自転車やパーツを売るだけでなく、楽しく乗るための情報や知識を教えてくれる……、これはサイクルショップを選ぶときの大切な条件だ。なかでも「どこを走ったらいいのかがわからない」という基本的かつ切実な悩みにこたえるため、定期的にイベントを催すショップは、ビギナーにとって頼もしい味方となる。こうしたプロショップやクラブチームに、ビギナーでも楽しく安全に走れるとっておきのコースを紹介してもらった。
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●「たわわ」を造る際に伐採されたクスノキを前にして

●蕎原峠に向かう上り坂の途中、秬谷隨道までのちょっとしたバトル

●ゴールとなる秬谷隨道に向けて最後のダッシュ
 「サニーサイド松谷サイクル」から南へ。府道38号線との交差を左折し、南海本線の踏切を渡って1kmほど進む。すると左手に中華ファミレス「バーミヤン」が見えるので、その先の信号を右折。橋を渡って槙尾川沿いの道を走り、1つめの信号を再び右折する。牛滝川を渡り、下った先の信号は左折。JR阪和線の踏切を越え、東大路町交差点を直進。しばらく走った先、山直(やまだい)下の交差点を左にクランクする。
 やや古い町並みを抜け、2車線の道に合流。そのまま2kmほど進むと左手に、積川(つがわ)神社が見えてくる。この神社の本殿は豊臣秀頼(とよとみひでより)が再建したもので、国指定の重要文化財となっている。その先、国道170号線と交差する積川神社南交差点を牛滝山方面へ進む。
 ここから牛滝山までほぼ一本道。内畑町交差点を過ぎ、阪和自動車道の高架下からは本格的な上り坂となる。週末のチーム練習会では、もみじの名勝牛滝山として知られる大威徳寺までの約5kmを争うように走る。速い人なら10分程度。比較的クルマの通行量が少ないので走りやすい。「牛滝温泉いよやかの郷」からの最後の坂を、時速20km以上で上りきれば大したものだ。

 寺境内の茶屋の前で休憩後、このまま元の道を店まで戻るのが約35kmの定番コース。元気なメンバーはここから寄り道へ。さて、その寄り道のお勧めコースも紹介しよう。
 

●店長に代わって本文を執筆したクラブメンバーの江口冬起さん
 牛滝山から内畑町交差点まで下り、交差点を左折。多少アップダウンのある国道170号線(旧)を泉佐野方面へと進む。ちなみこの辺りでは、シマノの選手をよく見かける(全然ついていけないが……)。クルマの通行量はやや多めだ。
  河合町交差点を直進。小さな峠を越えてしばらく行くと点滅信号があり、やや道が狭くなる。少し左へカーブした先、信号のある小さな交差点を左折。葛城小学校の前を経て、そのまままっすぐ貝塚ICの高架下をくぐり、「ほの字の里」への看板を目印に左へ右へと進む。
 再び見える高速道路の高架下を左折すると、左手に農業庭園「たわわ」が見えてくる。新鮮野菜の直売店もあり、ちょっとした休憩ポイントになる。

 ここからは緩やかな上り勾配の真新しい道が続き、気持ちの良いライディングを楽しめる。クルマはほとんど通らず、とても静か。誰かがアタックするとバトルになるが、天気の良い日には、仲間と談笑しながらゆっくり走るといい。奥へ進むとやや勾配がきつくなり、300mほどの狭路区間と工事区間がある。
 レストランや天然温泉のある「ほの字の里」から河合町までは、緩い下り勾配の続く快適な道。ただし大型車の通行がやや多いので、スピードの上げすぎには注意しよう。
 河合町交差点を右折して内畑方面へ。先ほど下ってきたやや長い上り坂を越えると、内畑町の交差点に戻ってくる。交差点を左折して元の道を店まで走らせるとゴールとなる。

●バトルに使われるのは、クルマの通行量の少ない真新しい道

●「ほの字の里」を過ぎ、蕎原峠の入り口

●定番コースでの休憩ポイントとなる大威徳寺境内の茶屋前
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松谷庄司さん
最近まで野球チームも持っていた元来のスポーツ好き。定休日(水曜)も一人で50~70kmを走る。希望があれば、ビギナーとのプライベートツーリングにも出掛ける。自転車の楽しさを知って欲しくて、オフロードツーリングやロードツーリングのときは、参加者につきあって後方で走る。50歳代後半の今でも、ロード、ヒルクライム、エンデューロレースにもエントリー。若いもんには負けへんで?

■サニーサイド松谷サイクル
〒595-0066 大阪府泉大津市菅原町1-9
TEL.0725-32-4709
URL:www.sunnysidebike.com
●営業時間:10時~20時●定休日:水曜●主な取り扱いブランド:キャノンデール、トレック、ゲイリーフィッシャー、LOOK、コルナゴ、タイム、カレラ、アンカー、オルベア、クオータ

[アドバイス]
国道170号線の積川神社南交差点と国道170号線(旧)の木積交差点にコンビニあり。休憩ポイントは牛滝山の大威徳寺境内と農業庭園「たわわ」。どちらもトイレ&自販機あり。
泉大津市内および岸和田市内の道は、クルマの通行量も信号も多いので、安全運転を心がけたい。「ほの字の里」への道は、逆向きに下っても楽しくてお勧め。
鉄道の場合:
南海本線「泉大津駅」(難波駅から南海本線経由 20分 430円)泉大津駅西出口から2つめの信号のある交差点を右折。100m先の信号のある交差点手前左側。
クルマの場合:
阪神高速湾岸線「助松出口」(梅田出入口から 600円)から3つめの信号を左折し、T字路の信号を右折。100m先の信号を渡った右側。
[コース周辺の味どころ&見どころの紹介]
●たわわ
大阪府貝塚市馬場3081
TEL.0724-46-8000
営業時間:9時~12時/平日 9時~15時/土・日・祝
定休日:月曜※祝日の場合は翌日
農産物直売所「いろどりの店」のほか、イチゴ狩り、タケノコ掘り、イモ掘りが楽しめる。
●ほの字の里
大阪府貝塚市蕎原2114
TEL.0724-78-8777
営業時間:7時~21時(施設によって異なる)
定休日:無休
日帰り入浴は600円(タオル付き)、食事は「レストラン彩」でランチ(800円)から会席料理まで。
[ショップ主催イベントの告知]
●練習会&ミニツーリング
【日時:土曜&日曜8時30分~、集合場所:サニーサイド松谷サイクル、参加費:無料、備考:サイクリスト保険加入が条件】
和気あいあいとしたチームカラーなので、だれでも気軽に参加できます。ロードの練習会&ミニツーリングはスピードも出ます。安全面には各自気を配ってください。基本のコースは牛滝山までの往復です。平均巡航時速は23~25kmです。坂道に入ると、それぞれの速度になります。ゴール地点では桜や紅葉が季節ごとに目を楽しませてくれます。一人で自分のペースで走るのも楽しいですが、何人かで練習すると励みになり、力がつけば足を延ばし、今回紹介した「ほの字の里」の周回も良し、鍋谷峠を越えて和歌山へチャレンジも良しです。