トピックス

トレック・マドンは6世代目へ 「マドンSLR」発進!

トレックのフラッグシップレースモデル・マドンが発表された。エアロを掲げた前作からさらなるシェイプアップされたこの6世代目の全容を、国際派ジャーナリストの難波ケンジが現地からレポートする。

前作マドンはこんなバイクだった!→トレック新型マドンを世界同時発表トレック渾身のエアロロード 新型マドンのギミック詳細
text:Kenji Nanba、photo:TREK、Kenji Nanba

トータルバランスを重視したエアロロード

「トレック・マドンSLRディスク」
「トレック・マドンSLRディスク」

2004モデルとして登場した初代マドンから数えること6世代目。現在のエアロロードバイクのトレンドをリードしてきたトレックの旗艦モデルがディスクブレーキを装備してフルモデルチェンジした。

新型マドンのコンセプトはトータルバランス。つまりエアロロードバイクとして突き詰めると犠牲になってしまう性能を高め、レースバイクとしてのトータル性能を上げるために、例えば快適性や重量、フィッティングといったそれぞれの評価軸での性能を高め究極に近いオールラウンドなレースバイクを作ってきた。

最大のハイライトはUCIもレースでの使用を公認したばかりのディスクブレーキ対応だ。
従来エアロロードのディスクブレーキ化には消極的だったトレックだが、新型デュラエースの登場もあって機が熟したと判断したのが、新型マドンでは、リムブレーキモデルもラインナップするものの、もはやディスクブレーキの時代であると謳っている。

ディスクブレーキ化にあたって空力性能は犠牲にされておらず、複雑なエアロフラップや一体型コクピットを用いた先代マドンと同等の空力性能を新型は持っているといい、軽量化の面でもディスクブレーキ仕様はリムブレーキ仕様よりもフレーム重量は軽くなっている。

 
新型ISOスピードでは、支点がトップチューブ下となり、フレームサイズによらず快適性を向上。ダンパーや調整機構も装着される
新型ISOスピードでは、支点がトップチューブ下となり、フレームサイズによらず快適性を向上。ダンパーや調整機構も装着される
ブレーキホースはステムからステアリングコラムの中を通る完全インターナル仕様で空力だけでなくクリーンなルックスも実現
ブレーキホースはステムからステアリングコラムの中を通る完全インターナル仕様で空力だけでなくクリーンなルックスも実現
ディスクブレーキ化に伴って重量面でのデメリットはフレームに関してはなく、リムブレーキ仕様よりディスクブレーキ仕様の方が軽い
ディスクブレーキ化に伴って重量面でのデメリットはフレームに関してはなく、リムブレーキ仕様よりディスクブレーキ仕様の方が軽い
戦闘機やレーシングカーを彷彿させる新型のデザインは文句なしにレーシングバイク。見た目が汎用なエアロロードの中にあって個性を放ちながら抜群の性能も両立
戦闘機やレーシングカーを彷彿させる新型のデザインは文句なしにレーシングバイク。見た目が汎用なエアロロードの中にあって個性を放ちながら抜群の性能も両立
ディスクブレーキがラインナップの中心だが、リムブレーキモデルもラインナップ。センタープルブレーキも新開発されている
ディスクブレーキがラインナップの中心だが、リムブレーキモデルもラインナップ。センタープルブレーキも新開発されている
ファビアン・カンチェッラーラが選んだという、ブラック・ゴールドのプロジェクトワン・アイコンカラー。他に5色が用意される(うち1色は近日設定予定)
ファビアン・カンチェッラーラが選んだという、ブラック・ゴールドのプロジェクトワン・アイコンカラー。他に5色が用意される(うち1色は近日設定予定)

