとしてしまったのだ。
この新しいレフティフォークはスペイン語で「8」を表す「Ocho(オチョ)」と名付けられた。クロスカントリー用レフティの「第8ジェネレーション」というわけだ。「クロスカントリーフォークとしては市場最軽量の1446gで、同じく最も剛性の高いフォーク」。数値や文言ではそういわれても果たして本当に満足のいく性能や機能を果たしてくれるのだろうか……そんな見た目のインパクトはあまりにも大きすぎる。