ステインサイクルズは、ありとあらゆる自転車競技を経験し、ダウンヒルでは国内王者になったこともあるベルギー出身のステイン・デフェルム氏が、11年前に設立したブランドである。
このペグは、20インチの小径ホイール車でありながら、700Cロードと同等以上のパフォーマンスを有するレーシングバイクとしてゼロから設計された。最大のポイントは、700Cの模倣ではない小径車専用ジオメトリーであること。加えて、ひとつのサイズで140〜200cm(!)という幅広い身長に対応できることだ。
フレームの素材は7000番台のアルミで、このモデルのためだけに作られたトリプルバテッドのチューブを使用する。3年間で10種類のフレームと12種類ものフォークを試作し、テストで走行した距離は延べ1万2000kmにも及ぶというから驚きだ。
極端に小さな前三角は、先の幅広い身長に対応するためというのが最大の理由だが、もうひとつは、身長が低い人でもシートポストの出代が長くなり、これによって快適性を担保できるというメリットがある。
ラインナップは、今回試乗したフレームセットのロードと、完成車のシングルスピードがあり、両者ともに軽量高剛性なホイールセットが付属する。パフォーマンスを最優先しながら日本独自の文化である輪行のしやすさも視野に入れるなど、ステイン氏のパッションによって生み出されたまったく新しい小径車、それがペグなのだ。