もう一つのハイライトは、構造自体が新しくなったISOスピード機構。ドマーネや先代マドンでもお馴染みの、トレック独自のシートピラーをフレームから分離して軸点を持たせる事で衝撃を吸収する機構だが、新型マドンでは支点をトップチューブ下側に持ってくる事で、シートチューブの長さによらない快適性を実現。大きなサイズのフレームよりも、我々日本人の平均的な体格にあった52や50といったサイズのフレームで劇的に快適性を向上している。

同時にフレーム内にラバーダンパーを装備する事でリバウンド側に減衰力を持たせ、サスペンションとして機能するため、バンプを越えた際にブルブルとISOスピードが動き続けるという事がなく、トータルで快適性が向上しているという。

フレーム製法はさまざまな強度のカーボンレイアップをトレック独自の製法で空隙の少ないフレームに仕上げるOCLV製法で作られ、OCLV700、つまりフラッグシップとして当然の最高級の素材が使われている。

従来はプロが愛用するショートヘッドチューブのH1ジオメトリーと快適性に振ったH2ジオメトリーが用意されていたが、新型ではH1.5という新しいジオメトリーに統一された。

H1ジオメトリーをベースとして若干ヘッドチューブを伸ばしたジオメトリーは、新しく採用された2分割のステムハンドルシステムと共に完璧なフィッティングを約束する。

同時にトレック独自のカスタムオーダープログラム、プロジェクトワンで選択できるカラーに当面はマドン専用となるプロジェクトワン「アイコン」が追加された。
アップチャージ11万2000円という安くはない金額で塗れる6色のアイコンカラーは、多様化するハイエンドユーザーの嗜好を反映したスペシャルなカラーで、どれも今までのロードバイクの常識を覆すカラーリングだ。

ある程度エアロに振り切った先代マドンに対して、先代と同じ空力性能を持ちながらトータルでの性能を向上させた新型マドン。それはもちろんトレック・セガフレードの選手がツール・ド・フランスで使うメインバイクである。

 

難波ケンジのファーストインプレッション!


空力だけでないトータルバランスを考えてアップデートしたという新型マドンの走りは、トレックの言うところそのものの走りである。

特に快適性は、今までどのエアロロードバイクにも感じたことのないもので、卓越したとはまさにこの事だ。走りの印象は、先代までのマドンらしさを踏襲したものでウィップ感を伴ったトレックらしい走り。

2010年モデルのマドンや先代マドンが好きだった人には、その最新進化系と想像すると良い。それでいて走りの軽さ自体も先代と比べると一味軽くなっているという印象で、やはりロードバイクの進化は留まるところを知らない。

詳しい印象は7/20発売のサイクルスポーツ本誌でレポートするが、ディスクブレーキ化によるデメリットはエモンダ、ドマーネと既にディスクロードでもノウハウを蓄積しているトレック。

マドンの走りは新型デュラエースの質感の高いブレーキフィールと共に究極の域に達している。出揃ったディスクエアロロードの購入を考えるなら、まず試したいモデルである。

 
「マドンSLR8」
「マドンSLR8」

「マドンSLR8」
シマノ・デュラエースR9100完成車価格/76万4000円(税抜)

 
「マドンSLR6ディスク」
「マドンSLR6ディスク」

「マドンSLR6ディスク」
シマノ・アルテグラR8050完成車価格/63万円(税抜)

 
「マドンSL6」
「マドンSL6」

「マドンSL6」
シマノ・アルテグラR8000完成車価格/46万2000円(税抜)




 

新型マドンSLR発売記念キャンペーンも実施!



また、トレック・ジャパンでは新型マドンSLRの発売を記念して、プロジェクトワン購入先着100人にオリジナル非売品サイクルジャージなど豪華プレゼントがもれなくもらえるキャンペーンを実施中。詳しくはこちらのキャンペーンサイトをチェックして欲しい。


開発ストーリーなどより詳しい新型マドンSLRの情報は、7/20発売の「サイクルスポーツ9月号」でお届け!お楽しみに!




問い合わせ先

トレックジャパン
https://www.trekbikes.com/jp/ja_JP/