“第二幕”という一風変わったブランド名、個性的な響きのモデル名、フレーム各所に散りばめられたマオリのグラフィック、ニールプライドの元リーダーが率いるという信頼感などが好意的に受け入れられ、チャプター2は新興メーカーとしては驚きのスタートダッシュを決めた。限定販売されるリミテッドカラーは即日完売状態だという。
第一作となるオールラウンダー、テレ(TERE)のデビューから10カ月、チャプター2はレレ(RERE)という第二作を投入した。カムテール&翼断面を多用し、CFD解析&風洞実験によって空力性能を煮詰めたエアロロードである。とはいえ、「CFD解析」「風洞実験」などの単語はもはや売り文句にすらならない。どのメーカーも、技術的達成度の高低はあれど、エアロロードの開発過程では同じことをやっているからだ。
レレならではの売りは何か。筆者が見る限り、ポイントは4つほどある。まず、直販によるコストパフォーマンスの高さ。次に、フレームサイズが大きくなるにつれてリーチとスタックが漸増的に伸びていく真っ当なジオメトリー。3つめが、個性的かつシンプルなグラフィックと、矢継ぎ早な限定カラーのリリース。4つめは、スモールサイズのカッコよさ。
もちろん4つめは主観によるものだが、実はメーカーの意図でもある。チャプター2を率いるマイク・プライド氏の身長は168cm。体型が日本人に近い。ビジネスとしてアジアマーケットを重視しているということもあり、スモールサイズのジオメトリーやルックスには気を配っているのだという。マイク・プライド氏に「大きいサイズよりXSのほうがカッコいいですね」と言うと、「自分が乗るサイズだから」と笑う。リップサービスも入っているだろうが、XSサイズの完成されたフォルムを見る限り、これは半分本気だろう。